更新日: 2024.10.10 働き方
「週末農業」で副収入?人手不足の農家でお手伝い。受粉など初心者でもできる作業も
しかし副業の中でも、比較的認められやすいのは、「週末に農業をしたい」と申し出ることではないでしょうか?「副業するぞー」なんて構えなくても、都市農園の一部をレンタルしたりして、週末農業にいそしんでいる人、あるいはこれからやってみたい人も多いのではないでしょうか?
ただし、どこの農園もけっこう抽選待ちになっていたり、お金がかかったりします。自分たちの家で食べる農作物が採れたりすればうれしいですが、せっかくなら、「農業にいそしんで、ちょっとしたお金が入ってくる」ことがあれば、なおいいかもしれません。そんなことを可能にしたマッチングサービスができたようです。
執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。
農作業体験をしたくても市民農園の空きはなかなかない
2019年7月、農業人材のシェアリングを実践する株式会社シェアグリが、農業に特化したデイワークアプリ「シェアグリ」をリリースしました。デイワークアプリ、つまり“1日でも半日でも農作業でアルバイトしてみたい人”と“「超短期」でいいから人手が欲しい農家”をマッチングするサービスです。
同社でお話を聞きましたが、創業者の井出飛遊人社長は長野の種苗会社の2代目として生まれ、ずっと『農』を近くで見て育ってきたそうです。しかし、最近は農業人材が不足で困っている農家が多く、これを何とかできないものかとこのマッチングサービスを考えたそうです。
農家では忙しい時期が集中します。そんな時、半日でも手伝ってもらえれば助かるのに、ということがよくあるそうです。
その一方、農業をやってみたいという人は増えてきており、シェアグリによると東京都の調査では「農作業体験をしたいと考える人」は全体の56%にのぼり、特に20代68%、30代63%と若い世代での興味度が高いと言うことです。
そこで前述のように市民農園を利用したいと考えても供給不足で、東京都特別区の市民農園の競争率は2.6倍とのことです。
そこでこのシェアグリです。農家は求人情報を登録します。それを見た「少しだけでも農家を手伝ってお小遣いぐらい稼ぎたい」という人からの連絡を受け、双方の意見が合致したらマッチング成立です。
ボランティアではなく、農作業に携われて、しかも一定の報酬が得られるのですから、農作業体験をしたい都市部の人にいいのではないでしょうか。
きつくない作業や超短期の農作業もあり
「農作業体験はしてみたいけれど経験もないし、きつい作業じゃない?」と思う人もいるでしょう。
聞いてみると、さまざまな農作業の中には、ほんとうに初心者ができる簡単なものがあり、そういうものを手伝ってくれるだけで農家はとても助かるとのことです。例えば蜂の代わりに授粉するなどの作業があるそうです。
シェアグリ井出社長は、「農業をやりたくてイチから自分の手で農地を管理していくより、まずは超短期農業体験を通して『農』に触れてみることからはじめたらどうでしょう」と語ります。
現在シェアグリを導入する農家は千葉県、長野県、沖縄県など全国に8県、約30件の農家の求人が存在し、今年中に全都道府県に拡大する予定とのこと。ちょっと週末農作業体験をして、少しのお小遣いを得てみたい人は試して見てもいいかもしれません。
■農業人材のシェアリングにより農家の人手不足を解決 日本初!農業に特化したデイワークアプリ『シェアグリ』をリリース
執筆者:藤木俊明
副業評論家