上司の出張で「9000円」の部屋を取ろうとしたら「1万5000円」の部屋を取るようにと言われました。問題ないのでしょうか…?
そもそも出張時の宿泊費には上限が定められているのか、上限を超えた部屋を取るとどうなるのか、よく分からないという人もいるかもしれません。
本記事では、出張の宿泊費をどこまで経費で落とせるのか解説するとともに、課税対象になる範囲や出張旅費の相場についてもまとめています。
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出張の宿泊費はどこまで経費で落とせるのか?
出張の際にかかる交通費や宿泊費、食事代などは、会社によっては経費で落とすことが可能です。
労働基準法第11条では「賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」と定義されています。さらに、第24条では賃金を労働者に支払うことが事業主の義務と定められています。
業務の一環である出張に伴う費用は、一般的に会社が負担するものと考えられます。
ただし、どこまで経費で落とせるかは、会社によって「出張旅費規程」などと呼ばれる社内規程がありますので、確認が必要でしょう。
出張旅費規程では、どの費用が出張費の範囲に含まれるか、各費用に上限が設けられているか、精算方法や精算期間はどのようになっているかなどが定められている場合もあります。
今回は「9000円の部屋を取ろうとしたら1万5000円の部屋を取るよう上司に言われた」ということなので、宿泊費を会社側で負担する前提の出張であると考えられます。宿泊費に上限が設けられているか、設けられている場合はいくらなのかを確認してみましょう。
上限額を超えた場合はその分を自己負担しなければならない決まりになっている可能性もあるため、上司と相談することをおすすめします。
出張費が高額だと課税対象になる?
国税庁によると「転勤や出張などのための旅費のうち、通常必要と認められるもの」は所得税が非課税になります。
「通常必要と認められるもの」に該当するかどうかは、次の判断基準を参考にしてください。
・その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか
・その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか
つまり、すべての従業員に対してバランスの取れた金額であるか、同業種・同規模の会社と比較して妥当な金額かどうかがポイントになります。
出張旅費の相場
株式会社産労総合研究所が実施した「2025年度 国内・海外出張旅費に関する調査結果」によると、直近3年間で「国内出張における宿泊料を増額した」と答えた企業が31.1%を占めています。
国内出張の宿泊費の平均支給額は、表1の通りです。
表1
| 部長クラス | 一般社員 | |
|---|---|---|
| 全地域一律の支給額としている場合 | 1万425円 | 8878円 |
| 「出張地域によって異なる支給額」としている場合の「最高地」 | 1万2094円 | 1万1262円 |
| 「出張地域によって異なる支給額」としている場合の「普通地」 | 9762円 | 8990円 |
出典:株式会社産労総合研究所「2025年度 国内・海外出張旅費に関する調査結果」を基に筆者作成
今回のケースでは宿泊費が「1万5000円」ということなので、調査結果にある一般社員・部長クラス双方の平均支給額と比べても高めの水準であることが分かります。
会社の規定で出張旅費の上限が定められている場合は差額が自己負担になる可能性もある
出張にかかる交通費や宿泊費などをどこまで経費で落とせるかは、会社の「出張旅費規程」などに定められていることがあるので、事前に確認しておきましょう。
宿泊費に上限が定められている場合、上限を超えた分は自己負担になる可能性もあるため、今回のように上司から高額な部屋を取るよう指示されたときは注意が必要です。
株式会社産労総合研究所の調査結果と比較すると、1万5000円という宿泊費は比較的高めの水準であることが分かります。会社の規定を踏まえたうえで上司と相談した方がよいでしょう。
出典
デジタル庁e-GOV法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号) 第一章 総則 第十一条、第三章 賃金 (賃金の支払)第二十四条
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2508 給与所得となるもの
国税庁 法令等 法令解釈通達〔傷病者の恩給等(第3号関係)〕〔旅費(第4号関係)〕(非課税とされる旅費の範囲)
株式会社産労総合研究所 2025年度 国内・海外出張旅費に関する調査結果(2~3ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
