専業主婦の家事や育児を年収に換算すると「630万~1300万円」になるって本当?かなり大きな金額ですが、どのように計算しているのでしょうか?

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専業主婦の家事や育児を年収に換算すると「630万~1300万円」になるって本当?かなり大きな金額ですが、どのように計算しているのでしょうか?
専業主婦が担う料理や掃除、洗濯、育児などについて、SNSやインターネット上では「年収に換算すると630万~1300万円になる」といった話題を目にすることがあります。かなり大きな金額のため、「どのような基準で計算しているのか」「本当にそれほどの金額になるのか」と疑問に感じる人もいるでしょう。
 
家事や育児は日常的に行うものですが、その負担を金額で考える機会は多くありません。計算方法を知ることで、家事や育児の価値を別の視点から捉えるきっかけにもなります。本記事では、専業主婦の家事や育児を年収に換算する際の考え方や計算方法、金額に大きな幅が生まれる理由について解説します。
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専業主婦の家事・育児が「年収630万~1300万円」といわれるのはなぜ?

家事や育児は無給で行われていますが、料理や掃除、洗濯、買い物、子どもの世話などは、第三者に有料で依頼することもできます。こうした活動に使った時間を賃金に置き換えることで、家事や育児の経済的な価値を金額で表すことが可能です。
 
内閣府でも、家事や介護・看護、育児、買い物などを「無償労働」として捉え、貨幣価値を推計しています。基本的には、「無償労働に費やした時間×時間当たりの賃金」という考え方で算出します。
 
ただし、「専業主婦の年収は一律630万円」「1300万円が公的に認められた年収」という意味ではありません。家事として数える範囲や、計算に使用する賃金の基準によって算出される金額は大きく変わります。
 

家事・育児の価値を金額に換算する方法

内閣府が示す家事・育児などの評価方法には、複数の考え方があります。「機会費用法」は、家事をしている時間に外で働いていた場合に得られたと考えられる賃金をもとに評価する方法です。一方、「代替費用法」では、料理や掃除、育児などを専門職へ頼んだ場合の賃金を参考にします。
 
例えば、家事を5時間行ったとして、本人が外で働いた場合の賃金を時給1500円と仮定すれば7500円、専門職に依頼した場合の賃金を時給2500円と仮定すれば1万2500円です。このように、同じ家事時間でも、どの賃金を基準にするかによって評価額は大きく異なります。なお、1500円と2500円は、計算の違いを分かりやすく示すための例です。
 
また、家事や育児に費やす時間も家庭によって違います。総務省の「社会生活基本調査」では、家事関連時間を「家事」「介護・看護」「育児」「買い物」の合計とした時間を「家事関連時間」としています。2021年調査によると、6歳未満の子どもがいる世帯では、妻の家事関連時間は1日7時間28分でした。
 
このように、家事・育児の評価額は計算に用いる賃金だけでなく、子どもの年齢や人数、介護の有無などによっても変わります。そのため、「専業主婦の家事・育児は年収〇万円」と一律に捉えるのではなく、各家庭の状況によって金額は異なると考えるのが適切です。
 

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630万~1300万円という金額を見るときの注意点

では、なぜ630万~1300万円もの差が生じるのでしょうか。具体的な数字を当てはめると、その違いが分かりやすくなります。
 
例えば、家事・育児を1日7時間30分行い、時給2300円で評価すると、「7.5時間×2300円×365日=約630万円」となります。一方、子どもの見守りや世話なども含めて1日12時間を家事・育児の時間とし、時給3000円で評価した場合は、「12時間×3000円×365日=約1314万円」です。
 
このように、家事・育児に費やす時間や設定する時給によって、算出される金額には大きな差が生まれます。なお、ここで示した時間や時給は、計算の仕組みを分かりやすくするための例であり、公的機関が「専業主婦の年収は630万円または1300万円」と認定しているわけではありません。
 
また、夜間の子どもの世話まで含めて24時間すべてを労働時間にしたり、料理・保育・清掃などの料金をそれぞれ単純に合算したりすれば、評価額はさらに高くなる可能性があります。
 
ただし、複数の家事を同時に行っている時間まで重複して計算すると、実際の負担以上に高く見積もることにもなりかねません。そのため、こうした金額を見る際は、どのような時間や賃金を基準に算出しているのかを確認することが大切です。
 

家事・育児の年収換算は目安として考え、家庭内の負担を見直そう

専業主婦の家事や育児を「年収630万~1300万円」と表すことは、計算条件によっては可能です。ただし、実際に受け取れる給与ではなく、家事や育児にかかる時間を賃金に置き換えた目安にすぎません。
 
金額は、家事時間や設定する時給によって大きく変わります。そのため、数字だけに注目するのではなく、家庭内でどの程度の家事・育児負担があるのかを考える材料として活用することが大切です。家事の価値を可視化し、負担が偏っていないか家族で話し合ってみましょう。
 

出典

内閣府 無償労働の貨幣評価の公表について
総務省統計局 令和3年社会生活基本調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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