63歳の夫が「夏ボーナス100万円は全額NISAに回す」と言います。まだ“住宅ローン”があるなら「繰り上げ返済すべき」と思いますが、投資して大丈夫なのでしょうか? メリット・デメリットを比較
実際には、住宅ローンの金利や返済期間、資産状況によって、有利な選択は異なります。それぞれの特徴を比較し、判断のポイントを整理します。
FP2級、秘書検定2級、剣道3段、ビジネス会計検定3級、ビジネス実務法務検定3級
住宅ローン繰り上げ返済とNISAの違いは? メリット・デメリットを比較
住宅ローンの繰り上げ返済は、元本を前倒しで返済することで、その後に支払う利息を減らせるのが最大のメリットです。
例えば、金利1.0%前後の住宅ローンでは、利息軽減効果は金利や残りの返済期間によって異なりますが、一般的には返済期間が長いほど効果が大きくなります。ただし、一度返済した資金は基本的に手元へ戻せません。
NISAは、運用益が非課税となる制度です。2024年から始まった新NISAでは、生涯投資枠1800万円まで非課税で運用できます。
投資である以上、元本割れの可能性はありますが、長期間の積立・運用によって資産形成が期待できます。例えば、仮に年5%で20年間運用できた場合、税金や手数料は考慮しない試算で、100万円は約265万円になる計算です。
つまり、繰り上げ返済は「確実な利息軽減」、NISAは「将来の資産増加を期待する運用」という性格の違いがあります。
住宅ローン金利や年齢によって有利な選択は変わる
どちらを選ぶべきかは、住宅ローンの条件やライフプランによって変わります。
例えば、住宅ローン金利が0.4~0.6%程度の低金利であれば、投資をすることでそれ以上の運用成果が得られる可能性もあり、NISAを選択する考え方もあります。一方、金利が高い場合や返済期間が長く残っている場合は、繰り上げ返済による利息軽減効果が大きくなるケースもあります。
また、タイトルの状況のように63歳であれば、資産をいつ使う予定なのかも重要です。近い将来に退職金や年金生活を控えている場合は、運用期間が限られるため、大きな値動きを伴う資産への投資は慎重に考える必要があります。逆に、十分な生活資金を確保したうえで、長期的に運用できる資金であれば、NISAを活用する選択肢もあるでしょう。
まずは生活資金を確保し、自分に合った選択を考えよう
住宅ローンの繰り上げ返済とNISAは、どちらが一律に得とは言えません。
まずは、病気や急な出費に備える生活防衛資金を確保したうえで、住宅ローン金利や残りの返済期間、退職後の収支などを確認することが大切です。そのうえで、「一部を繰り上げ返済し、残りをNISAで運用する」という方法も選択肢になります。
まとまった資金があると「どちらか一方」に使いたくなりがちですが、それぞれの特徴を理解したうえで、自分のライフプランに合った方法を選ぶことが大切です。
執筆者 : 今みなみ
FP2級、秘書検定2級、剣道3段、ビジネス会計検定3級、ビジネス実務法務検定3級
