残暑が厳しいこの時期、エアコンの設定温度を1度下げるのと、風量を「強」にするのとでは、どちらが電気代を抑えられるのでしょうか?

配信日: 2025.08.24 更新日: 2025.08.25
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残暑が厳しいこの時期、エアコンの設定温度を1度下げるのと、風量を「強」にするのとでは、どちらが電気代を抑えられるのでしょうか?
夏の終わりでも蒸し暑さが残るこの季節、エアコンは欠かせない存在です。しかし、使い方次第では電気代が大きく変わるため、少しでも効率よく運転したいと思う方も多いのではないでしょうか。
 
特に気になるのが、「設定温度を1度下げる」のと「風量を強める」のとでは、どちらが節約につながるのかという点です。体感的には風量を強めると電気を多く使いそうですが、実際は逆の結果になることもあります。
 
そこで本記事では、その理由を仕組みとあわせて解説し、快適さと節電を両立する方法をお伝えします。
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設定温度を下げると電気代はどうなる?

エアコンの冷房運転は、室内の空気を冷やすために「コンプレッサー」という部品を稼働させています。電気代の大部分はこのコンプレッサーの動きに使われており、消費電力全体の約8割を占めるともいわれます。
 
設定温度を1度下げると、室温をさらに下げようとするためにコンプレッサーの稼働時間や負荷が増加し、その結果、消費電力は大きく上がってしまいます。
 
一般的に、冷房時の設定温度を1度下げると、消費電力が約10%増えるといわれています。電気代もそれに伴い確実に増えてしまうため、節電の観点からは設定温度を下げ過ぎるのはあまり効果的とはいえません。
 

風量を強めるとどうなる?

一方で、風量を「弱」から「強」に切り替える場合はどうでしょうか。風量の調整は、主に「送風ファン」の回転数を変えることで行われ、消費電力は比較的小さいです。ファンにかかる電気代は、コンプレッサーに比べてごくわずかにとどまります。
 
さらに、風量を強めることで室内の空気がよく循環し、冷たい空気が部屋の隅々まで素早く届きます。すると、部屋全体が早く涼しくなり、コンプレッサーの稼働時間が短く済むため、結果としてトータルの消費電力を抑える効果が期待できるのです。
 
体感的には「強風=電気をたくさん使う」というイメージがありますが、実際には設定温度を1度下げるよりも消費電力の増加は抑えられることが多いとされています。
 

節電につながる使い方のコツ

では、実際にどう使えば快適さと節約を両立できるのでしょうか。参考までに、以下のポイントを見てみましょう。
 
1. まずは風量を強める
暑さが厳しいときに温度を下げたくなる気持ちはありますが、先に風量を上げてみましょう。空気の循環がよくなることで、同じ設定温度でも体感温度が下がりやすくなるため、エアコンを使用するときは暑い日でも先に風量を強くすることがおすすめです。
 
2. 自動運転を活用する
多くの最新型エアコンは、自動で室内の状況を感知して効率的に風量やモードを切り替え、無駄のない運転を行います。効果的な節電につながるため、うまく活用しましょう。
 
3. 扇風機やサーキュレーターを併用する
冷たい空気は下にたまりやすいため、空気をかき混ぜると部屋全体が均一に涼しくなります。これにより、設定温度を下げずに快適さを維持することができます。
 
4. フィルター掃除を忘れずに
フィルターにほこりがたまると風量が弱まり、余計に電力を使うことになります。2週間に一度程度は掃除をして、効率を維持しましょう。
 

電気代を抑えるなら温度より風量を見直そう

残暑が続く時期、つい設定温度を下げてしまいがちですが、それは電気代の増加につながります。代わりに、風量を強めたり自動運転を利用したりして効率的に空気を循環させるほうが、消費電力を抑えながら部屋を快適に維持できるのです。
 
電気代を節約したいときは温度をいじるのではなく、まず風量の設定や空気の循環を工夫することから始めてみましょう。ちょっとした操作の違いが、快適さと節約の両立につながるので、今日から試してみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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