物価高だけじゃない? 約半数の中小企業が資金繰りに不安……。調査で見えた「今できる備え」とは
こうした状況について調べていたところ、中小企業を対象とした調査では、約半数の企業が半年後の資金繰りに不安を感じていることが分かりました。一方で、資金繰りを安定させるための備えについてもヒントが示されています。
本記事では、調査結果をもとに、中小企業の資金繰りの現状と、これからの経営のヒントを探ります。
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目次
約半数の企業が半年後の資金繰りに不安
大同生命保険株式会社「大同生命サーベイ(2026年6月度調査)」では、半年後の資金繰りについて「非常に不安」が10%、「やや不安」が37%となり、合わせて47%と約半数の企業が不安を抱えていることが分かりました。
また、従業員規模別に見ると、企業規模が小さいほど「不安がある」と回答した割合が高い傾向もみられています。資金に余裕のある大企業と比べ、中小企業では日々の資金繰りが経営へ与える影響が大きいことがうかがえます。
資金繰りは、事業を継続していくうえで欠かせない経営課題の一つであり、多くの企業が先行きに慎重な見方をしていることが読み取れます。
資金繰りを圧迫する最大の要因は「原材料・仕入価格の上昇」
では、資金繰りに影響を与えている要因は何なのでしょうか。
大同生命サーベイ(2026年6月度調査)によると、「原材料・仕入価格の上昇」が51%で最も多く、次いで「売上減少」が29%、「人件費の増加」が21%となりました。
近年続く物価高の影響に加え、人件費の上昇や売上の伸び悩みなど、複数の課題が同時に企業経営へ影響を与えていることが分かります。
監修者も、資金繰りは単一の要因ではなく、「仕入価格や人件費の上昇」「売上の伸び悩み」といった複数の要因が重なって圧迫されていると指摘しています。
金利上昇だけでなく「物価高との重なり」を懸念する企業も
日本では金利上昇への関心も高まっています。
大同生命サーベイ(2026年6月度調査)によると、借入金利の上昇による影響について、「物価高騰の要因が重なれば大きな影響がある」と回答した企業が40%となりました。一方で、「大きな影響はない」は35%でした。
つまり、多くの企業は金利上昇だけを懸念しているのではなく、物価高や人件費の増加、売上減少などと重なった場合の経営への影響を心配していることが分かります。
経営環境が複雑化するなかでは、一つのリスクだけではなく、複数の課題をまとめて考える必要があるといえそうです。
一方で4割近くは「特に対応しない」と回答
借入金利の上昇への対応について尋ねたところ、「特に対応はしない」が38%で最も多くなりました。
そのほか、「借入額を抑える」が22%、「製品・サービス価格を見直す」が16%、「光熱費・人件費などのコストを見直す」が16%となっています。
企業によって借入状況や経営環境は異なるため、「特に対応しない」という回答が必ずしも問題であるとはいえません。
一方で、今後の金利動向や物価の状況によっては、経営環境が大きく変化する可能性もあります。そのため、自社の状況に合わせて対応策を検討していくことが重要になるでしょう。
資金繰りは「困ってから」ではなく「備える」ことが重要
調査を監修した神戸大学経済経営研究所の柴本昌彦教授は、重要なのは金利上昇だけを見るのではなく、売上減少やコスト増加が重なった場合の資金繰りをあらかじめ確認しておくことだと指摘しています。
そのためには、
・入出金の流れを把握する
・コスト上昇を踏まえて価格を見直す
・固定費や運転資金を定期的に点検する
・金融機関と継続的に相談する
といった取り組みが、変化する経営環境への備えにつながるとしています。
資金繰りは問題が起きてから対応するのではなく、日頃から状況を把握し、早めに準備しておくことが重要だといえるでしょう。
資金繰りを見直すことが、将来への備えにつながる
大同生命サーベイ(2026年6月度調査)では、約半数の中小企業が半年後の資金繰りに不安を感じていることが分かりました。
その背景には、物価高だけでなく、売上減少や人件費の増加、さらには金利上昇への懸念など、複数の経営課題が重なっている現状があります。
一方で、調査では、資金繰りを安定させるためには、日頃から資金の流れを把握し、コスト管理や価格の見直し、金融機関との対話などを進めていくことの重要性も示されています。
先行きが見通しにくい時代だからこそ、自社のお金の流れを定期的に確認し、将来起こり得るリスクを想定しながら備えておくことが、中小企業の安定した経営につながる第一歩となるのではないでしょうか。
出典
大同生命保険株式会社 大同生命サーベイ(2026年6月度調査)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
