友人から「残業代を稼ぐために仕事をわざと残している」と聞いて驚きました。月に「2万円」ほど残業代が増えるそうですが、こうした意図的な残業代は問題ないのでしょうか?
そこで本記事では、残業代の基本的な仕組みを確認したうえで、残業代を増やす目的で意図的に残業することの問題点について解説します。

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目次
残業代を稼ぐ目的で仕事を意図的に残すのは問題になるのか
残業代を増やすことだけを目的に、本来は勤務時間内に終えられる仕事を意図的に残す行為は、問題になる可能性があります。
そもそも労働時間とは、原則として「使用者の指揮命令下に置かれている時間」を指します。会社から残業を指示された場合だけでなく、勤務時間内には終わらない量の仕事を任されていたり、上司が残業を把握したうえで黙認していたりすると、会社から「黙示の指示」があったと判断されることもあります。
一方、業務上の必要がないにもかかわらず、残業代を得るために本人の判断で仕事を引き延ばしていた場合は、同じようには考えられません。例えば、会社が残業を事前承認制と定めているにもかかわらず、無断での残業を繰り返し行っていれば、就業規則などに反する行為として注意や懲戒処分の対象になる可能性があります。
このように、会社に残って仕事さえしていれば、必ず残業代がもらえると考えるのは適切ではありません。残業をする際は、その必要性に加えて、会社が定める申請方法やルールを確認することが重要です。
月2万円の残業代に必要な残業時間の目安
では、残業代が月2万円増える場合、実際にはどの程度の時間外労働をしていることになるのでしょうか。
労働基準法では、原則として1日8時間、週40時間を超える法定時間外労働について、会社は通常の賃金に対して25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。
例えば、通常の1時間当たりの賃金が1200円で、時間外労働の割増率を25%の場合、残業1時間当たりの賃金は1500円となります。この条件で、残業代を2万円増やすには、約13時間20分の残業が必要です。
仮に1ヶ月の勤務日数を20日とすると、1日当たりでは平均約40分に相当します。1日40分程度であれば、それほど長くないように感じるかもしれません。
しかし、同じペースの残業を毎月続けた場合、月の残業時間は約13時間20分、年間の残業時間は約160時間に達します。本来必要のない残業を継続だとすれば、会社にとっても無視できない人件費となるでしょう。
ただし、実際の残業代は基本給や各種手当、1ヶ月の所定労働時間などによって異なります。そのため、自分の残業代を確認する際は、給与明細や会社の賃金規定などを基に計算する必要がある点に注意が必要です。
意図的な残業が会社に知られた場合の影響
残業を増やす目的で意図的に仕事を引き延ばしていたことが会社に知られると、単に残業代の扱いだけでなく、勤務態度や社内ルールの面でも問題になることがあります。
例えば、会社が残業を事前申請制としているにもかかわらず、無断残業を繰り返した場合です。就業規則などに反する行為と判断されれば、会社から指導や注意を受けるほか、状況によっては懲戒処分の対象になることも考えられます。
また、実際には働いていない時間まで勤怠記録を水増し、その分の残業代を受け取っていた場合は、より重大な問題につながりかねません。こうした行為は、単なる無断残業にとどまらず、虚偽の申告としてみなされ、会社から厳しい対応を受ける可能性があります。
ただし、「会社の許可を取っていない残業だから、会社は一切残業代を払わなくてよい」と一律に判断できるわけではありません。会社が従業員の残業を把握しながら黙認していた場合や、定時では処理できない仕事量を任せていた場合などは、残業代の支払いが必要とされることがあります。
このように、残業代を支払う必要があるかという問題と、従業員が社内ルールに違反していたかという問題は分けて考えることが大切です。
残業代を増やすために仕事を残すのではなく会社のルールに沿って働こう
残業代を得る目的で、本来必要のない仕事を意図的に残す行為は、会社から注意や処分を受ける原因になりかねません。一方、無断残業であっても、会社がその事実を把握しながら黙認していた場合などは、残業代の支払いが必要になることがあります。
そのため、残業が必要なときは、会社の申請方法や上司の指示を確認し、定められたルールに沿って対応することが大切です。不要なトラブルを避けるためにも、残業代を増やす目的で仕事を引き延ばすのではなく、業務上必要な範囲で適切に残業することを心掛けましょう。
出典
厚生労働省 労働条件・職場環境に関するルール
厚生労働省 労働基準に関する法制度
厚生労働省 時間外労働の上限規制
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー




