冷房時のエアコンの「風向き」で節電効果に差が出る!? 「水平」と「斜め下」では1ヶ月の電気代はどちらが安い?
そこで本記事では、冷房時のエアコンの風向きが「水平」と「斜め下」でどちらが節約になるかを解説します。エアコンの電気代を節約する方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
冷房時のエアコンの風向きは「水平」と「斜め下」でどのくらい電気代が違うのか
ダイキン工業株式会社が2024年4月に実施した調査によると、エアコン冷房の風向き「水平」と「斜め下」では、「水平」の方が節電になるという結果になりました。風向きによる電気代の違いを表1にまとめました。
表1
| 風向設定 | 消費電力量 (8時~19時) |
1日の電気代 (8時~19時) |
30日間の電気代 |
|---|---|---|---|
| 水平 | 2.77キロワットアワー | 約86円 | 約2580円 |
| 斜め下 | 3.76キロワットアワー | 約117円 | 約3510円 |
出典:ダイキン工業株式会社「エアコンの効果的な節電術で削減できる電気代を4つのケースで調査」を基に筆者作成
表1の結果によると、1日の電気代では約31円の差で「水平」の方が安くなっています。また1ヶ月(30日分)で見ると、約930円お得になっています。なお、この調査結果はあくまでも目安です。住環境や気温などによって結果は変わるため、ひとつの参考としてください。
エアコンの風向きは「水平」の方が節電できる理由
人がいる場所に直接風を送る「斜め下」の方が節電になると思われがちですが、実は「水平」に風を送った方が、電気代の節約につながるとされています。
エアコンから出た冷たい空気は下にたまりやすいため、風向きを「斜め下」にすると床付近ばかりが冷え、天井付近には暖かい空気が残ります。一般的なエアコンは高い位置にあるセンサーで室温を判断するため、床が冷えていても「まだ暑い」と判断して余計に運転してしまうのです。
一方、風向きを「水平」にすると冷気が天井から自然に下がり、効率よく部屋全体を冷やせるため、無駄な電力を使わずにすむというわけです。
エアコンの電気代を節約する方法
エアコンの電気代を節約するには、いくつかの方法があります。できることから実践して、お得に利用しましょう。
フィルターの掃除は2週間に一度を目安にする
エアコンは、部屋の暖かい空気を吸い込み、冷たい空気を送り出すことで涼しくしているため、効率よく冷やすには、室内機の熱交換器に十分な空気が通ることが大切です。フィルターが汚れて目詰まりすると空気の通りが悪くなり、冷房効率が下がって余計な電気代がかかってしまう可能性があります。
フィルターは2週間に1回を目安に掃除し、ゴミやほこりは水洗いや掃除機で取り除きましょう。汚れがひどい場合は、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗って、陰干ししてよく乾かしてください。
なお、経済産業省資源エネルギー庁の省エネポータルサイトによると、フィルターが目詰まりしているエアコンとフィルターを清掃した場合の比較では、年間約990円の節約につながります。
室外機の吹き出し口をふさがない
室外機は熱を外に逃がすため、空気の通り道をふさがないことが重要です。吹き出し口付近に物を置いたりカバーをかけたりすると熱風が再吸収されて冷却効率が下がります。室外機の前の風通しをよくするためにも、室外機用のカバーなどをかけている場合は、冷房時にはなるべく外すとよいでしょう。
エアコンの室外機は、部屋の熱を外に逃がす際、多くの電気を使い電気代がかかると言われています。特に夏は、直射日光や地面の照り返しで室外機周辺の温度が上がり、放熱効率が下がって余計な電力を使うことがあるようです。
室外機は直射日光を想定して作られていますが、できるだけ日陰に設置したり、1メートルほど離れた場所に植木やよしずを置いて日陰を作ったりすると、電気代の節約につながるでしょう。ただし、その際にも吹き出し口をふさがないよう注意が必要です。
風量を自動設定にする
電気代を気にして手動で微風や弱風にするより、冷房時は風量を自動にすることがおすすめです。自動運転なら部屋が冷えるまでは強風で運転し、その後は微風に切り替わり、効率よく快適に冷やせるでしょう。
エアコンは、部屋を冷やす初期に電気を多く使うため、微風のままだと冷えるまで時間がかかり、かえって電気代がかかる可能性があります。
なお、経済産業省資源エネルギー庁の省エネポータルサイトでは、冷房時の設定温度を1度上げると年間で約940円の節約につながるケースもあるとしています(外気温度31度、2.2キロワットのエアコンの冷房設定温度を27度から1度上げて、1日9時間使用した場合)。
そのため、風量を自動設定にしたうえで設定温度を上げることにより、節約効果が見込めるでしょう。
扇風機やサーキュレーターを併用する
エアコンから離れた場所が暑い場合は、扇風機やサーキュレーターを使い、エアコンの冷気を遠くまで効率よく送ることがおすすめです。
エアコンの風を背にして、風を送りたい方向に扇風機やサーキュレーターを向けると、冷たい空気がより遠くまで届きます。
冷房時のエアコンの風向きは「斜め下」より「水平」の方が節約につながる可能性がある
ダイキン工業株式会社の調査結果によると、エアコンの風向きは「斜め下」よりも「水平」にすることで、1日約31円、1ヶ月で約930円も節約できることが分かりました。ただし、この調査結果はあくまでもひとつの目安です。住環境や気温などによって結果は変わります。
また、2週間に一度のフィルター掃除や風量の自動設定、扇風機やサーキュレーターの併用で、さらに節約が期待できるかもしれません。日々の使い方を見直して、賢くエアコンを使いましょう。
出典
ダイキン工業株式会社 夏の猛暑と電気代値上げを前に、エアコン節電術の具体的な効果を検証! エアコンの効果的な節電術で削減できる電気代を4つのケースで調査 検証2 エアコン冷房の風向設定は 「ななめ下」 と 「水平」 でどちらが節電?「風向:水平」の方が節電に!(3ページ)
経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約 エアコン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
