更新日: 2024.10.10 貯金

年収1000万円以上の人は、収入のうち何割を貯蓄に回しているのか?

年収1000万円以上の人は、収入のうち何割を貯蓄に回しているのか?
年収が多いほど、毎月しっかりと貯蓄ができているイメージがありますが、実際のところ、年収が1000万円以上あるような方々は、収入のうち、どのくらいを貯蓄に回しているのでしょうか。
 
今回は、年収1000万円以上の人の貯蓄目標はどのくらいなのかなど、高収入の方の貯蓄事情についてご紹介します。
 
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

年間給与1000万円以上の人の割合

まずは、年間給与1000万円以上の方はどのくらいいるのかを確認していきましょう。
 
<年間給与>(平成30年分)
1000万円超1500万円以下 : 3.6%
1500万円超2000万円以下 : 0.8%
2000万円超2500万円以下 : 0.3%
2500万円超 : 0.3%
 
国税庁の調査(※1)では、平成30年において、1年を通じて勤務した給与所得者のうち、年間給与1000万円以上の人は、全体で5%となっています。なお、給与所得者の1人当たりの平均給与は、441万円(男性545万円、女性293万円)となっています。
 
この調査結果から、高収入の1つの基準である「年間給与1000万円」の人は、実際のところ、日本において圧倒的に少数派だということが分かりますね。
 
ちなみに、女性よりも男性の方が、全世代において収入が高くなっており、男性の場合、勤続年数34年までは、勤続年数が増えるにつれて、収入も増える傾向が見られました。

年収1000万円以上の人の貯蓄率は?

次に、給与所得者に限らず、年収が1000万円以上ある人は、収入のうち、どのくらい貯蓄に回しているのかをチェックしていきます。金融広報中央委員会が行った調査(※2)によると、年間収入1000万円~1200万円の人の場合、以下の通りとなっています。
 
<年間手取り収入(臨時収入を含む)からの貯蓄割合(金融資産保有世帯)>(令和元年)
5%未満の貯蓄率 :5.3%
5%~10%の貯蓄率 :20.6%
10%~15%の貯蓄率:27.5%
15%~20%の貯蓄率:5.3%
20%~25%の貯蓄率:6.9%
25%~30%の貯蓄率:1.5%
30%~35%の貯蓄率:8.4%
35%以上の貯蓄率 :3.1%
貯蓄しなかった :16%
 
この調査結果では、手取り収入のうち、10%~15%を貯蓄している人が最も多いことが分かりました。例えば、年間の手取り収入が1000万円の人は、1年間で、100万円~150万円を貯蓄していることになります。
 
一方、驚くことに、年収が1000万円以上あるにもかかわらず、「全く貯蓄しなかった」という人が16%もいます。年収が多いからといっても、必ずしも全ての人が、しっかりと貯蓄ができているわけではない状況が伺えます。

みんなの貯蓄目標は?

最後に、年収が1000万円以上ある人の貯蓄目標を見ていきましょう。金融広報中央委員会が行った調査(※2)によると、年間収入1000万円~1200万円の人の場合、以下の通りとなっています。
 
<金融資産目標残高>(令和元年)
300万円~500万円 : 2.7%
500万円~700万円 : 4.1%
700万円~1000万円 : 0%
1000万円~1500万円: 13%
1500万円~2000万円: 0.7%
2000万円~3000万円:17.8%
3000万円~5000万円:25.3%
5000万円~7000万円: 7.5%
7000万円以上 : 13%
 
こちらの調査結果では、貯蓄3000万円~5000万円を目指している方が、最も多いということが分かりました。例えば、年収が1000万円あり、収入の20%である200万円を1年間に貯蓄することができれば、15年で貯蓄3000万円という目標を達成できることになりますね。
 
いかがだったでしょうか。高収入の方の貯蓄状況を見てみると、自分自身の貯蓄額についても、より関心が高まりますね。年収の金額にかかわらず、貯蓄目標を立て、先取り貯蓄を行うなどして、計画的にお金を貯めていくことが大切です。まずは、「年間100万円貯める」など、具体的な目標を立ててみてはいかがでしょうか。
 
[出典]
(※1)国税庁「平成30年分 民間給与実態統計調査」
(※2)金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者


 

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