更新日: 2021.11.30 年収

後期高齢者の医療費自己負担引き上げ。対象となる年収の条件は?

後期高齢者の医療費自己負担引き上げ。対象となる年収の条件は?
後期高齢者(75歳以上)の医療費自己負担引き上げのニュースを見て「75歳以上は全員対象になるのか」「医療費2割負担になるのはいつからなのか」など疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
 
医療制度改革関連法案が成立したことで、課税所得28万円以上で単体世帯は年収200万円、複数世帯は年収320万円以上の方は、医療費負担が2割に引き上げられることになります。
 
ここでは、医療費自己負担2割への引き上げ内容や条件、理由などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

75歳以上の医療費2割負担へ

2021年6月4日、一定の所得がある後期高齢者(75歳以上)の医療費自己負担を1割から2割に引き上げる「医療制度改革関連法」が可決・成立しました。この法案の成立により、課税所得28万円以上かつ、年収が200万円以上(複数世帯は320万円以上)の方は医療費自己負担が2割負担となります。
 
高齢者の負担を増やすことで、現役世代の負担を抑制するのが医療費負担増の目的です。

 

現在の法律でも現役世代並みの収入があると3割負担

現在の法律においても、収入が高い高齢者の医療費自己負担割合は3割です。75歳以上の窓口負担は原則1割ですが、単体世帯で年収383万円以上、複数世帯で年収520万円以上など現役世代並みの収入があると3割負担となります。

 

医療費2割負担となる背景

これまで、75歳以上の窓口負担は原則1割、現役世代並みの収入があると3割負担でしたが、今回の医療制度改革関連法案の成立により、2割負担が新設されます。
 
75歳以上の医療費負担を増やすのは、高齢化に伴い、現役世代の保険料負担が増すことが予想されるためです。75歳以上の医療費負担を見直すことで、財源を賄う現役世代の保険料負担を抑えられます。このように、若い世代の保険料上昇を抑えることを目的として、75歳以上の医療費2割負担が新設されます。

 

医療費2割負担の対象

医療費負担2割引き上げの対象となるのは、以下の2つの条件を満たす75歳以上(後期高齢者)の方です。
 

・課税所得28万円以上
・単体世帯は年収200万円以上、複数世帯は年収320万円以上

 
年収は年金収入とその他の合計所得金額の合計額となります。
 
つまり、課税所得が28万円未満なら1割負担、28万円以上で年収が200万円以上(複数世帯は320万円以上)なら2割負担です。課税所得が28万円以上でも年収が200万円未満(または320万円未満)なら1割負担のままです。
 
また、年収が現役世代並みの383万円以上(課税所得145万円以上)の場合は、現在と同じで3割負担となります。

 

医療費2割負担の引き上げ時期

75歳以上の医療費窓口負担の引き上げは、2022年10月から翌年3月までの間に導入される予定です。ただし、負担割合が2割に引き上がってから3年間は、激変緩和措置が設けられます。激変緩和措置の期間は、窓口で払う増加額が1ヶ月あたり最大3000円に抑えられるため、すぐに負担が大きく増えることはありません。
 
例えば、医療費負担割合2割引き上げの対象者が外来受診をした場合、現在5000円負担だとしたら、引き上げ後は1万円の負担になります。しかし、2022年10月以降に予定される2割負担導入後3年間の激変緩和措置の間は、増加額が1ヶ月あたり最大3000円に抑えられるので負担額は8000円です。

 

医療費2割負担に該当するか確認してみましょう

後期高齢者(75歳以上)で課税所得28万円以上、かつ年収が200万円以上(複数世帯は320万円以上)の場合は、2022年10月から2023年3月までの間に施行される改正法により医療費負担が2割になります。収入条件に該当しない場合は、1割負担のままです。また、最初の3年間は激変緩和措置により、1ヶ月あたりの増加額が最大3000円に抑えられます。
 
医療費2割負担に該当するかどうか、早速収入状況を確認してみましょう。

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
 

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集