28歳の息子が一人暮らしをしたがっています。将来の資金づくりのためにも実家暮らしを続けた方が貯金しやすいと思うのですが、引き留めるのは間違っていますか?

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28歳の息子が一人暮らしをしたがっています。将来の資金づくりのためにも実家暮らしを続けた方が貯金しやすいと思うのですが、引き留めるのは間違っていますか?
28歳の息子が一人暮らしをしたがっていると、親としては心配になるでしょう。実家暮らしなら家賃や光熱費を抑えられ、将来の結婚資金や住宅購入資金も貯めやすいはずです。
 
一方で、一人暮らしにはお金以外の意味もあります。生活費の管理、家事、契約手続き、近所付き合いなどを自分で経験することで、自立につながります。
 
結論として、貯金だけを考えれば実家暮らしは有利ですが、28歳なら本人の自立を尊重する時期でもあります。引き留めるより、生活設計を一緒に確認する形がよいでしょう。
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貯金のしやすさだけなら実家暮らしが有利

総務省の2025年の家計調査報告によれば、単身世帯の消費支出は、1世帯当たりの1ヶ月平均は17万3042円です。
 
一方で総世帯(平均世帯人員2.15人)の消費支出は1ヵ月平均25万9880円です。世帯人数に金額が比例しないことが分かります。
 
実家暮らしは、家計面で大きなメリットがあります。一人暮らしを始めると、家賃、光熱費、食費、通信費、日用品、家具家電、引っ越し費用がかかります。都市部なら家賃だけで月7万円から10万円以上になることもあります。
 
仮に一人暮らしで毎月12万円の生活費が増えるなら、実家暮らしを続けた場合と比べて、年間144万円の差になります。3年で400万円以上の差になることもあります。この金額は、結婚費用、住宅購入の頭金、転職時の生活費として大きな意味を持ちます。
 
そのため、親が「将来のために実家にいたほうがよい」と考えるのは自然です。特に息子さんが貯金できていない、奨学金返済がある、収入が不安定、転職を考えている場合は、実家暮らしで資金を整える選択も現実的です。
 
ただし、実家暮らしでも貯金できるとは限りません。家にお金を入れず、外食や趣味に使い切っているなら、住居費が安くても資産形成は進みません。実家に残るなら、毎月いくら貯めるのかを決める必要があります。
 

一人暮らしはお金以外の自立につながる

貯金が減りやすいことは、確かに一人暮らしのデメリットかもしれません。
 
しかし、生活力を身につけるメリットも大きいです。家賃を払い、食費を管理し、洗濯や掃除をし、体調を崩したときも自分で対応する経験は、将来の自立に役立ちます。
 
28歳という年齢を考えると、本人が一人暮らしを望むことは不自然ではありません。親元を離れることで、仕事への責任感が増えたり、お金の使い方を見直したりする人もいます。実家では見えにくかった生活費の重さを知ることも、よい経験になります。
 
将来結婚を考えている場合、一人暮らし経験があることは生活面での安心材料になります。家事や家計管理をすべて親に任せてきたままだと、結婚後に苦労することもあります。
 
国立社会保障・人口問題研究所の独身者調査によると、結婚相手を決めるときに「家事・育児の能力や姿勢」を重視・考慮する未婚者は、男女ともに9割以上で推移しています。
 
また、親が強く引き留めると、息子さんは「信用されていない」と感じるかもしれません。お金の心配を伝えることは大切ですが、最終的には本人の人生です。親の希望だけで決めるのではなく、本人が責任を持てるかを確認しましょう。
 

引き留めるより一人暮らしの予算を一緒に確認する

息子さんを引き留めたい場合でも、頭ごなしに反対するより、具体的な予算を一緒に確認するほうが効果的です。家賃、初期費用、毎月の生活費、貯金額を数字で見れば、本人も現実的に判断しやすくなります。
 
一人暮らしの初期費用は、敷金、礼金、仲介手数料、前家賃、引っ越し代、家具家電で、家賃の4〜6ヶ月分程度かかることがあります。家賃8万円なら、初期費用だけで40万円以上になることもあります。
 
毎月の支出も確認しましょう。家賃、食費、光熱費、通信費、日用品、保険、交通費、交際費を足し、手取りから差し引きます。そのうえで毎月いくら貯金できるかを見ます。貯金がゼロになるなら、家賃を下げる、駅から遠い物件にする、実家暮らしをもう1年続けるなどの選択肢があります。
 
親としてできるのは、反対ではなく条件づくりです。たとえば「生活防衛資金を100万円貯めてから」「家賃は手取りの3分の1以内」「毎月先取り貯金をする」といった目安を提案すると、息子さんも受け入れやすいでしょう。
 

まとめ

将来の資金づくりだけを考えるなら、実家暮らしを続けたほうが貯金しやすいのは事実です。一人暮らしを始めると、家賃や生活費、初期費用がかかり、年間で100万円以上の差が出ることもあります。
 
一方で、28歳で一人暮らしをしたいという気持ちは、自立の一歩ともいえます。生活費の管理、家事、契約手続きなどは、実際に経験しないと身につきにくいものです。貯金だけで判断すると、本人の成長機会を逃すこともあります。
 
引き留めるなら、感情的に反対するのではなく、生活費と貯金計画を一緒に確認しましょう。家賃、初期費用、毎月の貯金額を数字で見れば、実家に残るか一人暮らしをするかを本人が納得して決めやすくなります。親は支配ではなく、判断材料を渡す立場で関わるのがよいでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要
国立社会保障・人口問題研究所 現代日本の結婚と出産-第16回出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書 第Ⅰ部 独身者調査の結果
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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