「5年定期の方が金利は高い」のに、あえて1年定期を選ぶ人がいるのはなぜですか?
理由は、金利だけでなく、使う予定や金利上昇への備え、途中解約のしやすさを考えているからです。定期預金は安全性が高い一方で、預ける期間中は資金を動かしにくくなります。大切なのは、金利の高さだけでなく、「いつ使うお金なのか」に合わせて期間を選ぶことです。
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定期預金について改めて知る
定期預金とは、一定期間お金を預けることを条件とした預金商品です。預け入れる際に期間を設定し、原則として満期までは自由に引き出せません。その代わり、普通預金よりも高い金利が設定されていることが一般的です。
また、定期預金には、預け入れ時の金利が満期まで変わらない「固定金利型」と、一定期間ごとに適用金利が見直される「変動金利型」があります。将来受け取れる利息を把握しやすい点や、元本割れのリスクが低い点から、資産を安定的に運用したい人に適した預金方法といえるでしょう。
なぜ定期預金は安全性が高いのか。それは原則として国の預金保険制度による元本保証があるからです。金融庁のHPを確認すると「金融機関ごとに預金者一人当たり、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護」と明記されています。
このように、定期預金は預金保険制度による保護を受けられるため、安全性を重視しながら資産を増やしたい人に適した商品といえます。
1年定期のメリット1 お金の予定を変えやすい
1年定期を選ぶ大きな理由は、資金を動かしやすいことです。定期預金は、満期まで預けることを前提に金利が決まっています。途中で解約すると、当初の金利より低い中途解約利率が適用されることがあります。
たとえば、5年定期に預けた後、2年目に車の買い替えや子どもの進学費用、親の介護費用が必要になった場合、途中解約しなければならないかもしれません。その場合、せっかく高い金利を選んでも、思ったほど利息が受け取れない可能性があります。
一方、1年定期なら毎年満期が来ます。満期のたびに、継続するか、普通預金に戻すか、別の商品に移すかを決められます。数年以内に使う可能性があるお金なら、長く固定するより安心です。
特に生活防衛資金や、近い将来使う予定のあるお金は、長期定期に入れすぎないほうがよいでしょう。定期預金は安全性が高い商品ですが、必要なときに使えなければ困ります。1年定期は、利息を得ながら資金の自由度も残したい人に向いています。
1年定期のメリット2 金利が上がった場合、恩恵を受けやすい
1年定期の場合だと、金利があがった場合にその恩恵を受けられます。例えば5年定期で考えてみましょう。
開始時点では金利が高く見えても、今後さらに金利が上がる場合は、長く固定することが不利になります。仮に翌年にもっと高い金利の定期預金が出ても、満期まで同じ条件で預け続けることになります。
1年定期なら、満期が来るたびにその時点の金利で預け直せます。金利が上昇している時期には、短い期間で預け替えたほうが、結果的に有利になる可能性があります。
もちろん、将来の金利が必ず上がるとは限りません。下がることもあります。その場合は、今のうちに5年定期で高めの金利を固定しておいたほうがよかった、という結果になることもあります。
つまり、1年定期と5年定期のどちらが得とは言えません。今後の金利が上がると思う人や、金利の変化に合わせて預け替えたい人は、1年定期を選ぶとよいでしょう。反対に、しばらく使わないお金で、金利を固定したい人は5年定期を選ぶとよいでしょう。
変動金利型を選んだ場合、5年の期間中に金利は上下、変動します。契約後、さらに金利が上がる場合は有利かもしれませんが、逆に下がる場合は不利となります。
定期預金の選び方は、どちらのタイプにするのか、年数はどうするか。金利のことも踏まえながら考える必要があります。一概にどれがいいとは言いきれないことが理解できます。
預けるお金を分けるとリスクを抑えやすい
定期預金を選ぶときは、すべてのお金を1つの期間にまとめる必要はありません。使う時期に合わせて、1年、3年、5年などに分けて預ける方法があります。債権において一般的に「ラダー型運用」「ラダー型ポートフォリオ」と呼ばれる考え方と同じです。
たとえば、300万円を預ける場合、100万円は1年定期、100万円は3年定期、100万円は5年定期に分ける方法です。こうすれば、毎年または数年ごとに満期が来るお金を確保しながら、一部は高めの金利で長く預けられます。
この方法なら、急な出費があっても、すべてを途中解約しなくて済む可能性があります。また、金利が上がったときには、満期になった分だけ新しい金利で預け替えられます。
また、「元本1,000万円まで」という上限についても、複数の金融機関に預けることによって範囲内におさえやすくなるというメリットもあります。金利だけを見ると5年定期が魅力的でも、家計全体では「すぐ使えるお金」「数年後に使うお金」「長く使わないお金」に分けることが大切です。
まとめ
5年定期のほうが金利が高くても、あえて1年定期を選ぶ人がいるのは、お金を動かしやすく、金利上昇にも対応しやすいからです。近い将来使う可能性があるお金を長期定期に入れると、途中解約で利息が少なくなることがあります。
一方で、しばらく使う予定がないお金なら、5年定期で金利を固定するメリットもあります。どちらが正解かは、金利だけでなく、お金を使う時期や家計の余裕によって変わります。
迷う場合は、預ける期間を分ける方法がおすすめです。1年定期で自由度を残しつつ、一部を長期定期にすれば、金利と使いやすさのバランスを取りやすくなります。定期預金は、金利の高さよりも、自分の生活予定に合っているかを基準に選びましょう。
出典
金融庁 預金保険制度
一般社団法人全国銀行協会 定期預金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

