会社から「9万2330円」を“6ヶ月定期代”として支給されています。残り3ヶ月で退職する場合、払い戻される「3万8760円」は会社に返金が必要ですか?「八王子~新宿」を例に払戻額を解説
結論は、会社の就業規則や通勤費規程、支給時の取り決めによって変わります。本記事では、会社へ返金する必要があるケース、JR東日本「八王子~新宿」の定期券を例に払戻額を解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
退職時の定期券代返金については会社の規程を確認する
通勤手当は、法律によってすべての会社に支給が義務づけられている手当ではありません。支給対象や金額、支給方法、退職時の精算方法は、基本的に会社の就業規則や賃金規程、通勤費規程などで定められます。
そのため、「6ヶ月定期券代を前払いし、期間途中で退職した場合は、定期券の払戻額を返還する」と規定されていれば、原則としてそのルールに沿って返金する必要があるでしょう。
会社が定期券の購入を前提に実費を支給している場合、退職後は通勤義務がなくなるため、払戻金を従業員がそのまま受け取れる合理的な理由はほぼないといえます。
会社の規程に返還について明記されていない場合でも、「返さなくてよい」とは限りません。将来の通勤費として先に受け取ったお金であれば、会社から返還を求められる可能性があります。返還の要・不要を自己判断せず、まずは人事・総務に確認するのが安全です。
3ヶ月で通勤定期券を払い戻した場合、どのくらい返ってくる?
例に挙げたJR東日本「八王子~新宿」の通勤定期券代ですが、1ヶ月1万8720円、3ヶ月5万3350円、6ヶ月9万2330円となっています。6ヶ月定期券をちょうど3ヶ月使用した時点で払い戻す場合、計算は次の通りです。
9万2330円-5万3350円-払戻手数料220円(※)=3万8760円
※JR東日本の払戻手数料
注意したいのは、9万2330円を6で割って残り3ヶ月分を計算するわけではない点です。JR東日本の規則では、使用経過月数が3ヶ月であれば3ヶ月の定期券代を差し引きます。なお、6ヶ月定期券は長期割引があるため、単純な月割り計算とは結果が異なります。
またJR東日本の場合、1ヶ月未満の経過日数は1ヶ月として扱われ、払い戻しを申し出た当日も経過日数に含まれます。
例えば、3ヶ月を1日でも超えて4ヶ月目に入ると、3ヶ月定期券代5万3350円に1ヶ月定期券代1万8720円を加えて差し引くため、払戻額は2万40円まで減ります。退職日だけでなく、実際に払い戻す日も重要です。
返金前に会社へ確認しておきたいこと
定期券を払い戻す前に、まず会社の人事・総務へ、未使用期間分の通勤費を返金する必要があるか確認しましょう。
会社によっては、鉄道会社から実際に払い戻された金額を返す場合もあれば、社内規程に基づいて未使用期間分を計算する場合もあります。そのため、自分の判断で先に払い戻すと、会社が求める返金額と異なる可能性があります。
返金が必要な場合は、金額の計算方法と手続きも確認します。本人が駅で定期券を払い戻し、その払戻金を会社へ返すのか、定期券を会社へ提出して会社側が手続きを行うのかは、勤務先によって異なります。払戻手数料を誰が負担するのかも確認しておくと安心です。
本人が払い戻しを行う場合は、払戻額が分かる明細や領収書を保管しておきましょう。返金額や振込先、返金期限について、メールなど記録に残る形で確認しておけば、退職後の行き違いを防ぎやすくなります。
原則は会社の規程に沿って精算する
6ヶ月定期代を実費として前払いされ、3ヶ月を残して退職する場合、会社の規程に返還の定めがあれば、払戻金を返すのが原則です。八王子~新宿の例では、ちょうど3ヶ月使用後の払戻額は3万8760円です。
ただし、手続き日により払戻金額が変わる可能性もあります。いつまでに手続きを行う必要があるかを事前に人事・総務へ確認しておきましょう。
出典
東日本旅客鉄道株式会社 特定区間定期旅客運賃(通勤・通学)
東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則 第2編 旅客営業-第7章 乗車変更等の取扱い-第3節 旅客の特殊取扱-第4款 任意による旅行の取りやめ
執筆者 : 小川ひろ
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
