50代からの生活防衛資金の管理法 ~インフレ時代を生き抜く守りの構え~

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50代からの生活防衛資金の管理法 ~インフレ時代を生き抜く守りの構え~
定年、嘱託、リタイアを控える50代は働き方に変化が出始めます。そのような中で、将来のインフレに備えた生活防衛資金の管理方法にはどのような方法があるのか、FPが解説をします。
仁木康尋

日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

人事部門で給与・社会保険、採用、労務、制度設計を担当、現在は人材会社のコンサルトとして様々な方のキャリア支援を行う。キャリア構築とファイナンシャル・プランの関係性を大切にしている。

生活防衛資金

急な病気、失業、あるいは予想外の出費に備えるために準備しておくお金が生活防衛資金です。一般的な目安は生活費の3〜6ヶ月分あれば不測の事態に対応できると思いますが、雇用形態や家族構成によっても異なります。属性別の目安は以下のとおりです。
 

【会社員の場合】

失業給付や傷病手当金のように公的保障が充実しているため、生活費の3〜6ヶ月分。
 

【個人事業主の場合】

加入している国民健康保険には傷病手当金の制度がなく、雇用保険にも加入できないため会社員と比較して公的保障が手薄になりがち、また収入の変動も大きく多めの準備が必要なため、生活費の6ヶ月〜12ヶ月分。
 

【独身の方の場合】

万が一の際の頼れる先が限定される場合は、生活費の12ヶ月分程度あると安心。
 

【共働きの方の場合】

世帯として複数の収入源があるためリスクは分散されていることから3ヶ月程度。
 

【お子さまの教育費負担がある方の場合】

6ヶ月〜12ヶ月分の生活費相当額、加えて学費分は別枠で確保。
 

生活防衛資金の管理方法

生活防衛資金を管理するうえで外せないのは流動性(すぐに引き出せること)と安全性(元本が減らないこと)です。
 

・流動性:「すぐに引き出せること」
・安全性:「元本が減らないこと」

 
代表的なお金の預け先の特徴は以下のとおりです。
 
(1)普通預金口座 ◎
預金金利は低いですが、ATMやネットバンキングでいつでも引き出せるため緊急時の流動性は抜群です。
 
(2)定期預金   〇
一般的には普通預金よりやや高い金利が適用されますが、満期前に解約すると金利が下がるデメリットがあり流動性は劣ります。生活防衛資金の全額を定期預金に預けるのはおすすめできません。
 
(3)個人向け国債(変動10年)△
元本保証と最低金利0.05%が保証されているため安全性の高い預け先といえます。ただし、購入から1年間は原則解約できないため流動性の点でやや不向きです。将来予定されているまとまった支出のための預け先としては有効です。
 
(4)株式・投資信託 × 
投資信託や株式は値動きがあるため、いざ現金化しようとしたときに元本割れしているリスクがあります。生活防衛資金の預け先として安全性は低いです。余剰資金の預け先の候補としては有効です。
 
結論として、流動性と安全性がもっとも優れているのは普通預金です。
 
メガバンクやゆうちょ銀行は全国に支店やATMがあり、窓口で相談できる点でも優れています。緊急時にすぐ用意したい最低限の資金として生活費の1ヶ月〜2ヶ月分を預けておくと安心です。
 
また、ネット銀行の普通預金も預け先としておすすめです。メガバンクに比べて預金金利が高めに設定されていることが多い傾向があり、普段使いの口座と切り離しておくことで、「貯める専用」の口座として活用できます。
 

インフレにどうのように備えるか

普通預金で「流動性×安全性」を確保しつつ、一部を運用により増やすなどバランスをとっていきます。

例えば、生活防衛資金のうち3ヶ月分は普通預金で預け、残りは元本保証の個人向け国債で運用するハイブリッドで管理し、流動性×安全性に成長性をプラスしています。
 
また、生活防衛資金とは別枠の余剰資金を活用して、NISAなど非課税制度を活用した資産運用でお金を増やす方法も考えられます。
 

まとめ

大切なのは、「守り」と「攻め」のバランスです。生活防衛資金は、安全性と流動性を最優先し普通預金で確実に守ることを基本とします。生活防衛資金の一部を元本保証のあるもので運用し組み合わせることで、インフレ対策にもなります。
 
また、余剰分があれば投資(資産運用)を活用してじっくりと育てていくことで、よりインフレに強い姿になると思います。
 

出典

財務省 個人向け国債
 
執筆者 : 仁木康尋
日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

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