実家の母が「銀行より安心」と“現金300万円”をタンス預金しています。万一、盗難や相続が発生すると困りますよね? デメリットのほうが大きいように思えるのですが…

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実家の母が「銀行より安心」と“現金300万円”をタンス預金しています。万一、盗難や相続が発生すると困りますよね? デメリットのほうが大きいように思えるのですが…
タンス預金の最大のメリットは、金融機関のシステム障害や営業時間外を問わず、手元に現金があるのでいつでも使えるということです。一方で、災害・盗難、相続時のトラブルなどデメリットがあります。
 
本記事では、タンス預金のデメリットを詳しく解説し、お母さまにどのようにアドバイスしたらよいかを提言します。
堀江佳久

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

タンス預金のデメリット

手元に現金があることなどによるメリットの一方、以下のようなさまざまなリスクがあることを、お母さまに理解してもらう必要があると思われます。
 

1. 災害・盗難のリスク

現金を家の中に保管していると災害や火事、空き巣など盗難のリスクが発生します。一方、銀行預金であれば、万が一震災などで通帳やキャッシュカードを失くしてしまっても、運転免許証などの本人確認が取れる書類があれば、引き出すことが可能です。また、台風や津波などで現金が流されてしまうリスクもあります。
 

2. 相続時のトラブル

遺産相続の際に、タンス預金を相続人が無断で持ち出した場合、持ち出した金額の多寡を証明する証拠がないため、ほかの相続人とのトラブルが生じる可能性があります。
 
また、タンス預金であれば税務署が資産として把握できないと考えているのであれば、大きな誤解です。税務署は、個人の資金の流れからタンス預金の存在は容易に把握することが可能です。
 
もし、遺産相続手続きが終わったあとにタンス預金が発見された場合には、遺産分割について再協議が必要になる可能性があります。場合によっては、相続税が発生したり、修正申告が必要になったりします。
 

3. 保管場所を忘れることのリスク

タンス預金の保管場所を忘れるリスクがあります。長い時間経過していたり、複数の場所に保管していたりした場合にはありがちです。特に、高齢になり認知症を発症した場合には、忘れてしまう可能性がより高まります。
 

4. 利息がつかない

銀行に預けてあれば、利息が発生します。定期預金の場合、メガバンクであれば、年0.4%、一部のネット銀行の新規口座開設キャンペーンなどを利用すると、年1%を超える金利が適用される場合もあります。
 
一方で、タンス預金は利息が一切つきません。したがって、昨今のようなインフレ下においては、お金の価値が低下してしまいます。
 

お母さまへのアドバイスをどうするか

お母さまには、次のようなスタンスで説得をしてみてはいかがでしょうか。
 

1. 手元に現金があることの利便性や安心感については理解を示す

災害時や銀行のシステム障害や営業時間外でも、手元に現金があれば使えます。また、万が一のときに銀行口座が凍結されても手元の現金は影響を受けません。
 

2. お母さまがタンス預金をする理由をよく聞く

お母さまがなぜ銀行を信頼しきれないのか、何か過去の経験や友人から聞いた話などの理由をよく聞くことも必要だと思われます。そのうえで、お母さまが納得できる説明を考えることが大切です。
 

3. タンス預金のデメリットを説明する

タンス預金のメリットやお母さまの意見をしっかり確認したうえで、デメリットについて説明し、銀行に預けることの必要性を理解してもらうことがよいと思われます。
 

4. 銀行の安全性について説明する

もし、銀行が破綻した場合には、銀行預金が戻ってこないと誤解しているようであれば、預金保険制度(ペイオフ)、すなわち万が一金融機関が経営破綻しても、一金融機関につき、預金者一人あたり「元本1000万円までと破綻日までの利息等」が保護されることを説明しましょう。
 
また、仮に1000万円を超える資金がある場合でも、複数の金融機関に分けてそれぞれ元本1000万円以内にすれば、保護対象に収められることもあわせて伝えましょう。
 

まとめ

タンス預金は、利便性や即時性などのメリットはあるものの、災害・盗難をはじめとするさまざまなデメリットを踏まえ、銀行の安全性などを理解したうえで銀行を活用することの必要性や重要性を理解してもらう必要があると思われます。
 
今までの慣習などでなかなか銀行に預けることに二の足を踏む場合には、一部の資金だけでも銀行に預けることから始めてもよいでしょう。
 

出典

金融庁 預金保険制度
 
執筆者 : 堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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