児童手当という点から見ると、年収1000万円と世帯年収1000万円どっちがお得?

配信日: 2021.12.18

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児童手当という点から見ると、年収1000万円と世帯年収1000万円どっちがお得?
児童手当には受給権者の所得制限があるため、児童手当がもらえる年収のボーダーラインを気にするご家庭も多いのではないでしょうか。児童手当の受給可否の判定は、主に稼ぐ人の所得額をもとに行われるため、同じ世帯年収でも受給できる場合、できない場合があります。
 
ここでは、児童手当の所得制限限度額や所得の判定方法の解説に加え、年収1000万円を例に、1人で1000万円稼ぐ場合と共働きで世帯年収1000万円の場合の受給可否を比較しました。児童手当の所得制限と年収の関係について、ぜひ理解を深めてください。
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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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児童手当の「所得制限限度額」とは

 
児童手当は、中学校卒業までの児童の養育者を対象に支給される給付金です。受給者(父母のうち所得が高いほう)の所得金額が所得制限限度額未満であれば、児童1人あたり月額1万~1万5000円が支給されます。
 
所得制限限度額は、所得622万円(年収約833万3000円)をベースに、扶養親族等(※)1人につき38万円(70歳以上の同一生計配偶者または老人扶養親族は44万円)を加算して算出します。
※同一生計配偶者、施設入所等児童を除く扶養親族、前年12月31日時点で生計を維持した扶養親族でない児童
 
扶養親族等の数ごとの所得制限限度額と年収に換算した場合の目安は、図表1のとおりです。
 
【図表1】

所得制限限度額 年収の目安
0人
(前年末時点で子が生まれていないケースなど)
622万円 833万3000円
1人
(子1人のケースなど)
660万円 875万6000円
2人
(子1人、年収103万円の同一生計配偶者1人のケースなど)
698万円 917万8000円
3人
(子2人、年収103万円の同一生計配偶者1人のケースなど)
736万円 960万円
4人
(子3人、年収103万円の同一生計配偶者1人のケースなど)
774万円 1002万円
5人
(子4人、年収103万円の同一生計配偶者1人のケースなど)
812万円 1040万円

 
所得金額が所得制限限度額以上の場合は、児童1人あたり月額5000円の特例給付を受給できます。ただし、年収1200万円以上(子2人、年収103万円の同一生計配偶者1人の場合)の人への特例給付は、令和4年10月支給分をめどに廃止される予定です。
 

児童手当の「所得制限限度額」の判定方法

 
児童手当の所得制限限度額の判定に用いる所得額は、次の式で計算します。

●給与所得のみの人:所得額=源泉徴収票の給与所得控除後の金額-政令控除8万円
●確定申告している人:所得額=申告書の所得金額の合計額-政令控除8万円

所得額は、6月から翌年5月の1年間を区切りとして、6月の属する年度のものを用います。
例:令和3年6月分~令和4年5月分⇒令和3年度(令和2年中)の所得
 
また、医療費控除、雑損控除、小規模企業共済等掛金控除、障害者控除、寡婦控除、勤労学生控除がある場合、上の式よりさらに控除されます。
 

年収1000万円と世帯年収1000万円でもらえる児童手当の額は違う?

 
児童手当の受給資格者は、父母のうち所得が高いほうと決まっており、受給可否の判定にも父母のうち所得が高いほうの金額を用います。これは、共働き家庭でも同じです。
 
そのため、個人の年収が1000万円のケースよりも、夫婦共働きで世帯年収1000万円のケースのほうが、受給資格者の所得が制限額未満に収まる可能性が高いといえるでしょう。
 
もちろん、受給できるかどうかは、扶養親族等の数や夫婦の年収の割合によっても異なります。ケースごとの受給可否の目安を、図表2にまとめました。※目安であり、実際の受給可否は個々のケースにより異なります。
 
【図表2】

年収1000万円 夫600万円+妻400万円 夫900万円+妻100万円
0人
(年収限度額の目安:833万3000円)
1人
(875万6000円)
2人
(917万8000円)
3人
(960万円)
4人
(1002万円)
5人
(1040万円)

 
◯のケースでは子の年齢や人数により1人あたり月額1万~1万5000円が受給できますが、✕のケースでは特例給付の1人あたり月額5000円が受給額となります。
 

年収いくらまで得かは子どもの数などで異なる

 
児童手当の受給可否や受給額に注目した場合、年収いくらまでが得かは扶養親族等の人数などにより異なります。しかし、年収が低いほど受給できるケースが多くなるため、同じ1000万円の年収なら、1人で1000万円を稼ぐ家庭よりも、夫婦それぞれが稼ぐ世帯年収1000万円の家庭のほうが得だといえるでしょう。
 
児童手当の所得制限の判定方法を正しく理解して、損の少ない夫婦の働き方を判断しましょう。
 
出典
児童手当制度のご案内: 子ども・子育て本部 – 内閣府
厚生労働省「内閣府子ども・子育て本部関係」
児童手当・特例給付 制度のご案内 | こしがや子育てネット
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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