家計の「ムダ」どうやって見つける?お金のプロが解説するムダの見つけ方

配信日: 2020.09.16 更新日: 2024.10.10

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家計の「ムダ」どうやって見つける?お金のプロが解説するムダの見つけ方
新型コロナウイルス感染症の影響で、収入や資産が減っている人もいるのではないでしょうか。収入や資産が減れば家計が厳しくなるので、支出も減らして何とか乗り切っていきたいところです。
 
しかし、支出は簡単には減りません。どのようにしてムダを見つけ、節約していくにはどうしたら良いか、ファイナンシャルプランナーが考えてみました。
松浦建二

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

最大の作業は何にいくら使っているか把握すること

家計のムダをどのようにして見つけるか、そもそもムダがあるのかないのかを知るには、現状を確認するのが一番です。何にいくら使っているのか把握できていなければ、ムダは見つかりません。
 
そこで、家計のムダは家計簿を作成すると把握しやすいです。家計簿ノートをわざわざ購入して、毎回手書きで入力するのが面倒な人は、家計簿アプリを使うと楽に作成できるかもしれません。
 


 
家計簿をどこまでどれだけ細かく作成するかは、個々の性格に影響するところが大きいですが、細かく作成できる人は、項目を細かく分けて、支出を1円単位まで1ヶ月すべて確認しても良いです。
 
細かく作成すればするほど、細かなムダを見つけやすくなるからです。1円単位で作成することが難しい人は、100円単位でも1000円単位でも構いません。
 
項目も細かく分けるのが面倒なら、大きなくくり(上の表の●印が付いた項目のみ)だけでも良いかと思います。
 
家計簿を作成する期間は無期限(ムダが見つかるまで)と言いたいところですが、とりあえず1ヶ月作成して検証してみると良いです。1ヶ月の継続が難しいと思うなら1週間、それも無理ならとりあえず1日でも良いです。まずは始めることが大事です。
 
そして何にいくら使っているのか把握できるようになったら、目標はほぼ達成したようなものです。家計簿を作成している時に、いろいろな気付きがあるからです。ムダをなくしたい強い動機が生まれれば、あとは自然と行動できる人が多いです。

他と比べることでムダが見つかる

家計の支出内訳をひと通り把握できたら、今度は他と比べてみましょう。比べることで、ムダがあるのかないのか、どこがムダなのか非常に分かりやすくなります。
 
一般的な統計値から似たような世帯の支出額を比べたり、友人知人やネット上から比較対象を探して比べたりすると良いです。例えば、光熱費(電気・ガス・水道)では、総務省に下記グラフの統計があります。
 


 
世帯人数ごとの1ヶ月あたりの平均値が載っているので、同じ世帯人数の電気代・ガス代・水道代と比べると、わが家が全国平均と比べて節約できているのか、ムダがあるのかの目安が分かります。
 
例えば、4人世帯で電気代が月々1万5000円かかっていたら、平均値の1万1082円より約4000円も多いので、ムダ(節約できるチャンス)があるのではないかと考えられます。
 
違う比較対象として、筆者の自宅の光熱費も載せておきます。世帯人数は4人で都内のマンション暮らしです。2010年から2017年まで8年間の費用を月ごとに平均しています。水道代は2ヶ月に一度の請求なので、請求額を2で割って計上しています。
 

 
年間の平均額は電気代8万7610円、ガス代6万927円、水道代4万4341円となっています。さらに細かく1ヶ月あたりの平均値を求めると、電気代7301円、ガス代5077円、水道代3695円となり、総務省の平均値と比べると、電気代と水道代はかなり下回っており、ガス代はわずかに上回っています。
 
水道(上下水道)代は年間を通してかなり安定していますが、ガス代は夏が安くて冬が高く、1月は8月の2倍以上になります。電気代は冬と夏が高くて春と秋が安くなっています。ガスは主に給湯器とガスコンロなので、冬の湯沸かし(特に風呂)が負担になっていると考えられます。
 
冬と夏の電気代が高いのは、エアコンの使用が大きく影響していると考えられます。つまり、湯沸かしやエアコンの使用を抑えることが大きな節約につながります。ただ、筆者宅ではこの部分はあまりムダとは考えていません。
 
このように支出額を把握できていると、平均値との差や支出の要因がよく見えてきます。

強い意志が成果につながる

家計のムダを見つけただけでは何も改善しません。支出を減らして家計改善するには、明確な目標設定(具体的な減らしたい支出額等)と現状の確認が大事です。支出額から現状を把握できれば、あとは強い意志を持って目標に向かっていくだけです。ムダも自然に見つかります。頑張っていきましょう!
 
執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者

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