通勤用定期券半年分(10万円以上)を一括で購入する必要がありますが、会社からの先払いはありません。費用を工面できない場合、どうすればいいでしょうか?

配信日: 2026.05.23
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通勤用定期券半年分(10万円以上)を一括で購入する必要がありますが、会社からの先払いはありません。費用を工面できない場合、どうすればいいでしょうか?
通勤手当として通勤用定期券の代金を支給してくれるという会社もあります。とはいえ、定期券の代金の支給は後払いであることが一般的であり、この場合は代金を立て替えて支払うことになります。しかし、本事例のように、代金を立て替えて支払うお金を工面できない場合、どうしたらいいのでしょうか。
 
そこで本記事では「通勤用定期券半年分(10万円以上)を一括で購入する必要はあるのか?」「通勤用定期券代(半年分)を工面できない場合、どうすればいいか?」について解説します。
中村将士

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

通勤用定期券半年分(10万円以上)を一括で購入する必要はあるのか?

本事例において、まず気になるのが「通勤用定期券半年分(10万円以上)を一括で購入する必要があります」という点です。通常、通勤手当の支給については、就業規則で「通勤手当は、月額〇〇円までの範囲内において、通勤に要する実費に相当する額を支給する」などと規定されています。
 
これは厚生労働省のモデル就業規則に記載されていた文言のため、全ての会社の就業規則がこのとおりというわけではないでしょう。
 
とはいえ、就業規則に規定する内容は、通勤手当支給の有無や算定方法、支給限度額など支給額や支給方法に関するものが一般的であり、「通勤用定期券半年分を一括購入しなければならない」といった購入方法を規定するものではないでしょう。
 
労働基準法第11条において、「賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」と定義しており、通勤手当は賃金に該当すると解されています。
 
さらに同法第24条第2項において、「賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」と規定しています。
 
このような規定が労働基準法にあるため、本事例における通勤手当の支給については、勤務先の就業規則において「6ヶ月分の定期代を1ヶ月分に換算して、後払いにて支給する」という趣旨の規定がされているのではないかと考えられます。
 
このように規定する利点は、6ヶ月分の定期代を1ヶ月分に換算したほうが1ヶ月分の定期代よりも割安になり、会社の負担が軽くなることです。したがって、通勤用定期券半年分(10万円以上)を一括で購入する必要はないのではないかと思います。
 

通勤用定期券代(半年分)を工面できない場合、どうすればいいか?

「通勤用定期券半年分(10万円以上)を一括で購入する必要があります」といわれるのは、定期券半年分を一括で購入しないと、支給される通勤手当ではまかなえない(一部自腹を切らなければならない)ことが原因でしょう。
 
このように考えると、定期券代半年分を工面できない場合、取り得る手段としては以下のとおりです。
 

・親、兄弟、配偶者・友人などにお金を借りる
・1ヶ月分、または3ヶ月分の定期券を購入する

 
簡単にいえば、お金を借りて支払うか、金額を少なくして支払うかのいずれかの手段を取るしかないでしょう。「会社に先払いしてもらえるか相談する」ということも考えられますが、「会社からの先払いはありません」といわれていることから、選択肢から外すのが妥当です。
 
自腹を切るのが嫌であれば、誰かからお金を借りるしかありません。お金を借りるのが嫌であれば、自腹を切ることになるとしても、購入できる範囲で購入するしかありません。
 
本来であれば用意できていたはずであっても、何かしらのイレギュラーが発生して費用を工面できなくなってしまった場合は、不本意かもしれませんが、これらの手段によって対応するのがいいでしょう。
 

まとめ

本記事では「通勤用定期券半年分(10万円以上)を一括で購入する必要はあるのか?」「通勤用定期券代(半年分)を工面できない場合、どうすればいいか?」について解説しました。まとめると、以下のとおりです。
 

・就業規則を確認する必要があるが、一般には通勤用定期券半年分(10万円以上)を一括で購入する必要はない
・通勤用定期券代(半年分)を工面できない場合、「お金を借りる」「購入金額を減らす」のいずれかで対応する

 
定期券購入に限らず、半年に1度、または1年に1度大きな支出を伴うことは珍しくありません。このときにお金の準備が不十分であったと後悔しないよう、この機会に1年の支出を整理してみるのもいいのではないでしょうか。
 

出典

厚生労働省「モデル就業規則について」
厚生労働省「通勤手当について」
e-Gov法令検索「労働基準法」
 
執筆者 : 中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 上級心理カウンセラー

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