わが家は「オール電化の戸建て」ですが、電気代が「月1万7000円」かかります。友人に「新電力のほうが安い」と言われましたが“倒産する会社”も多いんですよね? それでも乗り換えるべきですか?
新電力にすると電気代を節約できるケースもありますが、注意点もあるため慎重に判断する必要があります。本記事では、友人から「新電力のほうがお得」と言われたケースを取り上げ、本当に電気料金が節約できるのかを解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
新電力とは
新電力とは、2016年の電力小売全面自由化以降、一般家庭や企業向けに電気を販売し始めた新規参入の小売電気事業者を指します。電力小売が自由化される前は、地域の電力会社と契約するのが基本でした。
しかし、電力小売が自由化されてからは、どの会社でも一般家庭に対して、電力の小売ができるようになり、ガス会社や通信会社などが新電力として参入しています。電気は発電部門、送配電部門、小売部門に分かれており、小売部門が自由化されたという仕組みです。
新電力といっても、電気自体は大手電力会社が作った電気が届くため、今までの電気と品質は変わらず、新電力に切り替えたとしても停電が増えたり、電圧が低くなったりするケースはありません。
また、利用状況にあわせてさまざまなプランを用意しており、大手電力会社よりも電気料金を節約できるケースがあります。さらに、ガスとセットで割引になったり、ポイントが貯まったりする新電力もあり、毎月の光熱費を節約できる可能性があります。
基本的に工事の立ち会いは不要で、Web完結で申し込めるのも新電力のメリットです。今使っている電気会社への解約手続きは、切り替え先の電気会社が代行するため、大きな手間がかからないのも魅力でしょう。
友人に「新電力のほうがお得」と言われたけど本当?
友人から「新電力にすれば電気代が安くなる」と言われたけれど、本当にお得になるのか分からず迷っていたとします。4人家族でオール電化の持ち家、毎月約1万7000円の電気代がかかっている場合、新電力にするとどのくらいの料金になるのかをシミュレーションした結果は、図表1を参考にしてください。
図表1
| 現状 | 新電力切り替え | |
|---|---|---|
| 電力会社 | 東京電力 | 東京ガス |
| プラン | 従量電灯B | 基本プラン |
| 1ヶ月の電気代 | 1万6600円 | 1万6312円 |
筆者作成
図表1は、契約アンペア60Aで、1ヶ月450キロワットアワーの電気を使用した場合の料金比較です。1ヶ月288円の節約になり、大きな節約にはならないようにも見えます。ただし、東京ガスの場合は、切り替えると電気代基本料金が1ヶ月無料になることに加え、ガスとのセット割が適用されればさらにお得になります。
ほかの電力会社も、さまざまなキャンペーンやプランを用意しており、電気代を節約できる可能性があります。それぞれの電力会社では、電気料金シミュレーションを用意していることが多いため、自分に適したプランで試算してみるとよいでしょう。
新電力を検討する際の注意点
電気代がお得になる可能性がある新電力ですが、いくつか注意点があります。新電力は必ず安くなるわけではなく、かえって電気代が高くなるケースもあります。新電力を検討する際は、事前によくシミュレーションしておきましょう。
また、一部の新電力では、解約時に違約金が発生する場合もあるため注意が必要です。さらに新電力のなかには、経営基盤が脆弱な企業もあり、倒産や事業撤退のリスクもあります。実際に2022年以降、ウクライナ情勢による燃料費高騰や円安によって、倒産や事業撤退が急増しました。
契約している新電力が倒産・撤退しても、電気が止まることはありませんが、次の契約先を探す必要があります。
新たな電力会社と契約しない場合、東京電力EPや関西電力など、地元の一般送配電事業者の最終保障供給に切り替わります。「電気代を節約したい」と考える人は、新電力の注意点を理解したうえで、シミュレーションしてみましょう。
まとめ
家族4人でオール電化の家の場合、新電力に切り替えると1ヶ月約300円、1年で約3500円を節約できる可能性があります。また、自分に合ったプランを選べば、時間帯によって電気代がお得になったり、ガスとセットで割引が適用されたりして、電気代がお得になるかもしれません。
物価上昇が続くなか「少しでも毎月のコストを抑えたい」と考えるのであれば、新電力のサイトでシミュレーションをしてみるのも選択肢でしょう。
執筆者 : 藤岡豊
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
