最近わが社でも「育児のためのテレワーク」が認められたものの「在宅勤務手当」は未導入。ママ友は「月1万円」ももらっているそうで羨ましいです…。でも実際は7割近くの企業で「もらえない」って本当?
そこで気になるのが「在宅勤務手当」です。光熱費を自己負担しなければならないので、支給されるのなら助かるという方もいるのではないでしょうか。本記事では在宅勤務手当に関する現事情と、あわせて交通費に関する社会保険料の算定についても解説します。
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目次
「改正育児・介護休業法」施行で令和7年10月より「柔軟な働き方」の実現が努力義務化
令和6年に改正された育児・介護休業法は、令和7年4月1日と10月1日に段階的に施行されました。
4月1日からは「短時間勤務制度(3歳未満)の代替措置にテレワーク追加」「育児のためのテレワーク導入」など9項目を、10月1日からは「柔軟な働き方を実現するための措置等」「仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮」により、企業に対し就業規則の見直しを求めました。
柔軟な働き方の内容としては、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に対し、
1.始業時間等の変更
2.テレワーク等(1ヶ月に10日以上)
3.保育施設の設置運営等
4.就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇(養育両立支援休暇)の付与(1年に10日以上)
5.短時間勤務制度
これら5項目のうち、最低2つ以上措置を講じることとなっています。
どこからが課税対象? テレワークにおける「在宅勤務手当」の範囲とは
掲題の育児のためのテレワークは上記2に該当しますが、在宅勤務手当を支給するかは企業の判断に任せられています。
人事院「民間給与の実態(令和5年職種別民間給与実態調査の結果)」によると、在宅勤務を実施している企業は調査対象企業の41.9パーセント、その中で在宅勤務手当を支給している企業は3割程度に留まっているのが現状です。
ちなみに「在宅勤務関連手当の支給目的別の月額支給の状況」によると、支給目的は光熱費の負担増への配慮のみが多く、1万円より多く支給している事業所の割合は4.3パーセントで、掲題のママ友のような例は稀なケースといえるでしょう。
また、国税庁「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」によると、実費を精算する場合は課税対象外で、一律1万円といった支給方法は従業員に対する給与として課税する必要があると回答しています。
在宅メインの「一時出社」の交通費は原則として社会保険料の算定対象外
社会保険料の算定に関しても、基本的には実費弁償にあたるかが判断基準とされています。
ただし、一時出社の交通費を社会保険料の算定基礎に含めるかについては別途基準があり、一時出社の交通費に関しては厚生労働省・総務省「テレワークポータルサイト」にQ&Aが記載されています。
要約すると、同じ実費精算の形であっても、労働契約上の役務提供地が自宅の場合は実費弁償扱いで算定対象外、企業の場合は通勤手当扱いで算定対象となっています。
そのため、テレワークを許可されていても役務提供地が原則「企業」の場合、交通費の金額によっては社会保険料の等級が上がる可能性もあるでしょう。
まとめ
育児のためのテレワークに関して、在宅勤務手当を支給するかは企業の判断に任せられており、在宅勤務を実施している事業所のうち支給しているのは3割程度で、7割の企業ではもらえないのが現実のようです。
ちなみに月1万円以上支給している企業の割合は4.3パーセントで、掲題のママ友のケースは稀有なケースといえるでしょう。交通費に関して、労働契約上主な「勤務地」が自宅ではなく企業の場合、通勤手当扱いになるので社会保険料の等級が上がる可能性があります。
出典
厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内(4ページ)
国税庁 在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)(3ページ)
人事院 民間給与の実態(令和5年職種別民間給与実態調査の結果) I 調査の説明、II 統計表 3 手当の支給状況 表13在宅勤務関連手当の支給状況
厚生労働省 総務省 テレワークを導入した際の交通費や在宅勤務手当は社会保険料・労働保険料等の算定基礎に含めるべきでしょうか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
