妻が”パート”の日数を増やしたいと言う一方で、夫は「壁を超えると損」と反対…。実際はどこまで働くのがよいのでしょうか?

配信日: 2026.03.17
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妻が”パート”の日数を増やしたいと言う一方で、夫は「壁を超えると損」と反対…。実際はどこまで働くのがよいのでしょうか?
パートの日数を増やしたい妻と、「壁を超えると損するからやめたほうがいい」と考える夫。このようなやり取りは、多くの家庭で予想されます。たしかに、年収の壁を超えると税金や社会保険料がかかり、手取りが急に減ったように見える場面はあります。
 
ただ、それだけで「壁の手前に抑えるのが正解」とは言い切れません。大切なのは、目先の手取りだけでなく、世帯全体の収入や将来の保障も含めて考えることです。
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「壁を超えると損」は、一部では本当だが、ずっと不利とは限らない

年収の壁が意識される大きな理由は、一定額を超えると社会保険料の負担が発生し、その分だけ手取りが減ることがあるからです。特に106万円や130万円付近では、「少し多く働いたのに思ったほど増えない」ということが起こりやすく、これが「働き損」と言われる原因になります。
 
ただし、厚生労働省や内閣府の資料では、壁を超えて働くと、その時点では保険料負担が増えても、長い目では世帯の生涯可処分所得が増えるケースがあることが示されています。つまり、短期で見ると不利に見えても、長期では必ずしも損ではありません。「今月の手取り」だけで結論を出すと、判断を誤りやすくなります。
 

どこまで働くのがよいかは、勤務先の条件で変わる

実際に考えるときに重要なのは、妻の勤め先が社会保険の適用対象かどうかです。従業員50人超の企業などで、週20時間以上、月額賃金8.8万円以上などの条件を満たすと、106万円前後で社会保険に加入する可能性があります。一方で、そうした条件に当てはまらなければ、まず意識すべきなのは130万円の扶養基準になることがあります。
 
つまり、「何万円までが得か」は、全国一律ではありません。同じパートでも、会社の規模や働く時間で変わります。夫婦で話し合うなら、まずは感覚で「損か得か」を決めるのではなく、勤務先の加入条件を確認することが先です。
 

壁の手前で止めるより、しっかり超えて働くほうが合う人もいる

年収の壁を気にして勤務時間を減らすと、一時的には手取りを守りやすいかもしれません。ですが、その働き方を何年も続けると、収入が伸びにくくなり、将来の年金も増えにくくなります。厚生労働省は、社会保険加入によって厚生年金が上乗せされることや、健康保険の給付が充実することを示しています。
 
そのため、今後も長く働くつもりなら、「壁の少し手前で毎年止める」より、「壁をしっかり超えて、保険料負担があっても収入を伸ばす」ほうが合うことがあります。短時間の調整を続けるより、働き方を一段上げたほうが、結果的に家計が安定しやすい場合もあります。
 

夫婦で決めるなら、「損するか」より「どう暮らしたいか」で考える

パートの日数を増やすかどうかを考えるとき、「壁を超えると損」という見方には一理あります。ですが、それはあくまで目先の手取りに注目した話です。実際は、勤務先の条件、世帯全体の収入、将来の年金、医療保障まで含めて考えないと、本当にどこまで働くのがよいかは分かりません。
 
夫婦で意見が分かれたときは、「何万円までなら得か」だけでなく、「これから何年働く予定か」「将来の保障をどう考えるか」を話し合うことが大切です。
 
壁の手前で止めることが合う家庭もありますし、思い切って超えて働くほうが合う家庭もあります。数字だけではなく、暮らし方に合う働き方を選ぶことが、いちばん納得しやすい答えにつながるでしょう。
 

出典

厚生労働省 「年収の壁」への対応
厚生労働省 社会保険の加入対象の拡大について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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