ママ友に「年収178万円まで稼いでOKになる」と話したら「130万円のままだよ」と言われ困惑…改正で“扶養内で働ける”と思ったのですが、どういうことですか? 新しい「年収の壁」の注意点とは

配信日: 2026.05.27
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ママ友に「年収178万円まで稼いでOKになる」と話したら「130万円のままだよ」と言われ困惑…改正で“扶養内で働ける”と思ったのですが、どういうことですか? 新しい「年収の壁」の注意点とは
「103万円の壁が178万円に引き上げられるらしい」とニュースを聞いて、「これからは扶養を気にせず働けるの?」と思った人も多いでしょう。
 
しかし、ニュースの情報は「178万円までなら誰でも扶養のまま働ける」という意味ではありません。本記事では、令和8年度税制改正の内容をもとに、新しい年収の壁で注意したいポイントを分かりやすく整理します。
仲千佳

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

「178万円の壁」ってどういう意味?

これまでパートやアルバイト労働者では、年収103万円を超えると所得税が課税されるため、103万円以内に収入を調整する人が多くいました。令和8年度税制改正では、基礎控除や給与所得控除の見直しによって、所得税がかからない年収ラインが178万円まで引き上げられました。
 
背景には、物価上昇や最低賃金の上昇があります。これまで長年据え置かれていた控除額を見直し、少し働いただけで税負担が発生する状況を改善するのがねらいです。つまりニュースの情報にあった「178万円の壁」とは、所得税がかかり始める基準のことです。
 

「178万円まで扶養OK」ではない! 勘違いしやすいポイント

一方で、SNSなどでは「178万円まで扶養で働けるようになる」という誤解が広がっています。ただ、「収入の壁」には、税金に関するものと社会保険に関するものがあり、これらは全く別の制度なのです。
 

所得税の“178万円”と社会保険の“130万円”は別制度

令和8年度税制改正で上限が引き上げられたのは、主に所得税の基準です。一方、会社員や公務員の配偶者が社会保険の扶養に入る際の基準は、基本的に年収130万円のままです。
 
つまり、年収130万円を超えると、原則として配偶者の社会保険上の扶養から外れ、自分で健康保険料や厚生年金保険料を支払う必要があります。例えば、年収150万円まで働いた場合、所得税はかかりませんが、社会保険料の自己負担によって手取りが想像ほど増えないケースがあります。
 

なぜ今も「130万円の壁」が重要なの?

特に扶養内パートで働く人にとって、大きな影響があるのは社会保険の壁です。社会保険料は所得税より負担額が大きいため、130万円を超えるかどうかで手取りに差が出やすくなるためです。
 
年収や地域によって異なりますが、健康保険料や厚生年金保険料は年間で数十万円規模の負担になるケースもあります。そのため、年収が130万円を少し超えたような場合、「収入は増えているはずなのに、思ったより手取りが増えない」と感じる人もいるでしょう。
 

パートでも対象になる「106万円の壁」にも注意

さらに近年は、106万円の壁も注目されています。これは、一定規模以上の企業で働く短時間労働者が、年収106万円程度から社会保険加入の対象になる制度です。
 
勤務先の従業員数や労働時間など条件はありますが、社会保険の適用拡大が進んでおり、以前より対象者は増えています。つまり、「130万円までは安心」とは限らず、働き方によっては106万円前後から社会保険料が発生する可能性もあります。
 

今回の制度改正で働き方はどう変わる?

今回の税制改正によって、働き控えが減ることが期待されています。これまでは、年末になると年収が103万円を超えないようシフトを減らす人も多くいました。
 

「103万円を超えないように調整」が減る可能性

所得税の基準が178万円へ引き上げられれば、「少し働きすぎたら税金で損をする」という意識は弱まる可能性があります。人手不足に悩む企業側も、パート従業員が働きやすくなることを期待しています。
 
特に、繁忙期だけ働く時間を増やしたい人にとっては、以前より柔軟に働きやすくなるかもしれません。
 

大学生のアルバイトにも影響する制度改正

今回の改正では、大学生年代の子どもを扶養する家庭への見直しも進められています。これまでは、子どものアルバイト収入が増えると、親の扶養控除が急になくなるケースがありました。しかし、今後は一定額を超えても段階的に控除が減る仕組みに見直されています。
 

まとめ

令和8年度税制改正によって、「103万円の壁」は大きく見直され、所得税がかからないラインは178万円まで引き上げられました。ただし、社会保険の扶養基準である「130万円の壁」や、条件によって適用される「106万円の壁」は今まで通り残っています。
 
そのため、「178万円まで扶養のまま働ける」と勘違いすると、社会保険料の支払いが発生し、年収は上がっているのに思ったより手取りが増えなかったと感じるかもしれません。
 
これからは、税金だけでなく社会保険料や将来の年金も含めて、自分にとってどの働き方が最適かを考えるのが重要になりそうです。
 

出典

総務省 令和8年度税制改正の大綱
国税庁 源泉所得税の改正のあらまし
 
執筆者 : 仲千佳
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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