更新日: 2021.11.12 年収
平均年収が倍になっても年金受給額は倍にならない?平均年収1000万円と500万円の差は?
本記事では、日本の公的年金制度の仕組みを踏まえたうえで、年収500万円と1000万円でもらえる年金額について詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ファイナンシャル・プランナー
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サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
日本の公的年金は2階建てがポイント
日本の公的年金は、老齢基礎年金(国民年金)と厚生年金の2階建て構造になっており、厚生年金で年金額に差がつきます。まず、この見出しでは公的年金の仕組みを詳しく解説します。
老齢老齢基礎年金とは
老齢基礎年金は国民年金ともいわれるもので、日本に住んでいる20歳以上60歳未満すべての人に加入が義務付けられている公的年金です。国民年金保険料を納付した期間と保険料免除期間などを合わせて、10年以上の受給資格期間があれば、原則65歳から受け取れます。
令和3年4月分からの老齢基礎年金の年額は78万900円です。老齢基礎年金を早く受け取りたい人は、60~65歳になるまでの間に請求手続きをすれば、繰上げ受給が可能です。反対に、66~70歳までに受給を遅らせる繰下げ受給もあります。
厚生年金とは
厚生年金は、会社員や公務員などが加入する公的年金です。厚生年金の被保険者は、国民年金にも加入しており、将来は老齢基礎年金と厚生年金の両方がもらえます。
厚生年金の保険料は、50分けられた標準報酬月額と標準賞与額に基づき決まります。年収500万円と1000万円では等級が変わるため、毎月天引きされる厚生年金保険料は異なります。
年収1000万円と年収500万円の年金の差は?
年収500万円と1000万円では、老齢基礎年金と厚生年金でどれくらいの差があるのでしょうか。この見出しでは、実際の年金額をシミュレーションしながら、両方の年金について解説します。
なお、厚生年金は三井住友銀行の「年金試算シミュレーション」を使って、どれくらいの差があるのかを調べています。なお、被保険者の条件は、40歳男性、就業年齢は22歳から60歳まで、現在の年収を「500万円」と「1000万円」に設定しました。
老齢基礎年金のケース
老齢基礎年金は、年収に関係なく年金加入期間や納付した月数によって受給年金額が決まります。したがって、年収500万円も1000万円も受給する金額に差はありません。
保険料を40年間しっかりと納めていれば満額受け取ることができ、令和3年度であれば月額6万5075円・年額78万900円となります。
厚生年金のケース
年収500万円と1000万円では、厚生年金の受給額は下記のように変わります。
・年収500万円:月額8万4000円
・年収1000万円:月額12万7000円
厚生年金の受給額の計算は複雑であり、保険加入期間とその間の平均標準報酬月額によって変わります。現在の年収が500万円・1000万円であっても、過去の年収が違えば将来もらえる年金額も変わってくるでしょう。
あくまでも、シミュレーション結果はおおよその金額であり、一概にどれくらいの差がつくとは言い切れません。
年金を増やすには?
将来もらえる年金を少しでも増やしたい人は、下記で挙げる3つの方法がおすすめです。
・老齢基礎年金保険料の追納
・繰下げ受給
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
老齢基礎年金で、学生納付特例や保険料の免除などを受けていた期間がある人は、受給資格期間には含まれても、年金額は低くなってしまいます。もし、免除や特例を受けた期間が10年以内であれば、 10年間さかのぼって追納できます。
次に老齢基礎年金の繰下げ受給を利用すれば、請求時の年齢に応じて年金が増額されます。繰下げ受給は老齢基礎年金だけか厚生年金だけか、両方とも繰り下げるのかを選択できますので、そのときの状況に合わせて決めましょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、私的年金の制度です。掛け金や運用益・給付を受け取るときに税制上の優遇措置が受けられます。公的年金だけだと心もとない人は、私的年金を活用するのも1つの手です。
年収で年金額に差がつくのは厚生年金
公的年金は老齢基礎年金と厚生年金の2種類があり、年収によって将来もらえる年金に差がつくのは厚生年金です。
老齢基礎年金は加入期間や納付した月数によって受給額が変わります。もし、満額もらえないことがわかっているのであれば、追納制度や繰下げ受給を活用して、年金額を増やすのもよいでしょう。
また、iDeCoなどの私的年金を活用するのもおすすめです。老後資金を貯めるためにも、今のうちからしっかりと対策を立てておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
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