更新日: 2024.10.10 家計の見直し
社会人からはじめる家計簿のつけ方
社会人になったことで、学生時代よりも安定した給与が支給されるようになり、胸を躍らせている人も多いかもしれません。一方で、社会人になったら今まで以上にお金をきちんと自己管理する必要があります。
そこで今回は、新社会人にこそすすめたい家計簿のつけかたについてお伝えします。
執筆者:三浦雅也(みうら まさや)
酒井FP綜合事務所/お金工房わなび所属
2級FP技能士、AFP(日本FP協会認定)
「お金のことをもっと身近に感じてほしい!」をモットーに、“手帳”を使った人生設計の方法や、知っててよかったお金の話セミナーをはじめ、年間50回以上の講演を行う。
専門用語を使わないわかりやすい説明を心がけている。
http://www.fp-sakai.com
家計簿の目的は『お金の出入りを”見える化”』すること
なぜ家計簿をおすすめするかというと、お金の収支が見えるようになるからです。お金の流れを帳簿に記すこと(家計を管理すること)で、毎月の収入と支出を把握することができます。
そして、家計簿に毎月の収支を記録し続けていると、『将来のためにお金を準備しようかな…』『クルマが欲しいからお金を貯めよう!』と思ったときに、毎月の収支のなかからどれぐらいの金額を貯蓄や資産運用に回すことができるかを判断しやすくなります。これも、大きなメリットと言えます。
・今月は外食が多かったから、食費がかさんでしまったなぁ…。
・今月は友達と遊ぶことが少なかったから、交際費がそんなにかからなかった。
・今月はセールで服を買いすぎたなぁ…。こんなにお金を使う予定じゃなかったのに…。
このように、自分が使ったお金に感想をもつことで、これからの支出を見直すきっかけ作りができるのも家計簿ならでは、ですよね。
支出をこまめに確認する習慣を身に付けておくと、『どうしてこんなにお金がないんだ…』ということはなくなるでしょう。
必要なお金は天引き貯蓄
収入のうち、1割~2割は貯蓄や投資に回すことをおすすめします。
大切な時間を使い、労働の対価として得たお金ですから、今を楽しみたいという気持ちもあるでしょう。しかし、近い将来のことや、老後のことも念頭に置いてさまざまな資金を準備しましょう
お金が入れば入っただけ使ってしまう人が多いので、貯蓄に自信がない場合には、口座から毎月決まった金額を引き落とすタイプの積立貯蓄がおすすめです。
将来のために必要なお金を先に引き落としておくことで、残りのお金は自由に使うことができます。このように、お金が貯まる仕組みを作っておけば、気持ちよくお金を使うことができますね。
実際に家計簿をつけてみる
家計簿の記録にはいろいろな方法があります。
・家計簿を購入して形式に従って記録する
・手帳やノートを使用して自分にとって必要な情報だけ記録する
・スマートフォンのアプリやパソコンのソフトを使用して記録する
【アナログ派の家計簿のつけ方】
家計簿やノートを使用して家計簿を作成する人たちのことを、私はアナログ派と呼んでいます。紙に直接書いたり、レシートをもらってノートに貼り付けたりすることが好きな人はアナログ派に向いています。
自分はアナログ派だと思う人は、以下のように家計簿をつけるとよいでしょう。
(1)レシートは必ずもらうようにする(クリアファイルなどにまとめて入れておくとよい)
(2)毎日もしくは週に1度のペースで支出をノートに記録する
(3)その際には、食費・日用品購入費・交際費といったように費目を分ける
※ただしあまりに細かいとつらくなるので、ざっくりと自分に分かる範囲で費目を分ける
(4)月末に、今まで記録した支出を合算した数字を計算する
※その際には使ったお金に対してどのような感想をもったかをコメントしておくとよい
【デジタル派の家計簿のつけ方】
スマートフォンのアプリやパソコンのソフト(エクセルなど)を使用して家計簿を作成する人たちのことを、私はデジタル派と呼んでいます。レシートがたまることがストレスになる人や、決まった時間に何かを続けることが苦手な人はデジタル派に向いています。
自分はデジタル派だと思う人は以下のように家計簿をつけるとよいでしょう。
(1)アプリをダウンロードし、銀行口座や電子マネーを連携させる
(2)自分がよく使うお金の費目を設定する(食費・交際費・衣服代など)
※アプリでは簡単にサッと入力できることが大切なので、こちらも費目はざっくりと自分に分かる範囲で費目を設定すること
(3)現金でお金のやり取りをした際は、レシートを撮影したり、アプリに金額を入力する
(4)今までの収支は自動的に合算されているので、時間のあるときに振り返る習慣をもつ
圧倒的にラクなので、私はスマートフォンのアプリを活用した方法をおすすめします。ただ、人によっては紙に記録をすることが楽しくて家計簿が続くようなこともあるので、自分に合った方法を見つけてくださいね。
お金の流れを把握しているとムダ遣いが減る
何も意識せずにお金を使っている人と、毎月の支出を意識してお金を使っている人とでは、後者のほうが豊かなお金の使い方をしているように感じます。
「家計簿なんてなくてもお金に困らないよ」という意見もありますが、「家計簿があったほうが素敵なお金の使い方ができると思いますよ」とお伝えしています。
お金の使い方には人の生き方が表れると言いますが、あなたはどのようなお金の使い方をしているでしょうか。
執筆者:中西雅也(なかにし まさや)
酒井FP綜合事務所/お金工房わなび所属