梅雨のエアコン「除湿・冷房」どっちが安い? 1日8時間使用で“1500円差”に!?「冷房・弱冷房除湿・再熱除湿」電気代が安い順番とは? エアコン活用術も解説
実は、エアコンの「除湿」には機能によって種類があり、電気代にも大きな差があります。
使い方や設定を間違えると、1日8時間の使用で1ヶ月あたり1500円近くも電気代を損してしまう可能性があります。今回は、梅雨時を快適かつ経済的に乗り切るための、エアコンの正しい選び方と節約術を解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士
「除湿」には2つの種類がある! 仕組みの違いを理解しよう
エアコンの「除湿」機能は、空気中の水分を取り除いて湿度を下げる仕組みです。しかし、この除湿機能には大きく分けて「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類があることをご存知でしょうか。
弱冷房除湿とは、水分を取り除くために空気を微弱な冷房で冷やし、そのまま部屋に戻す方式です。湿度を下げることを優先しつつ、部屋の温度も少し下がります。
一方の再熱除湿は、空気を冷やして水分を取り除いたあと、エアコン内部で空気を暖め直してから部屋に戻す方式です。
部屋の温度を下げずに湿度だけを下げることができるため、梅雨時の肌寒さを感じる時期に非常に便利です。しかし、空気を暖め直す工程がある分、より多くの電力を使用します。
冷房と2つの除湿、電気代が安いのはどれ?
それでは、「冷房」「弱冷房除湿」「再熱除湿」の3つの中で、どれが電気代を安く抑えられるのでしょうか。結論から言うと、一般的に電気代が安い順番は「弱冷房除湿」「冷房」「再熱除湿」となります。
機種や環境によって異なりますが、消費電力の目安としては、弱冷房除湿が最も少ない傾向にあります。次いで冷房が高くなり、電気代が最も多くかかりやすいのが空気を暖め直す再熱除湿です。
例えば、電力量料金を1kWhあたり31円として、1日8時間エアコンを使用した場合の電気代を比較してみます。機種や使用環境によって異なりますが、弱冷房除湿と再熱除湿では、1日8時間の使用で数十円程度の差が出るケースがあります。仮に1日50円の差が出れば、30日間で約1500円の差になります。
毎日の少しの機能選択の違いが、家計の負担に大きな影響を与えかねません。
自宅のエアコンの見分け方
自宅のエアコンの除湿がどちらのタイプなのか、分かる方法はいくつかあります。
確実なのは、取扱説明書を確認することです。仕様欄や除湿機能のページに「弱冷房除湿」か「再熱除湿」の記載があります。
また、リモコンのボタンを見るだけでも予想できる場合があります。リモコンに「除湿」というボタンしかない場合は、多くが弱冷房除湿を採用しています。
一方で、「カラッと除湿」など、メーカー独自の名称がついている上位機種の場合は、再熱除湿を採用していることが多いです。リモコンで湿度設定ができる機種も、再熱除湿の機能を備えている可能性が高くなります。ご自宅のエアコンの機能を今一度確認することをおすすめします。
図表1
経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイトより作成
梅雨から夏にかけての賢いエアコン活用術
電気代を抑えながら快適に過ごすためには、除湿の使い分け以外にもいくつか実践できる方法があります。
・フィルターの掃除をこまめに行う
エアコンのフィルターにホコリがたまると、空気を吸い込む効率が落ちてしまい、無駄な電力を消費します。2週間に1回を目安にフィルター掃除を行うことで、冷房効率が上がり、電気代の節約につながります。
経済産業省資源エネルギー庁によると、フィルターを月に1回か2回清掃した場合、目詰まりしたフィルターを使用した場合と比べて、年間で31.95kWhの省エネ、約990円の節約になるとされています。
・扇風機やサーキュレーターを併用する
エアコンと同時に扇風機やサーキュレーターを使用し、室内の空気を循環させることも効果的です。足元にたまりやすい冷たい空気を部屋全体に行き渡らせることで、エアコンの設定温度を少し高くしても快適に過ごすことができます。
・室外機の周りに物を置かない
エアコンの室外機周辺に物を置いていると、熱を逃がす効率が悪くなり、余分な電力を消費してしまいます。室外機の吹き出し口周辺は、すべてスッキリと片付けて風通しを良くしておくことが大切です。とくに夏場は直射日光が当たらないように日よけを設置するなどの工夫も、節電に大きく貢献します。
ジメジメとした梅雨の時期は、エアコンの除湿機能をうまく活用することで快適に過ごすことができます。
しかし、ご自宅のエアコンの除湿方式を把握していないと、知らず知らずのうちに高い電気代を支払っているかもしれません。まずは取扱説明書やリモコンを確認し、弱冷房除湿と再熱除湿のどちらが備わっているか把握することが大切です。
肌寒くて湿度が高い日は再熱除湿、暑くなってきたら冷房や弱冷房除湿にするなど、状況に合わせて賢く使い分けることが家計の節約につながります。無理のない範囲で工夫を取り入れ、家計に優しい生活空間を作り上げてください。
出典
経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト
執筆者 : 西村和樹
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士


