収入が減った人はどれくらいいる? コロナ禍における家計状況は?
配信日: 2021.02.19 更新日: 2024.10.10
実際のところ、コロナ禍で家計の状況はどのようになっているのでしょうか。NPO法人日本FP協会が発表した、「くらしとお金に関する意識調査2020」の結果(※)を見てみます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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2019年と2020年、家計の変化は?
この調査は、2020年10月29日から11月4日に、全国の20代から60代の男女を対象に行われたもの。まずは、10月の家計状況について、2019年と2020年の比較を見てみましょう。
【2019年10月と2020年10月の家計状況の比較】
●増えた 4.1%
●減った 22.6%
●変わらない 73.3%
●増えた 8.2%
●減った 21.8%
●変わらない 70.1%
●増えた 3.0%
●減った 8.3%
●変わらない 88.7%
収入、預貯金、投資のいずれも、変わらないと回答した人がダントツでトップという結果に。いずれの項目も、増えたと回答した人はかなりの少数派。収入と預貯金に関しては、およそ10人に1人が減ったと回答しています。
では、2020年10月の支出の内訳についてはどのようになっているのでしょうか。
1位:食費 30.6%
2位:住宅費 18.4%
3位:光熱・水道費 11.3%
4位:保険料 7.6%
5位:交通・通信費 7.4%
5位:娯楽費 7.4%
家計の支出のうち、3割は食費という結果に。住宅費、光熱・水道費も、生活に必須の支出ですね。その次は僅差で、保険料、交通・通信費、娯楽費が並びます。
ちなみに、「コロナ禍以降で金額が増えた」という費目については、「食費」23.1%、「光熱・水道費」25.5%でした。外出自粛にともない、自宅にいる時間が増えたことが関係しているのかもしれません。
一方で、「コロナ禍以降で金額が減った」という費目については、「衣類・美容費」21.2%、「娯楽費」27.2%とのこと。やはりこれも、「おしゃれをしたところで行くところがない」「外に遊びに行けない」という状況が関係しているのかもしれません。
現在・将来ともに、お金に対する不安を抱える人が多数
この状況下で、お金に対する不安はどのようになっているのでしょうか。
・収入 59.3%
・支出 52.9%
・預貯金 56.2%
半数以上の人が、現在のお金に対する不安を感じているということがわかります。特に支出よりも収入や貯蓄に不安を感じる人が多いようです。支出は節約してやりくりすることでコントロールできることも多いですが、収入や貯蓄については自分の力ですぐになんとかできるものではないため、不安を感じる率が高いのでしょうか。
ちなみに、先の回答で「収入が減った」と回答した人に絞ると、上記の数字は「収入」84.2%、「支出」73.3%、「預貯金」74.1%とかなりポイントが上がります。また、将来のお金に対する不安は、以下のとおり。
・収入 66.6%
・支出 59.6%
・預貯金 62.9%
いずれも現在の不安よりも増加していることがわかります。このままの状況が続くと危ない、と考えている人が多いということでしょうか。ちなみに、「収入が減った」と回答した人に絞ると、上記の数字は「収入」85.4%、「支出」77.3%、「預貯金」78.8%に。
収入の増減に関わらず、多くの人が現在、そして将来のお金に不安を感じており、当然ながら収入が減った人に関しては強い不安を感じているということがわかりました。
まだしばらく個人の感染症対策は続きますが、国にはワクチン接種や医療制度のフォロー、そしてしっかりとした補償をしてもらい、1日も早く以前の生活を取り戻せるよう期待したいものです。
[出典]
※NPO法人日本FP協会「くらしとお金に関する意識調査2020」(株式会社共同通信ピー・アール・ワイヤー)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部