繁忙期だけ残業が増え、給料が一時的に高くなりました。夫に“そのせいで社会保険料が上がることもあるよ”と言われ不安です…… いつの給与が影響しますか?

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繁忙期だけ残業が増え、給料が一時的に高くなりました。夫に“そのせいで社会保険料が上がることもあるよ”と言われ不安です…… いつの給与が影響しますか?
繁忙期だけ残業代が増えたことで、社会保険料の負担額が上がるのでしょうか。
 
このケースでは、配偶者の被扶養者として働いている場合と社会保険の適用を受けて働いている場合で、状況が異なります。
 
今回は、配偶者の扶養の範囲で働いている場合と社会保険の適用を受けて働いている場合で、その影響を考えてみましょう。
辻章嗣

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

配偶者の扶養の範囲で働いている場合

会社員や公務員の配偶者に扶養され、被扶養者の年収が130万円未満である場合は、国民年金は第3号被保険者、健康保険は被扶養者となり、社会保険料を負担することなく社会保険の保障を受けることができます(※1, 2)。
 
年収制限の130万円は、今後1年間に見込まれる収入額で判定されますので、繁忙期のみの残業代が増えたことにより直ちに扶養から外れることはありません。また、事業主が一時的な収入変動である旨を証明する書類を健康保険組合に提出することで被扶養者として認められます(※2, 3)。
 

社会保険の適用を受けないで働いている場合

適用事業所で勤務する短時間労働者が、一定の要件を満たすと社会保険の適用を受けることになります。社会保険の適用を受けることになる要件は、以下のとおりです(※3)。
 

(1)週の勤務時間が20時間以上である
(2)給与が月額8万8000円以上である
(3)2ヶ月を超えて働く予定がある
(4)学生でない

 
要件のうち8万8000円(年収106万円)の判定には、残業代は含まれません。したがって、社会保険の適用を受けずに短時間労働者として働き、配偶者に扶養されている場合、繁忙期の残業代が増えたからといって社会保険料の負担が増えることはありません。
 

社会保険の適用を受けて働いている場合

社会保険の適用を受けて働いている場合、給与から支払う社会保険料は、標準報酬月額に保険料率を掛け、労使で折半した額となります。
 
社会保険料の計算に用いられる標準報酬月額は、被保険者が受け取る税引き前の給与(基本給のほか残業手当や通勤手当などが含まれます)を一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて決定されます。
 
標準報酬月額は、毎年9月に、4~6月の報酬月額を基に、年1回改定されます。したがって、増えた残業代が4~6月に支払われていなければ、繁忙期に増えた残業代がその年9月からの標準報酬月額に反映されることはありません。
 
一方、増えた残業代が4~6月に支払われていれば、その年9月からの標準報酬額に反映され標準報酬月額が上がり、社会保険料も上がります。
 

まとめ

130万円や106万円の壁の範囲内で配偶者の被扶養者として働いている場合は、基本的に繁忙期の残業代が増えても社会保険料を支払う必要はありません。
 
一方、社会保険の適用を受けて働いている場合は、増えた残業代が社会保険料の算定に用いられる標準報酬月額の定時改定について、その判定時期4~6月に支払われなければ、残業代は社会保険料に影響を与えません。ただし、4~6月に支払われると、9月からの社会保険料が上がる可能性があります。
 

出典

(※1)日本年金機構 年金用語集 た行 第3号被保険者
(※2)全国健康保険協会 被扶養者資格の再確認とご提出のお願い
(※3)厚生労働省 年収の壁 こんな不安がありませんか?
 
執筆者 : 辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

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