夫に「定期預金の金利が上がってるなら、投資しない人には悪くないのでは?」と言われました。たしかに安全性は魅力ですが、物価上昇まで考えると本当に“増える”と言ってよいのでしょうか?
実際、定期預金は元本保証があり、投資のような価格変動リスクもありません。そのため、特にリスクを避けたい人にとっては安心感があります。
しかし、お金が“本当に増えているか”を考えるときは、預金残高だけではなく「物価上昇」も合わせて考える必要があります。たとえ預金残高が増えていても、物の値段がそれ以上に上がっていれば、実際の価値は下がっている可能性があるからです。
今回は、定期預金のメリットを確認しながら、物価上昇時代における「お金の増え方」について分かりやすく解説します。
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目次
定期預金の金利は上がっているが、増え方は大きくない
近年、日本でも長く続いた超低金利の流れに変化が見られ、銀行の定期預金金利が少しずつ上昇しています。以前は年0.002%程度の商品も珍しくありませんでしたが、現在はキャンペーンなどで年0.1〜0.3%前後の定期預金を見かけることもあります。
例えば、100万円を1年間、年0.2%の定期預金に預けた場合、税引前の利息は2000円です。ただし、実際には利息に約20%の税金がかかるため、手元に残るのは約1600円になります。
これだけ見ると、「銀行に置いておくだけで増えるなら十分」と感じるかもしれません。しかも、定期預金は預金保険制度の対象であり、万が一銀行が破綻しても元本1000万円までとその利息が保護されます。価格変動のある投資商品と違い、元本割れの心配がない点は大きな魅力です。
一方で、増え方そのものはまだ大きいとは言えません。特に、日常生活に関わる食品や光熱費などの値上がりが続いている今は、「利息で増えた金額」と「生活費の上昇」を比較して考える必要があります。
物価が上がると、お金の価値は実質的に下がることがある
お金が本当に増えているかを考える際に重要なのが、「実質的な価値」です。
例えば、100万円を定期預金に預けて1年後に100万1600円になったとしても、その間に物価が2%上昇していた場合、実際の買える量は減っている可能性があります。
以前は200円で買えた商品が204円になっていれば、同じ生活をするために必要なお金は増えているからです。つまり、数字上は預金残高が増えていても、実際の購買力としては目減りしていることがあります。
この考え方は「インフレ」と呼ばれます。インフレとは、モノやサービスの価格が全体的に上がることです。日本では長い間、大きな物価上昇が少なかったため、預金中心でも十分だと考える人が多くいました。しかし、最近は食料品や電気代など、生活に直結する支出が上がり続けています。
そのため、「元本が減らない=安心」と考えるだけでは不十分になりつつあります。預金は安全性が高い一方で、インフレには弱い面もあるのです。
安全性を重視しながら、資産を守る考え方も大切
もちろん、「預金は意味がない」というわけではありません。生活費や急な出費に備えるお金は、普通預金や定期預金で管理することが重要です。
特に、数か月以内に使う予定があるお金や、病気・失業などに備える資金まで値動きのある投資商品に回すのはリスクがあります。
ただし、当面使う予定がないお金については、「安全性」と「お金の価値を守ること」の両方を意識する考え方も必要です。
例えば、長期で少しずつ積み立てる投資信託などは、価格変動がある一方で、長期間運用することでインフレに対応しやすい資産形成方法として注目されています。新NISAのような非課税制度を活用すれば、運用益に税金がかからないメリットもあります。
もちろん、投資には元本割れの可能性があります。そのため、「すべてを投資に回す」のではなく、「預金と投資を分ける」という考え方が現実的です。
例えば、生活費の半年〜1年分は預金で確保し、それ以外の余裕資金を長期運用に回すなど、自分が安心できる割合を考えることが大切です。
定期預金は安心感が強みだが、“実質的な増加”も意識しよう
定期預金の金利が上がってきたことで、「預けるだけでも少し増える」という状況にはなっています。元本保証があり、大きく減る心配が少ない点は、やはり大きな安心材料です。
しかし、現在のように物価が上昇している時代では、「残高が増えたか」だけでなく、「そのお金でどれだけの物が買えるか」という視点も重要になります。
定期預金は安全性に優れていますが、インフレによって実質的な価値が下がる可能性もあります。そのため、預金だけに頼るのではなく、お金の使い道や目的に応じて、預金と資産運用をバランスよく組み合わせることが大切です。
まずは、「いつ使うお金なのか」を整理するだけでも、今後の資産管理を考えやすくなります。安全性を確保しながら、お金の価値を守る方法について、少しずつ考えてみるとよいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
