更新日: 2020.12.25 働き方

厚生年金に加入したくないパート・アルバイトの方が知っておきたい働き方とは?

執筆者 : 柘植輝

厚生年金に加入したくないパート・アルバイトの方が知っておきたい働き方とは?
正社員ではないパートやアルバイトであっても一定の要件を満たすことで厚生年金に加入することができます。一方で厚生年金の保険料負担が重く、できれば加入したくないという方も一定数存在しています。
 
今回は厚生年金に加入したくないパートやアルバイトの方に向けた働き方について解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

厚生年金の加入要件をチェック

厚生年金の適用事業所である会社に勤めている70歳未満であり、かつ、就業規則などで決められた一般社員の所定労働時間および所定労働日数の4分の3以上勤務する場合、雇用形態に関係なく厚生年金に加入することになります。つまり、正社員ではなくパートやアルバイトであっても4分の3という日数と時間の要件を満たす場合は厚生年金に加入することになるのです。
 
ただし、年末年始限定やイベントの短期バイトなど臨時の雇用であることが明確な場合は例外的に厚生年金に加入しません。
 
しかし、パートやアルバイトの場合は週に3日や1日4時間以内など勤務時間が短いこともよくあります。そういった短時間勤務者の場合でも下記の5つの要件を全て満たすことで、厚生年金に加入することになります。
 

(1)週の所定労働時間(会社と取り決めた出勤日数と1日の労働時間)が20時間以上あること
(2)雇用期間が1年以上見込まれること
(3)賃金の月額が8万8000円以上であること
(4)学生でないこと
(5)厚生年金保険の被保険者数が常に501人以上の法人・個人の適用事業所、および国または地方公共団体に属する全ての適用事業所に勤めていること。
 
なお、厚生年金保険の被保険者数が501人未満の事業所でも、労使合意に基づき申し出をした場合は、任意特定適用事業所となります。
 

厚生年金に加入したくないなら2つのポイントを抑えること

パートやアルバイトで働いており、厚生年金に加入したくないという場合は、先に述べた5つの要件に合致しないよう働き方を調整する必要があります。そのために特に重要なポイントを2つご紹介します。
 

まずは働く時間を正社員の4分の3未満に

まずは働く時間をその職場に勤める正社員の4分の3未満に抑えましょう。例えば、勤務先の正社員が1日8時間勤務を基本(早出や残業を除く)としていれば、6時間未満になるよう調整するのです。そうすることで、基本的には厚生年金の加入対象から外れます。
 
しかし、週に20時間を超えてしまっていると、先に述べた要件全てを満たしてしまい厚生年金の加入対象となることもあるため、同時に賃金や勤務先の状況も確認して、必要に応じて1日の勤務時間だけでなく週の勤務時間にも気をつけておく必要があります。
 

賃金を8万8000円未満に抑える

所定労働時間が正社員の4分の3未満だからと安心していても賃金が8万8000円を超えていると、条件次第で厚生年金の加入要件を満たしてしまう恐れもあります。念には念をということで、どうしても厚生年金に加入したくないという場合は賃金が8万8000円未満になるよう働き方を調整するとよいでしょう。
 
賃金を抑えることで、家族の扶養に入っている場合、その扶養から外れないようにすることにもつながります。
 

厚生年金に加入したくない方は勤務時間に注意

厚生年金はパートやアルバイトも対象になっており、勤務時間など働き方によっては厚生年金の加入要件を満たし、保険料を支払うことになります。
 
厚生年金に加入しないままパートやアルバイトとして働きたいという場合は勤務時間や賃金を抑え、厚生年金加入の要件に当てはまらないよう調整するとよいでしょう。
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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