更新日: 2024.10.10 家計の見直し
家計の見直し 車の維持費はどれくらい?
今日はそんな「見えにくい固定費」の一つである自動車関連費用について考えてみます。
Text:塚越菜々子(つかごし ななこ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催
お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
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車の維持費はどれくらいかかる?
ソニー損保が行った『2016年全国カーライフ実態調査』によると、1ヵ月あたりの車の維持費は平均「13,600円」となっています。維持費の内訳は、保険料・ガソリン代、駐車場代、修理代等です。近年の車の性能の良さから、燃費が向上しガソリン代が下がったため、車の維持費は減少傾向にあるようです。
また子育て世帯から多く支持されているミニバンの維持費は平均すると「14,800円」という調査結果です。どうでしょうか?意外に高く感じましたか?それとも、思ったよりは安かったでしょうか?
気を付けてほしいのは、この金額には「税金や車のローン」などは含まれていないということです。例えば、ミニバンで排気量2リットルの場合の自動車税は39,500円です。ひと月にすると3,300円程度。先ほどの調査結果の14,800円に加えると、18,100円。2万円に近づいてきますね。
さらに、これに自動車の本体代金のことを考慮してみましょう。本体代金が250万円だとして、自動車(新車)の平均乗り換え年数は9年です(※)ひと月にならすと23,150円ほど。先ほどの維持費に加えてみると41,250円となります。
仮に、世帯の手取りが30万円だとしたら14%弱が車の費用に充てられる計算となり、いよいよ高く感じますね。
*内閣府:消費動向調査(平成29年3月調査) 主要耐久消費財の買替え状況<二人以上世帯>より
車は「生活必需品」「便利な道具」「娯楽」どれでしょうか?
色々な地域の方の家計の相談に乗っていると、車が家計においてどのような役割を果たしているか全く違っています。
地方では「生活必需品」一家に一台は当たり前。一人一台ないと生活に困ってしまう地域もあります。最低賃金が低めに設定されている地域でも、自動車の販売価格はそれと比例して安く買えるわけではないので、収入に対し車関係の費用が家計を圧迫しているというケースもよく見られます。
ただし、こういった地域の場合はどこに行くのも車で移動が当たり前のため、駐車場代がかからないことが多いようですね。
都市部では、公共交通機関などはそれなりにあるけれど、子育て中や天候の悪いときなどに車があると「便利な道具」として使えるという地域もあります。日常の用途とレジャーと半々ぐらいに使われているようなパターンです。一度持ってしまうとなかなか手放しにくいのはこのパターンですね。
さらにもっと都市中心部では、公共交通機関での移動が基本で駐車場代も高く、駐車スペース自体が少ないようなエリアでは、車は「娯楽」として所有されていることが多いです。
あなたのお家では車はどのような位置づけですか?
自動車本体代まで含めると、自動車関連費は「見えにくい固定費」として家計の負担になる場合もあります。日々の生活費配分や貯金がうまくいっていない場合は、毎月かかる費用のほかに、自動車税や本体の買い替え費用など、見えにくい費用も算出してみましょう。生活必需品の場合は金額を下げることができないかを検討。
便利な道具や娯楽として所有している場合は思い切って手放すことができないか検討してみてもいいのかもしれません。金額が大きくて、あるとないとで暮らしが大きく変わる自動車。
上手な付き合い方ができているか家計の内容と合わせて見つめなおしてみてはいかがでしょうか?
Text:塚越菜々子(つかごし ななこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
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