職場まで車で片道1時間。ガソリンが値上がりし、同僚から「その距離なら電車通勤のほうが安いのでは?」と言われました。交通費まで考えると、本当に車通勤は損なのでしょうか?
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
「片道1時間」だけでは費用を比較できない
同じ1時間でも、一般道を30キロメートル走る人と、渋滞の多い市街地を15キロメートル走る人では燃料使用量が違います。
まず、片道距離、月の出勤日数、車の実燃費、ガソリン単価を確認しましょう。ガソリン代は「往復距離×出勤日数÷実燃費×1リットル当たり価格」で概算できます。
仮に片道30キロメートル、月20日、実燃費15キロメートル毎リットル、ガソリン180円毎リットルなら、月間走行距離は1200キロメートル、ガソリン代は月1万4400円です。これはあくまで条件を置いた試算であり、価格や燃費が変われば結果も変わります。
車はガソリン代以外の支出も確認する
車通勤では、勤務先や最寄り駅の駐車場代、高速道路料金のほか、走行距離が増えることでタイヤやエンジンオイルの交換時期が早まることがあります。すでに所有している車でも、通勤に伴って増える費用は無視できません。自動車税や自宅駐車場代、車検代なども発生します。
比較するのは総額ではなく会社負担を引いた自己負担額
会社から通勤手当が出る場合は、支給基準を就業規則や賃金規程で確認します。マイカー通勤は距離別の定額、公共交通機関は定期券相当額という会社もあり、実費と支給額が一致するとは限りません。
国税庁が示すマイカー通勤手当の非課税限度額は、片道の通勤距離に応じて設定されています。例えば片道25キロメートル以上35キロメートル未満の場合は、原則として月1万9700円です。
ただし、これは会社が必ずその金額を支払うという意味ではなく、通勤手当に所得税がかからない限度額です。実際の支給額は勤務先の規程によります。
先ほどの例で会社から月1万2000円が支給されるなら、ガソリン代だけの自己負担は月2400円です。さらに会社近くの駐車場代が月8000円かかれば、合計の自己負担は月1万400円になります。電車についても、定期券代から会社の支給額を引き、駅までのバス代や駐輪場代を足して比べます。
時間や利便性も家計上のコストになる
電車通勤に変えると、保育園への送迎が難しくなる、残業後に終電を気にする必要がある、といった影響も考えられます。反対に、運転中はほかのことができませんが、電車なら読書や休息に使える場合があります。事故のリスクや渋滞による到着時間の変動も無視できません。
費用差が月数千円程度なら、金額だけで決めず、通勤時間、疲労、送迎などを含めて選ぶほうが現実的です。週に数日だけ電車にする、駅まで車で行うパーク・アンド・ライドを利用するなど、中間の方法も検討できます。
まとめ
選択する際には、ガソリン代、通勤によって増える維持費、駐車場・有料道路代から会社の通勤手当を引いた上で、電車通勤の自己負担額と比べましょう。車を持ち続ける限り発生する固定費は分けて考えるのがポイントです。費用差と利便性の両方を確認し、自分の生活に合う通勤方法を選びましょう。
出典
経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果
国税庁 No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
