飲み代「1回5000円」に、妻が「こっちは毎日30円安い豆腐買ってるのに」と激怒! 会社の飲み会は“必要経費”で断れませんし、ムダ遣いじゃありませんよね? 会社員の痛すぎる“付き合いの現実”
仕事から帰宅した夫の何気ない一言に、妻の堪忍袋の緒が切れました。
「はぁ!? こっちは毎日30円安い豆腐を買うために、わざわざ遠くのスーパーまで自転車を漕いでるのに!」
物価上昇によって暮らしの余裕を感じにくい昨今。日々の食費を10円単位で切り詰める妻にとって、1回の飲み会に5000円を使う感覚は簡単には受け入れにくいでしょう。しかし、夫にも「職場の人間関係」という、簡単には断れない事情があります。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士
「毎日30円の節約」vs「1回5000円の飲み代」果てしない夫婦の溝
妻の視点からすれば、1回5000円の出費はかなり大きな額です。毎日30円安い豆腐を買う努力を167日続けた場合の節約額に相当するからです。
電気代やガス代、教育費などが容赦なく家計にのしかかるなか、総務省の「2024年家計調査」によると、二人以上の世帯のエンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合)は28.3%と、1981年以来43年ぶりの高水準を記録しました。
これは、消費支出に占める食費の割合が高まっていることを示しています。日々の支出を細かく抑えている妻にとって、夫が一度の飲み会に5000円を支払うことは、自分ばかりが節約を続けているように感じられ、割り切れない出費に映るのかもしれません。
一方、夫の言い分も切実です。「好きで飲んでいるわけじゃない! これも仕事のうちなんだ」という心の叫びです。
部署内の根回しや、上司や後輩とのコミュニケーションなど、日本の組織において「飲みニケーション」がいまだに一定の効力を持っている職場は少なくありません。
会社員のお小遣いに占める飲み代の負担
ここで、会社員のお小遣いと飲み代の関係を見てみましょう。株式会社SBI新生銀行の「2024年会社員のお小遣い調査」によると、男性会社員の毎月のお小遣いの平均額は「3万9081円」です。前年より1477円も減少しています。
毎月のお小遣いが調査平均の約3万9000円だとすると、1回5000円の飲み会に誘われたらどうなるでしょうか。
月に2回参加するだけで1万円、お小遣いの4分の1以上がなくなります。残りの金額で、日々のランチ代や携帯電話代、趣味のお金をやりくりしなければなりません。
夫たちも決してぜいたくをしているわけではなく、ワンコイン弁当やカップラーメンなどで昼食代を抑えながら、限られたお小遣いの中から飲み代を捻出しているケースも少なくないでしょう。
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夫が飲み会を「必要経費」だと主張する背景には、断り続けることで職場の人間関係に影響が出るのではないかという不安もあるでしょう。
しかし、家計を預かる妻からすれば、それは単なる「言い訳」に聞こえてしまうかもしれません。たとえ夫自身のお小遣いからの支出であっても、「自分は家族のために節約しているのに」と、割り切れない気持ちになることもあるでしょう。
ここで重要なのは、「どちらが正しいか」を議論することではありません。双方が「家族のために」という根底の思いを持ちながらも、妻は家計を、夫は職場での人間関係を維持する立場から、この出費をそれぞれ異なる角度で捉えているのです。
夫婦の衝突を避けるために夫ができること
妻の不満を和らげるには、夫がお小遣いの使い方や飲み会の必要性を説明し、節約への配慮を示すことが大切です。
・お小遣いの内訳を可視化して妻に伝える
夫は自分のお小遣いの使い道をオープンにし、飲み会のためにほかの支出を抑えるなど、限られた範囲でやりくりしていることを妻に伝えましょう。夫も節約に努めていると分かれば、飲み代への受け止め方が変わるかもしれません。
・「1回5000円」を「月2回まで」など具体的な上限を決める
お小遣いに無理が生じない範囲で、飲み会の回数や金額に目安を設けます。これにより、夫も「これ以上はお小遣いが持たない」と断る口実ができます。
・妻の節約努力(30円安い豆腐など)を言葉で褒めてねぎらう
これが一番重要かもしれません。夫は「いつも30円安い豆腐を探してくれてありがとう。おかげで本当に助かっているよ」と、妻の努力を認める言葉をかけましょう。妻の怒りの背景には、「自分の苦労が理解されていない」という思いがあるかもしれません。
「1回5000円」の飲み代は、夫にとっては限られたお小遣いの中で負担する職場の付き合いです。一方で、妻には日々の節約との落差が大きく映ることもあります。夫が支出の実情を伝え、節約への感謝を言葉にすることが、衝突を避けるうえで大切です。
出典
総務省統計局「家計調査(2024年)家計収支編」
株式会社SBI新生銀行 2024年会社員のお小遣い調査
執筆者 : 西村和樹
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士

