社会人2年目の娘が「もう時間に縛られたくない」と“フリーランス”を目指しています。自由に働けそうですが、会社員を辞める場合はどのような点に注意が必要なのでしょうか?
フリーランスは働く場所や時間を自由に選びやすい反面、会社員であれば勤務先が対応していたさまざまな手続きを自ら行う必要があります。そのため、働き方だけでなく、収入や手続きに関する責任も自身で負うことになる点に留意が必要です。
本記事では、会社員を辞めてフリーランスの世界へ一歩を踏み出す前に、確認しておきたい現実的な注意点について分かりやすく解説します。
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目次
会社員と何が違う? 自由の裏にあるギャップと自己管理の現実
フリーランスと会社員には、働き方や環境において大きな違いがあります。両者の違いを項目ごとに整理して分かりやすく説明していきます。
まず1つ目は仕事のやり方です。フリーランスは上司から日々の業務について指示を受けることがないため、働き方の自由度は高いといえます。一方で、仕事の進め方やスケジュール管理などをすべて自分で判断しなければなりません。自分で考えて行動し、自力で勉強してスキルアップする必要があります。
また、フリーランスは自ら仕事を獲得する必要があるため、営業活動や顧客との関係構築も重要な業務のひとつとなります。
2つ目は収入です。会社員は基本的に毎月安定した給料がもらえますが、フリーランスは契約が取れなければ収入が0円になることもあります。
3つ目は収入管理や経理業務です。請求書の発行や売上管理、領収書の保管などを自分で行う必要があるほか、取引先によっては報酬の未払いなどのトラブルが発生する可能性もあります。
4つ目は働く時間や休日の管理です。フリーランスは原則として、いつ働き、いつ休むかもすべて自由ですが、適切に休息を取れなかったり、生活リズムが不規則になったりすると、継続的に働くうえで支障が生じることもあるでしょう。
最後の5つ目は社会的信用です。フリーランスは収入が変動する場合もあるため、クレジットカードの申し込みや住宅ローン、自動車ローンなどの審査において、会社員と比べて慎重に判断されることがあります。
このように、時間の自由が得られる一方で、すべての行動と結果に責任が伴うという厳しい現実があります。
独立前に要チェック! 手取りを左右する保険選択と公的年金の切り替え
会社員からフリーランスへ転身すると、社会保険の加入状況が変わります。そのため、健康保険や年金に関する手続きを自分で行い、必要な保障を確保することが重要です。
健康保険の加入方法には主に3つの選択肢が用意されています。
(1)国民健康保険に加入する
市区町村の役所で手続きを行う方法です。退職の翌日から14日以内に手続きが必要で、保険料は世帯単位、被保険者の人数や年齢、自治体によって異なります。
(2)社会保険を継続する
これまで勤務先で加入していた健康保険を最長2年間継続できる制度です。会社員時代は会社が保険料を半額負担してくれていましたが、独立後は全額自己負担となるため、支払う保険料は約2倍にアップします。
(3)国民健康保険組合に加入する
同種同業の団体が運営しており、所得にかかわらず定額の保険料としている組合が多く、所得が高い人ほど通常の国民健康保険より保険料負担を抑えやすい傾向があります。
さらに、年金については厚生年金から国民年金へ切り替える必要があります。フリーランスは会社員と比べて老後に受け取れる公的年金額が少なくなる場合があるため、将来に向けた資産形成や老後資金の準備を計画的に進めることが重要です。
フリーランスが活用したい「青色申告」の節税メリット
フリーランスとして生計を立てていく上で、お金の管理と税金の処理は避けて通れない重要課題です。会社員であれば原則として年末調整だけで済んでいた税金処理を、フリーランスはすべて自分で行い、所得税や住民税を直接納めなければなりません。
税務署へ事業の開業届を提出する際、併せて提出したいのが「青色申告承認申請書」です。この申請書を提出することで、確定申告時に青色申告を選択できるようになります。
青色申告は複式簿記での帳簿付けが必要となりますが、一定の条件を満たすことで、課税所得から最大65万円の控除が受けられるという税制上の優遇を受けることが可能です。
この青色申告特別控除は税金の額に直結するため、青色申告承認申請書も併せて提出するとよいでしょう。
まとめ
時間を自由に使えるフリーランスは魅力的な働き方かもしれませんが、社会人2年目という早い段階で完全に独立するには、超えなければならない現実的な壁がたくさんあります。フリーランスの実態は実力社会であり、何よりも顧客がお金を払いたいと思えるような、高い専門スキルや豊富な経験、深い知識が必要となります。
そのため、娘さんが時間に縛られたくないという理由だけで退職を決断するのは慎重に考える必要があるでしょう。
まずは会社員としての安定した環境を活用しながら、新しい業務や資格取得に挑戦するなど、自身の専門性を高めることも選択肢のひとつです。そのうえで、十分なスキルや経験、人脈を身につけてから独立を検討するほうが、将来の選択肢を広げやすいと考えられます。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2072 青色申告特別控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

