エアコンの“除湿”を使ったら「再熱除湿だから冷房のほうが節約になる」と言われました。「1時間当たり13円、1ヶ月3120円の差」とのことですが、除湿機能は“使わないほうがいい”ですか?
同じ除湿機能でも、なぜ電気代に差が生じるのでしょうか。本記事では、再熱除湿の電気代が高くなる理由や、快適に過ごすための賢い使い分け、自宅のエアコンの除湿方式を確認する方法を解説します。
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目次
再熱除湿の電気代が冷房より高くなる理由とは?
多くのエアコンには、「冷房」のほかに、「除湿(ドライ)機能」がありますが、除湿機能には主に「弱冷房除湿」や「再熱除湿」の2種類があります。それぞれで仕組みが異なるため、消費電力や電気代に違いが生じます。
一般的に、電気代を抑えやすいのが「弱冷房除湿」です。弱い冷房運転で室内の空気を冷やし、水分を取り除く仕組みで、除湿すると同時に室温も少し下がります。
「冷房」は、設定温度まで部屋を効率よく冷やすことを優先して運転します。湿度もある程度下がりますが、目的はあくまで室温を下げることです。
3つの方式のなかで最も電気代が高くなりやすいのが、「再熱除湿」です。再熱除湿は、一度空気を冷やして水分を取り除いたあと、冷えた空気をヒーターなどで適温まで温め直して室内へ戻します。
「冷やす」と「温める」という2つの工程を行うため、通常の冷房や弱冷房除湿よりも多くの電力を消費し、その分電気代が高くなります。
再熱除湿と弱冷房除湿の電気料金を比較
実際にどの程度の差があるのか、一例として再熱除湿を搭載している三菱電機株式会社の「MSZ-ZW2826」と弱冷房方式の「MSZ-GE2826」で比較してみましょう。
再熱除湿を搭載した「MSZ-ZW2826」の除湿運転時の消費電力は、約600ワットです。一方、弱冷房除湿を採用する「MSZ-GE2826」は、除湿時の消費電力は運転状況によって変動しますが、最小消費電力は165ワットとなっています。
電気料金の目安単価を31円/キロワットアワーとすると、1時間あたりの電気代は次のようになります。
・弱冷房除湿(約165ワット):0.165キロワット✕31円=5.115円
・再熱除湿(約600ワット):0.600キロワット✕31円=18.6円
運転条件によって正確な消費電力は変動しますが、この例では1時間あたり約13円の差が生じます。仮に1日8時間、1ヶ月(30日)使い続けたとすると、「約13円✕8時間✕30日=約3120円」の差となり、長時間運転するほどその負担は大きくなるでしょう。
電気代が高くても「再熱除湿」を使うべきメリット
再熱除湿には、「室温をあまり下げずに湿度だけをしっかり下げられる」という、冷房や弱冷房除湿にはないメリットがあります。
梅雨の時期や夏の夜から明け方にかけては、「気温はそれほど高くないけれど湿度が高く、ジメジメして寝苦しい」といった日が多いでしょう。このような状況で冷房や弱冷房除湿を使うと、湿度と同時に室温も下がるため、寒く感じて途中で目が覚めたり、体調を崩したりする原因になったりすることがあります。
再熱除湿の場合には、室温を保ちながら湿度だけを下げられ、快適な睡眠環境を維持しやすくなります。電気代はやや上がりますが、快適性や体への負担を考えれば、状況によっては十分にメリットのある運転方式です。
自宅のエアコンの除湿方式を確認する方法
「自宅のエアコンはどちらの除湿方式なのだろう」と思ったら、まずは取扱説明書やメーカーの公式サイトで機種名を確認するのが確実です。
リモコンから、ある程度判断できる場合もあります。例えば、除湿運転中でも温度設定を変更できる機種は、再熱除湿を採用していることが少なくありません。
一方、温度設定ができず、「弱・標準・強」など風量や除湿レベルのみを選択するタイプは、弱冷房除湿のケースが多く見られます。ただし、メーカーによって仕様は異なるため、これだけで断定はできません。
また、除湿運転時に吹き出す風でも見当がつくことがあります。冷たい風が出続ける場合は弱冷房除湿、室温に近い風が出る場合は再熱除湿、といった具合です。
状況に応じて冷房と再熱除湿を使い分けるのが正解
再熱除湿は冷房や弱冷房除湿よりも電気代が高くなる傾向がありますが、その分「室温を下げ過ぎずに湿度だけを下げられる」というメリットがあります。
真夏の猛暑日など、とにかく室温を下げたい場合は冷房を使うほうが効率的です。しかし、梅雨時や夏の夜間など「気温よりも湿度が高いのが不快」という場面では、再熱除湿のほうが快適に過ごせます。
特に除湿の冷たい風で体調を崩してしまいがちな人などは、電気代だけを考えて運転モードを決めるのではなく、再熱除湿を選択して電気代のコストと室内の快適性を賢く両立してください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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