猛暑で日中は「エアコンをつけっぱなし」にしてたら、妻に「30分の買い物でも消して」と言われました。本当に“こまめに消す”ほうが安いのでしょうか? 電気代を確認
エアコンの電気代は、運転している時間の長さだけで決まるわけではありません。ここでは検証実験と国の試算から、何分を超えると消したほうが得になるのかを整理します。
2級ファイナンシャルプランナー技能士
電気を多く使うのは運転を始めた直後
エアコンの消費電力は、運転中ずっと一定というわけではありません。ダイキン工業株式会社によると、通常、最も多くの電力を使うのは、外気温と設定温度の差が大きい運転開始の直後です。
部屋が暑いほど、その差を埋めるために大きな力が必要になります。設定温度に達したあとは温度を保つだけなので消費電力は小さくなり、こまめに入り切りを繰り返すほど、電力を多く使う立ち上がりの回数が増えてしまうわけです。
同社がほぼ同じ条件のマンション2部屋でおこなった実験でも、外気温の高い日中(9時から18時)は「つけっぱなし」のほうが消費電力は少ないという結果でした。消しているあいだに室温が上がり、戻ってから冷やし直す負担が大きくなるためです。
分かれ目は日中35分、夜18分
では、何分までの外出なら有利なのでしょうか。同社は設定温度26度の条件で、時間帯ごとの分かれ目を次のように示しています。
・日中(9時から18時):35分までの外出なら「つけっぱなし」のほうが安い
・夜(18時から23時):18分までの外出なら「つけっぱなし」のほうが安い
夜のほうが短いのは、外気温が下がって設定温度との差が縮まり、立ち上がりに使う電力量が小さくなるためです。この目安にあてはめれば、日中の30分の買い物は、消さずに出掛けたほうが安く済みます。
同じ実験では、30分の外出から戻った時点で、つけっぱなしの部屋が温度26.5度・湿度69%、切った部屋は温度27.5度・湿度77%でした。戻ったときの蒸し暑さにも差が出るということです。
1日を通すと「こまめに入り切り」が安い
ただし、これは短い外出にかぎった話です。1時間の買い物や2時間の外食まで含めた1日の実験では、消費電力量は「つけっぱなし」が5.7キロワットアワー、「こまめに入り切り」が4.4キロワットアワーで、後者のほうが1日で35.1円安くなっています。
なお、この「35.1円」は、実験当時の電力料金目安単価27円/キロワットアワーで計算したものです。現在の目安単価31円/キロワットアワーの場合、「40.3円」安くなります。1ヶ月にすれば、40.3円×30日=1209円の差です。
同社によると、消費電力に大きな差がついたのは、買い物に出掛けた1時間と、外食に出掛けた2時間の場面でした。留守にする時間が長いほど、だれもいない部屋を冷やし続ける無駄が積み上がっていきます。
長めの外出がある日は切ったほうがよく、ひと月続ければ1200円ほどの差になるわけです。近所への買い物はつけたまま、半日の外出なら切る、と分けておくと迷わないでしょう。
設定温度の見直しも効きます。資源エネルギー庁の試算では、外気温31度のときに冷房を27度から1度上げた場合(1日9時間の使用)、年間で30.24キロワットアワー、約940円の節約になるとされています。こちらは外出するかどうかに関係なく効くので、あわせて見直したいところです。
まとめ
「こまめに消すほうが安い」という言い方は、いつでも正しいとはかぎりません。日中なら35分、夜なら18分が目安で、30分の買い物ほどならつけっぱなしのほうが安く済みます。
一方、1時間を超える外出や夜間は、切ったほうが有利でしょう。迷ったときは、部屋の暑さではなく、留守にする時間の長さで決めると分かりやすくなります。外出の長さと時間帯で使い分けながら、まずは設定温度を1度上げるところから始めてみてはいかがでしょうか。
出典
ダイキン工業株式会社 エアコンの電気代「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」 冷房で節電なのはどちら?
資源エネルギー庁 無理のない省エネ節約 空調
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士

