夫が「1時間の外出ならエアコンは付けっぱなしでいい」と言います。少しでも“節約になる”なら「消したい」ですが、再び“部屋を冷やす電気代”を考えると、付けっぱなしが安いのでしょうか?
本記事では、1時間程度の外出時にエアコンをつけっぱなしにした場合の電気代の考え方や、無理なく節約につながる使い方を解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
エアコンの電気代は「運転時間」だけでは決まらない
エアコンの電気代について、「つけている時間が長いほど高い」と考えがちです。しかし実際は、室温と設定温度の差、外気温、日当たり、部屋の断熱性、エアコンの性能などによって消費電力量が変わります。
例えば、夏の昼間にエアコンを切って外出すると、室内に熱がこもりやすくなります。帰宅後に再び冷房を入れると、上がった室温を下げるために強めの運転になりやすく、短時間でも電気を多く使うことがあります。このため、短い外出であれば、こまめに切るよりもつけっぱなしのほうが結果的に電気代を抑えられる場合があります。
一方、外出中につけっぱなしにしていれば、当然ですがその間も電気代はかかります。判断のポイントは、「再び冷やすために使う電気」と「外出中に運転し続ける電気」のどちらが大きくなるかです。
1時間の外出の場合「必ずつけっぱなしが安い」とは限らない
1時間程度の外出では、エアコンをつけっぱなしにするか、いったん切るかの判断が分かれます。真夏の日中で外気温が高く、日差しが入りやすい部屋では、エアコンを切ると短時間でも室温が上がりやすくなります。このような場合は、帰宅後に部屋を冷やし直す負担が大きくなるため、つけっぱなしにするメリットがあります。
反対に、夕方以降や夜間、雨天の日、断熱性の高い住宅、日当たりの弱い部屋では、1時間エアコンを止めても室温の上昇が比較的ゆるやかなことがあります。その場合は、外出中の運転を止めたほうが電気代を抑えやすいでしょう。
なお、資源エネルギー庁は、冷房を1日1時間短縮した場合、年間で電気18.78キロワットアワー、約580円の節約になるという目安を示しています。この数値は一定条件での試算ですが、不要な運転時間を減らすことが省エネにつながることは間違いありません。
ただし、電気代だけで判断しないほうがよい場合もあります。高齢者や小さな子ども、体調に不安がある人、ペットが家にいる場合などは、リスクも考える必要があります。猛暑日には、電気代の節約よりも安全性を優先しましょう。
電気代の目安と、外出時にできる節約の工夫
エアコンの電気代は、基本的に「消費電力量(キロワットアワー)×電気料金単価」で計算できます。家電製品の電気代表示などで使われる電力料金目安単価は、31円/キロワットアワーです。例えば、1時間で0.9キロワットアワー使えば約28円となります。
ただし、実際の消費電力量は一定ではありません。室温が安定しているときは小さな電力で済むこともありますが、外気温が高く、部屋が暑くなっているときは消費電力量が増えやすくなります。そのため、1時間の外出で迷った場合は、日中の暑い時間帯なら設定温度を少し高めにしてつけっぱなし、涼しい時間帯なら切る、という使い分けをしましょう。
節約したい場合は、設定温度だけでなく、部屋に熱を入れない工夫も大切です。資源エネルギー庁は、冷房時の工夫として、ドアや窓の開閉を少なくすること、レースのカーテンやすだれで日差しをカットすること、外出時は昼間でもカーテンを閉めることなどを挙げています。
また、フィルター掃除の有無も電気代に関わります。同庁の試算では、フィルターを月に1回か2回清掃した場合、年間で電気31.95キロワットアワー、約990円の節約になるとなっています。フィルターが目詰まりすると冷房効率が落ち、余計な電気を使いやすくなるため、気を付けたい部分です。
エアコンをつけっぱなしにするかは、状況に合わせて判断を
1時間の外出の際、エアコンをつけっぱなしにしたほうが電気代は安くなるとは限りません。猛暑日の昼間や日当たりのよい部屋ではつけっぱなしが有利な場合もありますが、夜間や涼しい時間帯なら切ったほうが節約につながる可能性があります。電気代、安全性、帰宅後の快適性を踏まえて判断しましょう。
執筆者 : 小川ひろ
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

