実家の母は、ご飯を炊くとすぐ保温を切り、食べるたびに温め直しています。「保温し続けるより節約になる」と言いますが、毎日の電気代は本当に安くなるのでしょうか?
資源エネルギー庁も、長時間保温するより電子レンジで温め直すほうが省エネになるとして、保温は4時間程度までを一つの目安としています。
ただし、保温にかかる電気代の目安は12時間でも約6円で、保温をやめても電子レンジで温め直す電気代はかかるため、大幅な節約になるとは限りません。さらに、保温を切ったご飯を炊飯器の中へ常温で長時間置いておくのは、食品衛生上おすすめできません。
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炊飯器の保温は1時間でおよそ0.5円前後かかる
炊飯器は、保温中もご飯の温度を保つために電気を使います。
パナソニックによると、一般的な5合炊き炊飯器の1時間あたりの保温時消費電力量は13~20Wh程度です。電力料金の目安単価を31円/kWhとすると、1時間保温した場合の電気代は約0.5円となります。
たとえば朝7時に炊いて夜7時まで12時間保温すると、単純な目安では約6円です。毎日続けると、1か月で180円程度になります。
ただし、実際の消費電力量は炊飯器の機種などによって異なります。そのため、ここで示した金額はあくまで一般的な目安として考えましょう。つまり、「保温は電気代が高くて1日100円もかかる」というほどではありません。
一方、毎日10時間以上保温し続ける家庭なら、少額でも電気代は積み重なります。節約を続けたい人にとって、長時間保温を見直す意味はあるでしょう。
食べるまで4時間以上空くなら温め直すほうが省エネになりやすい
では、保温を切って電子レンジで温める方法は本当に安いのでしょうか。
資源エネルギー庁の省エネポータルサイトでは、炊飯器の保温について「4時間まで」を一つの目安とし、長く保温するより、電子レンジで温め直すほうが省エネになると案内しています。
同サイトでは、3合炊いたご飯を半分ずつ食べるケースも比較しています。最初に1.5合を食べ、残りの1.5合を4時間後に食べる場合、4時間保温したときの消費エネルギーは224Wh、電子レンジで温め直したときは193Whです。
電子レンジで温め直すほうが31Wh少なく、電気代にすると約1円の差です。つまり、4時間程度の保温をやめても、電気代が大きく下がるわけではありません。
一方、朝7時に炊き、次に食べるのが夜7時なら12時間空きます。このような場合は、ずっと保温するより、早めに保存して食べるときだけ電子レンジで加熱するほうが電力を抑えやすくなります。
ただし、家族が時間をずらして何度も食べ、毎回大量のご飯を電子レンジで温める場合は、その分の電気も使います。そのため、「保温を切れば必ず何円安い」とは一律に言えません。炊飯器と電子レンジの機種、保温時間、温めるご飯の量によって変わります。
先ほどの試算では、12時間の保温にかかる電気代は1日約6円、1か月では約180円です。保温をやめても電子レンジで温め直す電気代はかかるため、実際に節約できる金額はこれより小さくなります。節約にはなっても、それだけで電気代が大幅に下がるわけではないと考えておきましょう。
保温を切ったご飯を炊飯器に放置するのは避ける
電気代以上に注意したいのが、ご飯の保存方法です。「炊けたら保温を切り、朝から夜まで炊飯器に入れたままにして、食べるときだけ温める」という使い方はおすすめできません。
消費者庁は、家庭での食中毒予防について、作った料理を長時間室温に放置しないよう呼びかけています。また、セレウス菌による食中毒の原因食品として、米飯類を挙げています。セレウス菌は、通常の加熱調理によっても生き残ることが説明されています。
したがって、お母さんの方法を節約に生かすなら、「保温を切る」だけで終わらせないことが重要です。
すぐ食べない分は容器やラップなどに分け、適切に冷蔵・冷凍して保存しましょう。食べるときに必要な分だけ電子レンジで十分に温めます。この方法なら長時間保温の電気を使わず、ご飯を常温で長時間置いておくことも避けられます。
まとめ
お母さんの「長時間保温せず、食べるときだけ温め直すほうが節約になる」という考え方には一定の根拠があります。
一般的な5合炊き炊飯器では保温1時間あたり約0.5円程度が目安で、12時間なら約6円です。資源エネルギー庁も、長時間保温するより電子レンジで温め直すほうが省エネになり、4時間程度を一つの目安としています。
ただし、同庁の比較例でも、4時間保温した場合と電子レンジで温め直した場合の消費エネルギーの差はわずかです。保温をやめれば大幅に電気代が下がるわけではなく、食事までの時間が長い場合に、少しずつ節約につながると考えるのがよいでしょう。
さらに重要なのは保存方法です。保温を切ったご飯を炊飯器の中で何時間も常温放置するのは避けてください。
すぐ食べない分を小分けして冷蔵・冷凍し、必要なときだけ電子レンジで温める方法なら、電気代を抑えながら安全性にも配慮できます。
出典
Panasonic UP LIFE 炊飯器の保温温度はどのくらい?温度が設定されている理由を解説
資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 無理のない省エネ節約
消費者庁 細菌・ウイルスによる食中毒
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
