ネット銀行の「1ヶ月もの・年利5%」の“外貨定期預金”を発見! 60代の母は「500万円預けたい」と言いますが、満期後に“円に戻す手数料・為替の損”でマイナスに!?「税金・為替手数料・損益分岐点」の注意点

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ネット銀行の「1ヶ月もの・年利5%」の“外貨定期預金”を発見! 60代の母は「500万円預けたい」と言いますが、満期後に“円に戻す手数料・為替の損”でマイナスに!?「税金・為替手数料・損益分岐点」の注意点
「年利5%」という数字に、思わず心が動いた経験はありませんか。ネット銀行の広告で「1ヶ月もの・年利5%」の外貨定期預金を見つけ、退職後の母親が500万円を預けたいと相談してきたら、どう回答しますか?
 
実際のところは、年利5%の表示ほど手取りは増えず、満期後に円へ戻す為替手数料と為替差損で、かえって元本割れになる場合があります。
 
本記事は、外貨定期預金が円定期より本当に有利なのか、年利表記の落とし穴、そして為替手数料と損益分岐点の3点を、具体的な数字を交えながら解説します。
高柳政道

FP1級、CFP、DCプランナー2級

外貨定期預金は円定期よりももうかるの?

外貨定期預金が円定期より必ずもうかるとは言い切れず、条件しだいでは損失も生じます。ただ、表面上の金利差は、確かに大きく開いています。
 
2026年夏には、ネット銀行の円定期預金で、キャンペーン金利が年1%台となる例があります。通常金利はそれより低く、1ヶ月ものでは年0.4%前後の商品があります。
 
一方、米ドルの外貨定期預金は、米国の高い金利水準を映して年3~4%台が中心で、円からの預入などの条件付きながら預入期間1ヶ月の金利が年5%以上という表示も見かけます。
 
ただし、外貨には為替差損のリスクや為替手数料、そして原則として満期まで引き出せない流動性の低さといった弱点も潜んでいます。また、外貨預金は、預金保険制度の対象外です。為替相場や為替手数料の影響により、円に戻したときの受取額が預入時の円貨額を下回る可能性もあります。
 

年利表記と預入期間の勘違い

まず押さえておきたいのは、「年利5%」とは1年間預けた場合の利率であり、1ヶ月ものでは受け取れる利息が大きく目減りする点です。年利は1年間預けた場合の利息から計算される数値ですから、1年より短い期間では利息もそのぶん少なくなります。
 
年5%は、1ヶ月で5%増えるわけではありません。例えば、30日間預ける場合、単純計算では約0.41%に相当し、500万円なら税引前の利息は約2万500円です。
 
「5%も増える」という思い込みと現実には大きな開きがあるため、預入期間で利息を割り戻して計算することを覚えておきましょう。
 

為替手数料と為替の損益分岐点

外貨定期預金で注意したいのは、満期後に円へ戻す際の為替手数料と、為替相場の変動による為替差損です。ただし、為替相場が動かなければ必ず損をするわけではありません。受け取る利息が為替手数料を上回れば、円換算でプラスになる場合があります。
 
例えば、米ドルの為替手数料を片道12銭、1ドル150円、年利5%、預入期間30日と仮定しましょう。500万円を預けた場合、為替相場が150円のままなら、税引後の利息から往復の為替手数料を差し引いても、概算で8000円程度のプラスになります。
 
この条件では、損益分岐点となる為替レートは、1ドル149円75銭程度です。つまり、預入時の150円から25銭程度の円高であれば、利息によって為替手数料と為替差損を吸収できる計算になります。
 
一方、これを超えて円高が進めば、利息だけでは損失を補えなくなります。外貨預金の損益分岐点は金利だけでなく、預入期間や税金、為替手数料によっても変わるため、「年利5%」という表示だけで判断せず、円へ戻したときの受取額まで確認することが大切です。
 

まとめ

外貨定期預金の「1ヶ月もの・年利5%」は、1ヶ月で5%増える商品ではありません。30日預ける場合の利息は年利を日割りして計算され、500万円預けても税引前で約2万円にとどまります。
 
また、為替相場が横ばいなら、利息が為替手数料を上回ってプラスになる場合もあります。ただし、円高が進めば利息では補えず、円換算で元本割れする可能性があります。金利だけでなく、税金や為替手数料、損益分岐点まで確認して判断することが大切です。
 
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

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