毎月の支出のうち、特に食費が急増中! 食費が増えると生活水準が下がるってホントですか?

配信日: 2025.08.08
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毎月の支出のうち、特に食費が急増中! 食費が増えると生活水準が下がるってホントですか?
毎月かかる食費は、私たちが生きるために必要な出費です。しかし最近の日本では、物価高の影響で食費が急激に増加しています。家計の出費のうち食費にかかるお金の割合が増えると、その他レジャーや娯楽などに使えるお金が減るため、生活水準が下がるといわれています。
 
今回は、ここ最近でどのくらい食費が増えているのかを見ていきます。また、食費と豊かな暮らしの関係についてもご紹介します。
下中英恵

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

毎月の支出のうち食費はどのくらい増えている?

まずは、毎月の支出と食費、そして、毎月の支出のうち食費に使っているお金の割合をチェックしていきましょう。ここでは、総務省が発表する「家計調査」から、2人以上世帯の1ヶ月の支出を見ていきます。
 

<2025年5月の2人以上世帯の家計>

消費支出:31万6085円
 
うち食費:9万4204円
 
消費支出のうち食費が占める割合(エンゲル係数):28.3%

2人以上世帯の家計では、毎月の支出のうち、食費が占める割合の平均は約28%となっています。一般的に、この「毎月の支出のうち、食費の占める割合」はエンゲル係数と呼ばれており、その推移を見ると食費に使っているお金の割合の変化が分かります。
 
総務省の家計調査によると、ここ10年ほどでエンゲル係数は5%近く上昇しています。つまり、毎月の支出のうち、食費にかかるお金の割合が増えているということになります。
 

食費が増えると生活水準が下がる⁉

食費にかかるお金の割合の増減は、私たちの生活水準に大きな影響を与えます。
 
例えば、収入金額が大きく変わらないまま食費の割合が減ると、毎月の貯金や娯楽などに使えるお金の割合が増えます。一方、収入金額が変わらないまま食費の割合が増えると、食費以外の自由に使えるお金が減ってしまいます。洋服や趣味のものを買う予算も減ってしまうでしょう。
 
つまり、食費に使うお金の割合が増えると、私たちの生活水準も下がるということになります。
 
先ほどご紹介したとおり、物価高の影響もあって、ここ10年ほどで食費にかかるお金の割合は急増しています。言い換えると、ここ10年間、私たちの生活水準は下がる傾向にあるといえます。
 

生活水準を上げる方法とは?

私たちがより経済的に豊かな生活を送るためには、食費などの支出を減らすか、家庭の収入を増やすか、大きく分けて2つしか方法はありません。しかし、最近の日本は物価高が続いており、支出を大幅に減らすのは難しいという家庭が多いでしょう。
 
そのため、最も有効な方法は、家庭の収入を増やすことです。パートのシフトを増やす、副業を行う、転職を検討するなど、収入を増やす方が生活水準を大幅に改善できる可能性があります。
 
もちろん、すぐに転職をするといったことは難しいかもしれませんが、家庭内の収入を増やすことができないか、一度検討してみてはいかがでしょうか。
 

まとめ

日本の物価高は、皆さんの家計に大きな影響を与えています。食費を切り詰めるなど、節約をしている方も多いと思われます。しかし、健康を維持するためにも、バランスのよい食事をとることは必須であり、節約にも限度があります。支出を切り詰めるだけではなく、収入を増やすこともできないか、検討してみるとよいでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告 2025年(令和7年)5月分
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年) 統計表 二人以上の世帯(被服及び履物~エンゲル係数)
 
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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