更新日: 2019.08.17 貯金

老後のための貯金はどうつくればいい? そんな人はまず収入の3割を意識しよう

執筆者 : 手塚英雄

老後のための貯金はどうつくればいい? そんな人はまず収入の3割を意識しよう
老後の生活において2000万円が不足するといわれても、そんな大金をすぐに用意できる人はそういないでしょう。地道にコツコツと貯めるしか方法はありませんが、それがなかなか難しいものです。
 
今年こそと思いつつ、すでに何年が過ぎたでしょうか。そのうちに宝くじが当たったらと一獲千金を夢見ても、行動は伴いません。
 
手塚英雄

執筆者:手塚英雄(てづか ひでお)

有限会社テヅカプラニング 代表
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士 証券外務員

CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士
お金に振り回されない生活設計を目指している
可処分所得の最大化に拘れば人生に満足がない
人生を明るく豊かに過ごすためにお金を用いたい
他のFPとは一味異なる論点を持つ
http://www.fp-tezuka.com/

不安の克服

貯蓄ができない人は多くの場合、振り込まれた給与から自動的に積み立てる仕組みを設定するのを、面倒くさいと感じています。どんなに大事で必要なことと分かっていても、今日やらないと明日から困ることでなければ、今日やらなくてもよいと思ってしまうものです。
 
具体的な方法が分からない、設定に時間がとられる、何より、これまで自由に使えたお金に制限がかかり、不自由さを感じるかもしれない。さらに、突発的に発生する事態に対して対応できなくなる……。
 
面倒くさく感じるネガティブな理由を挙げれば、きりがありません。まだまだもっともらしい理由があるでしょう。これまでこのスタイルでなんとかやってきたので、これからもやっていけるだろうと思ってしまいます。
 
もし仕事の報酬が毎日支払われるなら、1日単位でお金のやりくりを考えればよいでしょう。明日支給される報酬まで、今あるお金で持ちこたえられればよいのです。
 
報酬が1ヶ月単位で支払われるなら、1ヶ月単位でお金のやりくりを考えるでしょう。バイト代や給与は毎月支払われることが多く、ほとんどの方はこのパターンです。1ヶ月単位なら、食費や水道光熱費、通信費、交通費、居住費あたりを考慮すれば、なんとか過ごすことができるでしょう。
 
しかし、自動車を保有するとなると、当然頭金が必要になります。また、2年ごとに車検が発生し、タイヤは何年か経過したら交換しなければなりません。毎月のやりくりの中だけでは対応できないでしょう。
 
さらに結婚、子育て、マイホーム、老後と人生を長期的にとらえれば、まとまったお金を必要とすることは数多くあります。これらに対応するには、日々の貯蓄は欠かせません。
 
まとまったお金が必要であれば、ローンを利用すればよいという考え方もあるでしょうが、ローンには高い利息を付けて元本を返済しなければなりません。毎月お金が出ていくなら、利息が付かない貯蓄の方が有利になります。
 

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貯蓄は収入の3割

貯蓄の目安は収入の3割といわれています。給与が振り込みになっている方は、社会保険料や税金、その他がすでに天引きされていますが、天引きされる前の支給額の3割を貯蓄します。
 
「今は給与が少ないから、もう少し増えたら貯蓄を始める」というのでは、おそらくいつまでたっても貯蓄はできないでしょう。また、欲しいものや必要なものを購入し、残ったら貯蓄に回すという考えでも、お金は貯まらないでしょう。
 
貯蓄をしようと思ったら、すべての言い訳を排除し、最優先で貯蓄を行い、残ったお金で生活するようにしなければなりません。
 
もし急な出費があれば、すでに積み立てた貯蓄から引き出します。積み立てた貯蓄を取り崩してはいけないわけではありません。お金は必要な時には使うものであり、その時に使えるよう準備しておくのです。
 
やがて収入の7割でやりくりができるようになり、ある程度のまとまったお金が貯まったら、投資を始めます。貯蓄は銀行のリレー積み立てを利用しますが、預入利息はわずかで、元本が増えることはほとんどありません。
 
証券会社で積立投信を始めれば、毎月一定額の投資で、変動する投資信託を購入することになります。市場の相場が高ければ、わずかな口数購入となり、相場が低ければ多くの口数購入となります。すでに投資した分は相場の変動に左右されますが、新たに購入する分は価格の平均化がなされます。
 
これは平均購入単価を下げるばかりでなく、精神的にバランスをとることができますので、右往左往することがなくなります。投資を継続するには、精神的なバランスは欠かせません。
 
さらに、iDeCoといわれる個人型確定拠出年金を利用すれば、掛け金が所得控除になり、節税効果が得られます。ただし、積み立てたお金は60歳まで引き出すことができません。
 
お金が貯まってくると、つい余計なものを購入したくなりがちです。貯まったお金を見えなくすると、その欲求は湧き上がってこないかもしれません。
 
執筆者:手塚英雄
有限会社テヅカプラニング 代表
CFP(R)認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士 証券外務員