夫婦のお小遣いはいくらが妥当? 目安は手取り額の10%
配信日: 2020.08.17 更新日: 2024.10.10
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
夫婦のお小遣いの平均はどれくらい?
新生銀行が2020年に行った調査によると、男性会社員のお小遣い額の平均額は「月額3万9419円」、女性会社員の平均は「月額3万3854円」でした(※1)。
男性では、子どもの年齢が小学生~高校生だとお小遣い額が少なくなり、女性では年齢を重ねるごとに少なくなる傾向が見られました。
また、そもそも「お小遣い制ではない」という人もいます。同調査では、夫婦共働きの場合、約7割はお小遣い制ですが、残りの約3割は夫婦別々で管理しているという回答でした。特に、子どもがいない夫婦では別々に管理している割合が高くなります(※2)。
お小遣いはいくらにすべき? おすすめの管理方法は?
夫婦のお小遣い額の目安として、よく言われるのは「手取額の10%」です。
「毎月3万円」など一律に決めているご家庭も多いと思いますが、そうではなく「手取りの〇%」と決めておくのもおすすめです。
昇給や残業など仕事をがんばればがんばるほど、自由に使えるお金が増えることになるので、「給料が増えたのに自分に何もメリットがない」という不満がなくなり、仕事に精を出しやすくなります。
■夫婦でじっくり話し合ってみよう
平均や目安はあるものの、最適なお小遣い額や管理方法はその家庭ごとに違います。あくまで参考程度にとどめ、夫婦で話し合って決めるのがいちばんです。
どちらかが不満をためてしまう前に、今の家計の状況、将来必要なお金、その資金を準備するためにすべきことなど、夫婦でじっくりと話し合う時間を持ちましょう。
特に、将来どんなタイミングでどんな出費がいくらくらい想定されるのか、それに向けて毎月いくらずつ貯金していく必要があるのかという点は重要です。15年後の子どもの進学費用、10年以内に購入するマイホームの頭金など、なるべく時期・金額・目的を具体的にイメージしておきましょう。
この認識を夫婦で共有しておくと、「なぜお小遣いがこの金額なのか」ということをお互い納得しやすくなりますし、共通の目標に向けて一緒に貯金や節約をがんばろうという意欲も湧きやすくなります。
必要な貯金額さえわかっていれば、お小遣い制で夫婦どちらかのストレスがたまってしまうような家庭でも、「貯金分だけ共通口座に入れることにして、あとは別財布にする」という管理方法に変更できます。
夫婦で話し合うのは一度きりではなく、できれば月1回など定期的に振り返って軌道修正する「お金の家族会議」のような機会を持つのが理想的です。
お互いが納得できるルールを決めよう
ここまでご紹介したように、一応の目安はあるものの、適切なお小遣いの金額や管理方法はその家庭によって違います。お金に関することは、夫婦仲にも影響するデリケートなものなので慎重に決めたいところです。
子ども、マイホーム、老後など夫婦のライフイベントには、常にお金の問題がついてまわります。いざそのときになってから困らないように、日頃から家計管理について2人でよく話しておきましょう。
(※1)新生銀行グループ「「2020年サラリーマンのお小遣い調査」結果について」P.8
(※2)新生銀行グループ「「2020年サラリーマンのお小遣い調査」結果について」P.43
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表