アルバイトの給料計算で「15分未満が切り捨てされた場合」、違法にならないのでしょうか?
本記事では、納得して楽しく仕事ができるように、労働基準法を学んでみましょう。
最初に、アルバイトの給料の「15分未満は切り捨て」が違法かどうかについては、違法となる場合もあるということで、先に進んでみることにします。
ファイナンシャルプランナー CFP
家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。
労働時間とは
労働基準法では、労働時間について以下のように定められています。
労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことを指し、次のような実際に作業をしていない時間も該当します(※1)。
・仕事をするための準備時間や後始末時間も含まれる。また、15分に満たないような端数時間を切り捨てることは認められない。
・仕事をせずに待機している「手待ち時間」も含まれる。
・参加が義務付けられている研修や業務に必要な学習時間も労働時間となる。
労働(勤務)時間の適切な把握
使用者は労働時間を適切に把握するため、労働者ごとに各労働日の始業・終業時刻を確認・記録することを求められています。そのため、一般的にはタイムカード、ICカード、パソコンの使用時間等の記録を元に確認されます。
このような、労働時間(勤務時間)についての定義と勤務時間の把握方法を元に、1ヶ月の勤務時間とその対価としての給料を計算する場合の実務上の問題について見てみましょう。
月間の勤務(労働)時間の端数処理について
月間の勤務時間の端数処理については、労働基準法には記載されていませんが、実務を扱う行政通達が出されています(※2)。
毎日の勤務時間を把握・記録するに際しては、端数を切り捨てることは認められていません。
ただし、1ヶ月間の時間外労働や休日労働、深夜労働の各時間数を集計した際の1時間未満の端数については、30分未満は切り捨て、30分以上は切り上げることが認められています。これは、働く人の不利有利ではなく事務の簡素化のためということです。
したがって、アルバイトの勤務時間における15分未満の切り捨てについては、以下のようになります。
・毎日の勤務時間を記録する際に15分未満を切り捨てて記録する ⇒ 違法
・1ヶ月の時間外労働、休日労働、深夜労働の各時間を集計する際、それぞれについて1時間未満の端数がある場合、30分未満は切り捨て、30分以上は切り上げる ⇒ 適法
雇用される場合に注意すること
正規雇用、非正規雇用(アルバイト等のパートタイマー)を問わず、雇用される際に、就業時間の取り決め(準備時間や後始末時間、手待ち時間など)を最初によく確認することと、端数時間の処理方法についても日々の端数時間と1ヶ月の端数時間の処理を知っておくことが必要です。
また、労働時間(勤務時間)を記録するツール(タイムカード、勤怠アプリなど)について使用法などを最初に確認することも大切です。勤務時間やそれに見合う給料が適切に処理されることは、何よりも大切ですから、納得して楽しく仕事ができるようにしましょう。
もし適切に処理されていない場合は、勤務先の責任者や人事総務の担当者に質問してみることが必要です。そのうえで、職場内で解決ができない場合は、最寄りの労働基準監督署や総合労働相談コーナーもありますので相談してみることも可能でしょう。
出典
(※1)厚生労働省 労働時間を適正に把握し正しく賃金を支払いましょう
(※2)厚生労働省 愛知労働局 行政通達 賃金計算の端数の取扱い(昭和63年3月14日 基発第150号より)
執筆者 : 植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP

