旅行の数日前に夫が「電気代節約のため、冷蔵庫の電源は切って出かけよう」と言い出しました。しかし中には“食品”や“調味料”が残っています。あらためて買い直す方が“もったいなく”ないでしょうか?
冷蔵庫の電気代を数日分節約できても、中の食品を捨てたり買い直したりすれば、かえって高くつくことがあります。電源を切るなら、庫内を空にして乾燥させる準備が必要です。
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食品が残っているなら電源を切らない方が安全
冷蔵庫は、食品を低温で保存するための家電です。電源を切ると庫内温度が上がり、生鮮食品、乳製品、作り置き、開封済みの調味料などが傷みやすくなります。
厚生労働省の「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント 」では、冷蔵庫は10度以下、冷凍庫はマイナス15度以下に保つことが大切とされています。電源を切れば、この温度を維持できません。
細菌の多くは、「10℃では増殖がゆっくりとなり、-15℃では増殖が停止しています」と注意喚起されています。
つまり、細菌が死んでいるわけではありません。温度が常温に戻れば、見た目やにおいに変化がなくても、食中毒の原因になる菌が増えている可能性があります。
特に注意したいのは、肉、魚、卵、牛乳、ヨーグルト、ハム、開封済みのドレッシング、手作りのおかずです。旅行後に「まだ食べられそう」と判断して食べるのは危険です。
冷蔵庫の電源を切って節約できる電気代は、旅行日数にもよりますが、数日なら大きな金額になりにくいでしょう。一方、食品を買い直すと数千円かかることがあります。安全面でも家計面でも、食品が残っているなら電源を入れたままにするのが現実的です。
電源を切るなら庫内を空にして乾かす必要がある
冷蔵庫を長期間使わない場合は、単にコンセントを抜けばよいわけではありません。
たとえば、パナソニックの冷蔵庫(NR-FTF424)の取扱説明書を確認すると、冷蔵庫を長期間使わないときは、食品や氷を取り出し、庫内を空にした状態で電源プラグを抜き、庫内を手入れして2〜3日間ドアを開放し乾燥させ、カビや臭いを防ぐよう案内がなされています。
つまり、旅行の直前に食品を入れたまま電源を切るのは、メーカーが想定する正しい停止方法ではありません。庫内に湿気が残ると、カビやにおいの原因になります。前述した細菌が繁殖する可能性があります。冷凍庫の氷が溶ければ、水漏れや床の濡れにつながることもあります。
また、自動製氷機の給水タンクや製氷皿にも水や氷が残ることがあります。これらを処理せずに止めると、帰宅後の掃除が大変になります。
数日から1週間程度の旅行であれば、冷蔵庫の中身を減らし、温度設定を適切にし、開封済みで傷みやすいものだけ処分するほうが安全です。電源を切るのは、引っ越しや長期不在で、庫内を完全に空にできるときに考えましょう。
節約するなら中身を減らして無駄買いを防ぐ
旅行前の節約で効果があるのは、冷蔵庫の電源を切ることより、中身を計画的に減らすことです。出発の1週間前から買い物を控え、冷蔵庫にある食材を使い切るようにしましょう。つまり、フードロスを減らす方向です。
特に夏は食材が傷みやすい季節です。消費者庁は、食中毒予防や食品ロス削減の観点から、冷蔵庫の整理や、期限にかかわらず早めに食べきることを推奨しています。
野菜、肉、魚は早めに調理して食べ切るか、冷凍できるものは冷凍します。ただし、停電や電源オフをする予定があるなら冷凍も意味がありません。旅行中も電源を入れておく前提で保存しましょう。
調味料は、開封後に冷蔵保存が必要なものかラベルを確認します。常温保存できる未開封品なら問題は少ないですが、開封済みのめんつゆ、ドレッシング、醤油などは冷蔵保存が必要なことが多いです。帰宅後に使う予定があるなら、電源を切らずに保存するほうが無駄を防げます。
また、旅行前は冷蔵庫に詰め込みすぎないことも大切です。冷気が回りやすくなり、効率が良くなります。傷みやすい食品を残さず、日持ちするものだけにして出かけるのが安心です。
まとめ
食品や調味料が残っている状態で、旅行中に冷蔵庫の電源を切るのはおすすめできません。数日分の電気代を節約できても、食品の買い直しや食中毒リスクを考えると、かえってもったいない結果になる可能性があります。
冷蔵庫を止めるなら、庫内を空にし、氷や水を捨て、掃除して数日間ドアを開けて乾燥させる必要があります。旅行直前に食品を残したままコンセントを抜くのは避けましょう。
節約するなら、出発前から食材を使い切り、買い物を控え、冷蔵庫の中身を整理するのが現実的です。冷蔵庫は電源を入れたまま、食品ロスを減らす方向で工夫したほうが、家計にも健康にも安心です。
出典
厚生労働省 家庭でできる食中毒予防の6つのポイント
Panasonic 取扱説明書 冷凍冷蔵庫(家庭用)NR-FTF424
消費者庁 冷蔵庫を整理しましょう
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

