社長が“私物”の発送費まで会社の経費で落としていてビックリ! 仕事に関係ない費用でも、経費として認められるのでしょうか?

配信日: 2026.05.28
この記事は約 3 分で読めます。
社長が“私物”の発送費まで会社の経費で落としていてビックリ! 仕事に関係ない費用でも、経費として認められるのでしょうか?
会社の経費として落とせる支出にはどのようなものがあるか、よく分からない人もいるでしょう。経費として認められる支出には一定の基準があるため、社長であっても経費で落とせる支出とそうでない支出があります。
 
本記事では、社長が私物を発送する際にかかる費用を経費で落とすことの可否や違法性について解説するとともに、経費で落とせるものと落とせないものにはどのようなものがあるのかをご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

社長が私物の発送費を経費で落とすことは可能?

経費とは、会社が事業を行ううえで必要な費用のことをいいます。法人税を計算する際には、会社の収益から損金に算入できる費用を差し引いて課税所得を計算します。
 
今回は「社長が私物の発送費を会社の経費で落とす」ということですが、社長の私物を発送するための費用は事業に必要な費用ではないため、経費で落とすことはできないと考えられます。
 
国税庁のホームページにも、会社が社長などの役員に対して経済的な利益の供与を行った場合、その内容によっては給与として課税対象になることがあると記載されています。
 
社長による私物の発送費が「経済的利益」とみなされた場合、追加の税負担が発生することもあるでしょう。
 

私物の発送費を経費で落とすのは違法行為?

私物の発送費を継続的に会社負担として処理し、会社に損害を与えた場合などは、状況によって刑法や会社法上の問題に発展する可能性もあります。
 
悪質な私的流用が行われた場合には、刑法第二百五十三条の「業務上横領罪」に該当した場合、十年以下の拘禁刑、第二百四十七条の「背任罪」に該当した場合は五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金が科されます。
 
また、会社法第九百六十条の「取締役等の特別背任罪」に該当し、十年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金が科されるなど、大きな問題に発展する可能性もあるでしょう。
 

会社の経費で落とせるもの・落とせないもの

国税庁によると、所得税の金額を計算する際に必要経費にできるのは、次の2つです。
 

・総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
・その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

 
具体的には、以下のようなものが該当すると考えられます。
 

・役員報酬、一定の要件を満たす役員賞与
・従業員への給与、賞与
・退職金
・福利厚生費
・広告宣伝費
・販売促進費
・事務所の家賃、水道光熱費
・事務用品費
・通信費
・車両費
・旅費交通費
・保険料

 
このように、事業との関連性が認められるものが経費に該当します。
 
一方、今回のケースのように、プライベートの支出に関するものは基本的に経費で落とせません。
 
私物の発送費以外に、家族との食事代や旅行費、プライベートで使用する日用品の購入費、個人的な医療費なども同様です。
 
ほかにも、経営者に課される所得税や住民税などの税金、交通違反の罰則金や税金滞納時に発生する延滞税、加算税などは経費で落とせないので注意が必要です。
 

私物の発送費を会社の経費で落とすことは認められないと考えられる

経費は会社が事業を行ううえで必要な費用のことなので、例え社長であっても自由に使ってよいわけではありません。
 
今回のように社長が私物の発送費を経費で落とした場合、経済的な利益の供与とみなされる可能性があります。金額や頻度、会社に与える損害の大きさなどによっては、追加の税負担が発生するほか、会社法や刑法上の問題に発展する可能性もあります。
 
会社の経費で落とせるものは国税庁により条件が定められており、基本的に事業との関連性が認められるものであることが必要です。具体的にどのようなものが経費として認められるのか、確認しておくとよいでしょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.5202 役員等に対する経済的利益
デジタル庁e-GOV法令検索 刑法(明治四十年法律第四十五号) 第三十八章 横領の罪 (業務上横領)第二百五十三条
デジタル庁e-GOV法令検索 刑法(明治四十年法律第四十五号) 第三十七章 詐欺及び恐喝の罪 (背任)第二百四十七条
デジタル庁e-GOV法令検索 会社法(平成十七年法律第八十六号) 第八編 罰則(取締役等の特別背任罪)第九百六十条
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2210 必要経費の知識
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 yumobile
FF_お金にまつわる悩み・疑問