在宅ワークのエアコン代を節約するため「空調ベスト」の導入を考えています。これって本当に節約になりますか?
屋外作業で使われる印象が強い製品ですが、自宅で使えばエアコン代を抑えられるのでしょうか。空調ベストの仕組みや電気代だけでなく、本体の購入費や仕事中の使いやすさも含めて考える必要があります。
本記事では、空調ベストでエアコン代を節約できる条件や、購入費を含めた費用対効果、在宅ワークで使う際の注意点について解説します。
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目次
空調ベストを着るだけではエアコン代の節約にならない
空調ベストは、背中や腰に付いた小型ファンで服の中に風を送り、汗を蒸発させやすくする製品です。汗が蒸発するときに体の熱を奪う気化熱により、涼しく感じられます。ただし、空調ベストには室温を下げる機能がありません。空調ベストを着てもエアコンを同じ設定で使い続ければ、エアコン代はほとんど変わらないと考えてよいでしょう。
節約につなげるには、空調ベストによって涼しく感じられる分だけ、エアコンの設定温度を上げる必要があります。例えば、設定温度を27度から28度に変更しても快適に仕事ができれば、その差が節電効果になります。
資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」によると、外気温31度のとき、冷房の設定温度を27度から1度上げて1日9時間使用すると、年間約940円の節約になります。ただし、実際の金額はエアコンの性能や部屋の広さ、住宅の断熱性によって変わります。
空調ベストの充電代はエアコン代より大幅に安い
空調ベストのファンは、充電式バッテリーで動きます。製品ごとに差はあるものの、バッテリー容量が数十ワット時程度であれば、1回の充電にかかる電気代は一般に数円程度です。
一例として、容量50ワット時のバッテリーを充電する場合を考えます。電気料金を1キロワット時31円とすると、単純計算の充電代は「0.05キロワット時×31円=1.6円」です。充電時の電力ロスを含めても、大きな負担にはなりにくいでしょう。
一方、消費電力600ワットのエアコンは、1時間あたり「0.6キロワット時×31円=18.6円」かかります。空調ベストを使用してエアコンの消費電力を抑えられれば、バッテリーの充電代を差し引いても節約できる可能性があります。
ただし、空調ベストの風量を弱くしても暑さに耐えられず、結局エアコンの設定を変えられない場合、電気代は減りません。空調ベストを購入する前に、卓上扇風機やサーキュレーターでも同じような涼しさを得られないか、より安価な方法と比較してみるとよいでしょう。
空調ベストの購入費を含めて節約になるか計算する
空調ベストが本当にお得か判断するには、電気代だけでなく本体代も含めて計算する必要があります。
例えば、空調ベスト一式を1万円で購入し、エアコン代を1日50円節約できたとします。この場合、本体代を回収するには「1万円÷50円=200日」が必要です。夏に平日だけ使用するケースでは、1年あたりの使用日数が限られるため、回収まで2~3年程度かかる可能性があります。
一方、エアコンを使う時間を1日数時間減らせる家庭では、回収期間が短くなるでしょう。日当たりが弱い部屋や、もともと冷房効率がよい住宅では、空調ベストだけでも快適に過ごせる時間が増えるかもしれません。
空調ベストを購入する前には、現在のエアコン代を確認することが大切です。エアコンの消費電力(W)に使用時間(h)と電気料金単価(円/kWh)を掛ければ、おおよその金額を計算できます。そのうえで、設定温度を上げた場合や使用時間を減らした場合の節約額を見積もりましょう。
また、在宅ワークではファンの音にも注意が必要です。オンライン会議でマイクがファンの音を拾うことがあるため、静音性や風量調節機能も確認してください。さらに、重量やバッテリーの位置によっては、長時間着用すると肩や腰が疲れることもあるため、注意が必要です。
空調ベストとエアコンを併用して無理なく節約しよう
空調ベストは、着るだけでエアコン代を減らせる製品ではありません。エアコンの設定温度を上げたり、使用時間を短くしたりできたときに、初めて節約につながります。
ただし、節約を優先して冷房を止めるのは危険です。暑い日には室内でエアコンなどを適切に使用し、涼しい環境を保ちましょう。体調がすぐれないときや、室温と湿度が高いときは、空調ベストだけに頼らないことが大切です。
まずはエアコンを適切に使いながら空調ベストを試し、快適さを保てる範囲で設定温度を1度上げる方法がおすすめです。カーテンで日差しを遮る、エアコンのフィルターを掃除する、扇風機で冷気を循環させるといった対策も組み合わせれば、無理なく節約効果を高められるでしょう。
出典
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約 エアコン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

