独立予定で創業融資の事業計画書を作っています。計画書の数字根拠に“現職の実績”を使うのは問題ありますか? 情報漏えいになるでしょうか?
しかし、勤務先で得た情報をどこまで使ってよいのか、不安に感じる人も多いはずです。数字の根拠を示すことは大切ですが、使い方を誤ると「情報漏えい」と見なされる可能性もあります。
そこで本記事では、創業融資の事業計画書で現職の実績を使う際の注意点や、情報漏えいを避けながら数字根拠を作る方法について解説します。
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目次
創業融資の事業計画書に現職の実績を使ってもよい?
創業融資の事業計画書では、売り上げや利益の見通しに根拠が求められます。そのため、現職で培った経験をもとに計画を立てること自体は問題ありません。
例えば、「法人営業を5年間経験した」「同業界で月20件ほど商談していた」「サービスの単価感を理解している」といった内容は、自分の経験として説明できるでしょう。融資担当者にとっても、未経験で始める事業より、経験に基づいた事業のほうが実現性を判断しやすくなります。
ただし、現職の経験を根拠にする場合でも、勤務先の内部資料や顧客情報をそのまま使うのは避ける必要があります。自分の経験として語れる内容と、会社が管理している情報は別物です。どこまでが自分の知見で、どこからが会社の情報にあたるのかを分けて考えましょう。
情報漏えいになりやすい数字と使ってよい数字の違い
情報漏えいになりやすいのは、勤務先でしか知り得ない情報です。例えば、顧客名が入った売上表や見積書、契約書、仕入価格、原価率、利益率、社内の営業資料などは、会社が管理する情報にあたります。
たとえ、自分が担当していた案件であっても、自由に使える個人の実績ではありません。そのため、退職前に売り上げ資料や顧客リストをコピーし、創業計画書に添付の根拠として使う行為は避けましょう。会社の情報を無断で持ち出したと受け取られ、後からトラブルにつながる可能性があります。
一方で、業界の一般的な相場や公開されている統計や、自分の経験を抽象化した数字は、安心して使える材料です。例えば、「同種サービスの相場を踏まえ、1件あたり30万円を想定する」「前職での営業経験をもとに、開業後は月10件の商談を目指す」といった書き方であれば、個別の内部情報を出さずに根拠を示せます。
融資担当者に伝わる数字根拠の作り方
事業計画書の売り上げ計画は、「客数×単価×購入回数」で整理すると、数字の根拠が見えやすくなります。例えば、Web制作で独立する場合は、「月2件受注、1件あたり30万円、月商60万円」といった形で示すと、実現可能なイメージが伝わるでしょう。
そのうえで、「同種案件の経験がある」「見込み客を開拓している」「紹介先がある」など、実現できる理由を添えると説得力が増します。ただし、現職の顧客を勝手に見込み客として書くのは避けましょう。勤務先の取引先を独立後の売り上げ見込みに入れると、顧客情報の持ち出しや引き抜きと見られるおそれがあります。
また、数字は強気にしすぎないことも大切です。開業直後から大きな売り上げを見込むより、最初は低めに置き、3ヶ月後、6ヶ月後に少しずつ伸ばす計画のほうが無理のない内容です。売り上げが段階的に増える流れを示すことで、融資担当者にも返済できる見込みを伝えやすくなるでしょう。
現職の情報を守りながら、説得力のある計画書を作ろう
現職の実績は、創業融資の事業計画書で強みになります。ただし、顧客名や契約内容、社内資料、非公開の売り上げデータなどを使うのは避けましょう。事業計画書で根拠にできるのは、会社の内部情報ではなく、自分の経験から得た知見です。
業界相場や公開データも参考にしながら、売り上げの根拠を「客数×単価×回数」で整理すると、計画に説得力が出ます。不安がある場合は、就業規則や秘密保持契約を確認し、必要に応じて専門家へ相談すると安心です。現職の情報を守りながら、自分の経験を正しく言い換え、創業融資でも伝わりやすい事業計画書を作りましょう。
出典
日本政策金融公庫 創業計画の書き方
経済産業省 営業秘密~営業秘密を守り活用する~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
