中小企業の販路開拓、この3年で何が変わった? 調査データで見る最新動向
大同生命保険株式会社が公表した2024年、2025年、2026年4月度の「大同生命サーベイ」を比較すると、中小企業の販路開拓に対する姿勢は一貫して積極的である一方、成果につながる取り組みや課題には少しずつ変化が見られました。
本記事では、3年間の調査結果を比較しながら、中小企業の販路開拓の最新動向を読み解きます。
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目次
販路開拓への意欲は3年間を通じて高い水準を維持
まず注目したいのは、販路開拓への取り組み状況です。大同生命保険株式会社「大同生命サーベイ(2024年4月度調査)」では、新規顧客・販路開拓に取り組んでいる企業は55%でした。
2025年4月度では53%、2026年4月度では51%と、わずかな変動はあるものの、半数以上の企業が継続して販路開拓に取り組んでいます。景況感が必ずしも良好とはいえない状況でも、多くの企業が新規顧客開拓や販路拡大を中長期的に重要な取り組みとして認識していることがうかがえます。
販路開拓に取り組む企業では、成果を実感する割合が高い傾向も
調査では、販路開拓に取り組んでいる企業ほど、顧客数や売上の増加を実感している割合が高い傾向も見られました。
2024年4月度調査では、販路開拓に取り組んでいる企業の40%が顧客数の増加を、44%が売上の増加を実感しています。2025年4月度には顧客数増加が50%、売上増加が48%となり、2026年4月度には顧客数増加48%、売上増加47%となりました。
もちろん、この調査だけで販路開拓が売上増加の要因であると断定することはできません。しかし、販路開拓に積極的な企業で成果を実感する割合が高い傾向は、3年間を通じて共通して確認されています。
販路開拓の方法にも変化が見られる
販路開拓の方法を見ると、「既存顧客・取引先からの紹介」が重要な役割を果たしていることが分かります。
2026年4月度調査では、新規顧客獲得につながった方法として最も多かったのは「既存顧客・取引先からの紹介」で58%でした。次いで「自社ホームページ」が22%となっています。また、2024年4月度調査では販路開拓に向けた取り組みとして、「市場・顧客ニーズの情報収集・調査分析」が39%で最も多くなっていました。
2024年調査では、市場や顧客ニーズの情報収集・調査分析に取り組む企業が多く、2026年調査では「既存顧客・取引先からの紹介」が新規顧客獲得につながった方法として最も多く挙げられました。
これらの結果からは、市場や顧客への理解を深める取り組みと、既存顧客との関係づくりの双方が、中小企業の販路開拓において重要であることがうかがえます。
経営環境が変化するなかでも、販路開拓の重要性は変わらない
3年間の調査を通して見ると、中小企業を取り巻く環境は大きく変化しています。2024年4月度は景気回復への期待が見られた一方、2025年以降は物価上昇や人件費の増加、人手不足など、経営環境はより厳しさを増しています。
それでも、新規顧客の獲得や販路開拓に取り組む企業は毎年半数を超えており、その姿勢は一貫しています。調査結果からは、経営環境が変化するなかでも、多くの中小企業が販路開拓を継続的に重視していることがうかがえます。
変化する時代だからこそ、自社の強みを伝える取り組みが重要に
今回の3年間の調査を比較すると、中小企業を取り巻く環境は変化し続けている一方で、販路開拓の重要性は変わっていないことが分かりました。
また、販路開拓に取り組む企業では、顧客数や売上の増加を実感している割合が高い傾向も継続して見られています。ただし、調査結果だけで販路開拓と業績との因果関係を示すことはできません。
そのうえで、既存顧客との信頼関係を大切にしながら、自社ホームページや情報発信なども活用して自社の強みを伝える取り組みは、今後も中小企業の販路開拓を支える重要な要素になりそうです。
経営環境が変化する時代だからこそ、自社の魅力を継続的に発信し、新たな顧客との接点を広げていくことが、これからの中小企業経営においてますます重要になっていくでしょう。
出典
大同生命保険株式会社 大同生命サーベイ(2024年4月度調査)
大同生命保険株式会社 大同生命サーベイ(2025年4月度調査)
大同生命保険株式会社 大同生命サーベイ(2026年4月度調査)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

