通勤定期券を買わず、回数券やICカードで通勤しています。妻に「会社から定期代をもらっているならダメじゃない?」と言われましたが、規定違反になりますか?
今回は、会社の通勤手当に関する規定内容に応じて、不正受給となる場合とならない場合について解説します。
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士
元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
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不正受給とみなされる可能性がある場合
以下のようなケースの場合、通勤定期券を購入することなく、回数券やICカードを利用して通勤していることが規定違反や不正受給とみなされ、差額の返還請求や懲戒処分を受ける可能性があります。
1. 規定違反となる場合
会社が就業規則や通勤手当規定などに「通勤定期券を購入すること」と規定している場合は、明確な規定違反となります。「通勤定期の購入」を前提として通勤手当が支給される場合は、領収書や定期券のコピーの提出が求められることが一般的です。
2. 不正受給となる場合
会社の規定に「通勤定期券を購入すること」が規定されていない場合でも、定期代を通勤手当として請求しながら、出勤日数が少ないために定期券を購入せず、回数券やICカードを利用した結果、実際の通勤費よりも多い通勤手当を受け取っている場合は、「実費以上の通勤手当を得ている」ものと判断され、不正受給とされることがあります。
不正受給とはなりにくい場合
一方、以下のようなケースの場合は、通勤定期券を購入することなく回数券やICカードを利用して通勤しても、支払っている実費が通勤手当として支給されている額と同額、またはそれ以上であれば、問題にはなりません。
1. 通勤手当が定額支給の場合
会社が就業規則や通勤手当規定などに「通勤距離や経路に応じて一律〇〇円を支給する」などと規定されている場合は、一定の条件に応じた手当が支給されているにすぎず、通勤定期の購入が義務付けられていません。
2. 会社が最も合理的な経路と判断する運賃相当額を支給する場合
会社が就業規則や通勤手当規定などに「会社が最も合理的な経路と判断する通勤経路の定期代相当額を支給する」などと規定している場合は、会社が計算した定期券相当額を基準として通勤手当が支給されているに過ぎないため、通勤定期を購入しなくても問題はありません。
不正受給とはならないための対策
通勤定期券を購入することなく回数券やICカードを利用して通勤したことを、あとから会社に指摘されるのを避けるための対策を紹介します。
1. 「就業規則」や「通勤手当規定」を確認する
会社の就業規則や通勤手当規定などの規則において、通勤手当の支給条件に「通勤定期券を購入すること」や「実費精算」が規定されていないことを、社内ネットワークなどを用いて確認しましょう。
2. 在宅勤務などが多い場合は「実費精算」への変更を申請する
在宅勤務が増えたことなどから出社日数が減り、通勤定期券を購入せずに回数券やICカードを利用している場合は、通勤手当を定期券代などの定額支給ではなく実費精算に変更することを会社に申請するとよいでしょう。
3. 総務や人事に確認する
通勤定期券を購入せずに回数券やICカードを利用することに、手続きや規定上の問題がないか、総務や人事の担当者に確認するとよいでしょう。
まとめ
通勤定期券を購入せずに回数券やICカードを利用することが、社内規定に反して不正受給となる場合があります。就業規則や通勤手当規定などの規則を確認するとともに、総務や人事の担当者に確認することをお勧めします。
執筆者 : 辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

