フリーランス+アルバイトの掛け持ちです。アルバイト先で社会保険に入れる場合、加入するメリットはありますか?
本記事では、フリーランスがアルバイト先で社会保険に加入するメリットや注意点を解説します。
CFP(日本FP協会認定会員)
1級FP技能士(資産設計提案業務)
住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーター
未来が見えるね研究所 代表
座右の銘:虚静恬淡
好きなもの:旅行、建築、カフェ、散歩、今ここ
人生100年時代、これまでの「学校で出て社会人になり家庭や家を持って定年そして老後」という単線的な考え方がなくなっていき、これからは多様な選択肢がある中で自分のやりたい人生を生涯通じてどう実現させていくかがますます大事になってきます。
「未来が見えるね研究所」では、多くの人と多くの未来を一緒に描いていきたいと思います。
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目次
社会保険への加入はフリーランスにとってのセーフティネット
フリーランスとして活動しながら、生活費の補填やスキルの幅を広げるためにアルバイトを掛け持ちしている人も少なくないでしょう。
そこで避けて通れないのが「社会保険」への加入問題です。社会保険とは、主に健康保険と厚生年金保険のことを指します。会社員が加入している制度で、アルバイトでも一定条件を満たせば加入対象になります。
「手取りが減るから損ではないか?」と感じる人も多いようですが、中長期的な視点で見ると、フリーランスにとって社会保険加入は非常に強力なセーフティネットになります。
そもそも社会保険の加入条件とは?
アルバイト先で社会保険に加入するには、勤務先の規模や労働時間によって異なりますが、一般的には次の条件が目安です。
・週の労働時間が20時間以上
・月額賃金が8万8000円以上
・2ヶ月超の雇用見込み
・学生ではない
2024年10月からは従業員数51人以上の企業まで社会保険の適用範囲が拡大されました。
フリーランスがアルバイト先で社会保険に入る「5つの大きなメリット」
フリーランスが国民健康保険・国民年金から、アルバイト先の社会保険へと切り替えることには、以下のような利点があります。
1.保険料を会社が半分負担してくれる(労使折半)
国民健康保険や国民年金は、全額が自己負担です。
一方、社会保険は「労使折半」といって、保険料の半分を会社が負担してくれます。同じ保障内容、あるいはそれ以上の保障を、自己負担を抑えて手に入れられるのは最大のコストメリットです。
2.将来もらえる年金額が増える
国民年金(老齢基礎年金)に、アルバイト先で加入する「厚生年金」が上乗せされます。フリーランスの弱点は「老後年金の少なさ」ですが、アルバイト先で社会保険に入れば、将来の年金受給額を着実に増やすことができます。
3.「傷病手当金」と「出産手当金」が使えるようになる
フリーランスにはない、社会保険独自の強力な保障を得ることができます。以下のそれぞれの手当が非課税で、給与の約3分の2が支給されます。「休業補償」が得られる安心感は計り知れません。
| 傷病手当金 | 業務外の病気やケガで働けなくなったとき、連続する3日間の待期後、4日目から通算で最長1年6ヶ月支給。 |
| 出産手当金 | 出産日以前の42日と、出産日後の56日の間、休んだ日数に応じて支給。 |
4.国民健康保険料よりも安くなる可能性がある
国民健康保険の保険料は前年の所得などを基に世帯単位で算定されます。社会保険料は「アルバイト先の給与」に基づいて計算されます。
フリーランスとしての所得が高い場合、アルバイト先の社会保険に加入して保険料を支払う方が、高額になりがちな国民健康保険料を支払うよりも、世帯全体の保険料コストが下がるケースがあります。
5.扶養家族を無料で保険に入れられる
国民健康保険には「扶養」という概念がなく、家族一人ひとりに対して保険料がかかります。しかし、社会保険であれば、条件を満たす家族を自分の健康保険の「扶養」に入れることができ、その場合、被扶養者本人の保険料負担はありません。
デメリットや注意点は?
メリットが多い社会保険ですが、以下の点はあらかじめ理解しておく必要があります。
手取り額の減少
額面給与から保険料が天引きされるため、毎月の「現金」としての手取りは確実に減ります。目先のキャッシュフローを最優先したい時期には、この減少が負担に感じるかもしれません。
フリーランス所得への影響
アルバイト先で社会保険に入ったとしても、フリーランスの所得(利益)については、確定申告時に別途所得税や住民税の計算が必要となります。ただし、支払った社会保険料は全額「社会保険料控除」として所得から差し引けるため、節税効果が期待できます。
まとめ
フリーランスは自由度が高い働き方ですが、社会保障が薄くなりがちです。アルバイトを掛け持ちしているフリーランスにとって、社会保険加入は単なる「保険料の天引き」ではなく、会社負担の恩恵を受けながら将来の年金を増やし、病気やケガの保障を得る「安心」になります。
加入条件を満たすのであれば、前向きに検討し、フリーランスとしての活動をより強固な土台の上で進めていくのが賢明な判断といえるでしょう。
出典
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト
執筆者 : 小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)
