夫がボーナスの一部を毎年タンス預金しています。銀行に預けないことのデメリットは何かあるのでしょうか?

配信日:
この記事は約 4 分で読めます。
夫がボーナスの一部を毎年タンス預金しています。銀行に預けないことのデメリットは何かあるのでしょうか?
夫がボーナスの一部を毎年タンス預金していると聞くと、「いざというときに使えるから安心」と感じる人もいるでしょう。たしかに、手元に現金があれば急な出費には対応しやすくなります。
 
ただし、銀行に預けずに自宅で現金を保管する場合、見落としやすい注意点もあります。特に物価が上がるインフレ時には、現金を自宅で保管し続けることのデメリットを考える必要があります。そこで本記事では、タンス預金のデメリットと、家庭でできる現実的な管理方法を確認します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

タンス預金はすぐ使える一方で管理リスクがある

タンス預金とは、銀行などの金融機関に預けず、自宅で現金を保管することです。名前に「タンス」とありますが、実際には金庫や引き出し、押し入れなどに置いている現金も含めて考えられます。
 
タンス預金のメリットは、必要なときにすぐ使えることです。例えば、災害時や急な支払いでATMが使えない場合でも、手元に現金があれば支払いに使えます。冠婚葬祭や緊急の買い物が必要になったときも慌てずに済むでしょう。
 
ただし、毎年ボーナスの一部を現金で残していくと、気づかないうちにまとまった金額になることがあります。最初は数万円でも、10年続ければ数十万円、場合によっては100万円を超えるかもしれません。金額が増えるほど、保管場所の管理や家族への共有が難しくなり、「何のためのお金なのか」も分かりにくくなります。
 

銀行に預けないと盗難・災害・相続時に困ることがある

自宅に現金を置く大きなデメリットは、盗難や紛失、火災や水害のリスクです。現金は一度なくなると、「誰のものだったか」「いくらあったか」を証明しにくい性質があります。また、保管場所を本人しか知らないと、家族が必要なときに現金を見つけられないかもしれません。
 
銀行に預けていれば、通帳や取引明細に入出金の記録が残るため、あとから確認しやすくなります。また、預金保険制度による保護を受けられる点も、自宅保管との違いです。
 
例えば、当座預金や利息のつかない普通預金などの決済用預金は、金融機関が破綻しても全額が守られます。また、定期預金や利息のつく普通預金などについても、預金者1人当たり1金融機関ごとに元本1000万円までと破綻日までの利息等が保護の対象になります。一方、自宅の現金には、このような公的な仕組みはありません。
 
また、相続時にも注意が必要です。タンス預金は、銀行に預けていなくても相続財産に含まれます。相続税申告では、タンス預金や貸金庫に置いていた現金も申告の対象です。
 
例えば、夫が家族に知らせず現金をためていた場合、亡くなったあとに現金が見つかると、相続財産として扱われます。申告が必要な家庭でその現金を申告しなかった場合は、あとから税務上の問題になるつながりかねません。
 
隠していた現金が発覚すると、過少申告加算税や延滞税がかかる場合もあります。こうしたトラブルを避けるためにも、金額や保管場所を家族で共有しておくことが大切です。
 

インフレ時は現金の価値が目減りしやすい

インフレとは、物やサービスの価格が上がることです。例えば、以前は10万円で買えた物が、数年後に12万円になった場合、同じ10万円を持っていても買える量は減ってしまいます。つまり、現金の額面は変わらなくても、実際の価値は下がっていると考えられます。
 
タンス預金には、利息がつきません。そのため、物価が上がる局面では、自宅で現金を保管しておくだけで実質的な購買力が下がりやすくなります。日本銀行では、物価の基調を把握するための「消費者物価のコア指標」を毎月公表しています。こうした物価の変化は、食費や日用品の支出にも関わるため、家計にとって身近な問題です。
 
もちろん、すべての現金を銀行に預ける必要はありません。災害時や急な出費に備えて、手元に現金を置いておくことにも意味があります。
 
ただし、しばらく使う予定のない現金まで自宅で保管し続けると、盗難や紛失だけでなく、インフレによる価値の目減りも気になります。そのため、数ヶ月分の生活費は手元の現金や普通預金で確保し、それを超える分は定期預金なども含めて、目的に合った管理方法を考えるとよいでしょう。
 

タンス預金は必要な分だけにして家族で管理方法を決めよう

夫がボーナスの一部をタンス預金すること自体は、すぐ違法になるわけではありません。急な出費に備える意味では、手元に現金を置くメリットもあります。
 
ただし、金額が増えるほど、盗難・紛失・災害・相続時のトラブルに注意が必要です。さらにインフレ時には、現金をそのまま保管しておくことで、実質的な価値が下がる可能性もあります。
 
こうしたリスクを減らすためには、タンス預金を「なんとなく続ける」のではなく、目的と上限額を決めることが大切です。例えば、「自宅には10万円まで」「それ以上は銀行口座で管理する」など、家庭内のルールを作ると安心につながります。
 
家族で保管場所や金額を共有し、必要な分だけ手元に残す形にすれば、現金の安心感を保ちながら、大切なお金をより安全に管理できます。タンス預金は必要な範囲にとどめ、家計に合った方法で管理していきましょう。
 

出典

金融庁 預金保険制度
国税庁 No.4105 相続税がかかる財産
日本銀行 消費者物価のコア指標
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu